京都産業大学

京都産業大学神山天文台 特別研究員と理学部4年次生が「りょうけん座超新星」の確認観測に成功

大学ニュース  /  先端研究  /  学生の活動

  • ★Facebook
  • ★Twitter
  • ★Google+
  • ★Hatena::Bookmark

5月31日(日本時間)に、りょうけん座の子持ち銀河M51の渦の腕の中に、突然出現した明るい星について、京都産業大学神山天文台の新井 彰特別研究員と理学部物理科学科4年次生の長島 雅佳さんと梶川 智代さんが分光観測を実施し、6月3日、この天体が、大質量星が年をとって爆発したII型超新星であることを確認した。この結果は、広島大学 東広島天文台と共同で、国際天文学連合が発行する速報を通じて世界中の研究者に報告された。 

 突然現れた天体がどのような天体なのかを確認するためには、分光観測と呼ばれる「光を虹に分ける」観測が必要となる。
 5月31日にりょうけん座の子持ち銀河M51に、突然明るい星が出現したという知らせを受け、神山天文台では、6月3日午後9時ごろから、新井特別研究員と理学部の長島さん、梶川さんが天文台に設置されている荒木望遠鏡を用いた分光観測を行った。
 II型超新星は、太陽の8~10倍よりも重い星が一生の最後に爆発した天体だと考えられている。爆発する前の星の外層部には水素がまだ残っているため、分光観測によって得られたスペクトルを分析すると、水素による吸収線が見られることが特徴である。

 超新星のような暗い天体を分光観測するためには光をたくさん集める必要があり、大きな望遠鏡が必要になる。神山天文台では国内6番目の大きさを誇る口径1.3mの荒木望遠鏡をすぐに向けて観測する体制を整えており、今回の超新星の観測に成功した。
 
 新井研究員と本学理学部の学生たちは、晴れていれば毎晩、分光観測を続けており、その地道な努力が成功につながったと言える。
 観測を行った長島さんは「観測にも慣れてきたので、自分達で分光観測ができて嬉しかったです」、梶川さんは「梅雨の晴れ間に撮れて良かったです」と語っている。

※詳細は神山天文台ホームページへ
 http://www.kyoto-su.ac.jp/kao/

2256 神山天文台荒木望遠鏡で撮影したM51。左が超新星出現前。右が出現後。