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創価大学で「Yunus & Youth Social Business Design Contest 2014」を開催――ノーベル平和賞受賞者のムハマド・ユヌス博士を招請

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創価大学ディスカバリーホールで7月15日、「Yunus & Youth Social Business Design Contest 2014」(主催:Yunus & Youth Social Business Design Contest 2014 in 東京 実行委員会、共催:創価大学、九州大学ユヌス&椎木ソーシャルビジネス研究センター)が行われ、学生や教職員、高校生ら620名が参加した。

 コンテストでは、はじめに創価大学の馬場善久学長が挨拶し、同大とユヌス・センターとの間で、相互協力を約した協定書の調印式を行ったことを報告。「本学がソーシャルビジネスをハブとして、これからの社会を担い立つ若い学生の皆さんと、それを応援する意志を持つ社会人、各種団体等が出会えるプラットフォームの役割、そして真に有用なアイデアから実践をはぐくむインキュベーションセンターの役割を担うことを誓い、今後とも、ユヌス・センターとの連携を深め、目標の達成を目指していきたい」と語った。

 続いて、ノーベル平和賞受賞者のムハマド・ユヌス博士が基調講演を行った。ユヌス博士は1983年にグラミン銀行を創設し、貧しい人々への無担保・低金利で少額融資を行う「マイクロクレジット」を展開しています。2006年にグラミン銀行と共にノーベル平和賞を受賞。ユヌス博士が提唱する「ソーシャル・ビジネス」は、世界から注目を集めている。

 ユヌス博士は講演の中で「グラミン銀行は都心ではなく、バングラデシュのすべての村にあります。貧しい女性にお金を貸しています。大銀行は担保がないとお金を貸しませんが、私たちは担保なしでお金を貸します。貧しい人は担保にする財産がないからです。私たちは大銀行の反対の発想で成功したのです。皆さんも行き詰ったら、逆のことをやってみてください」「利益を最大化することがビジネスだとすると、お金のことだけしか見えなくなり、地球のことや貧しい人たちのことは忘れてしまいます。自分のためのビジネスでなく、他人のためのビジネス、これがソーシャルビジネスなのです。これが浸透すれば、多くの問題は解決します。寄付や慈善事業だけでは問題は解決しません。ビジネスがなければ、持続可能にはならないのです」「大きく考え、小さなことから始めるならば、自己実現が可能になるのです。例えば、一人の人が貧困から抜け出すことで、もう一人の人が貧困から抜け出し、30年、40年繰り返せば、一人も貧困の人がいない世界ができるのです。小さな種が大事。それを育てていけば、大きな木になる。それには、人と違った考えが大事です。現状から抜け出し、既存の考えにチャレンジするということです」「人間は本来、物事を創造するために生まれてきた。すべての人は起業家なのです。仕事を求める人ではなく、仕事を与える人なのです。自分で自分の運命を決定する人生にチャレンジしよう」などと語り、次代を担う若者に大きな期待を寄せた。

 その後、予選を勝ち抜いた4チームによる発表が行われた。
 千葉大学+星薬科大学のチーム「Asterisk」は、グローバル化が進み、国のアイデンティティーの喪失を感じる現代において、日本の伝統工芸品である高級漆器の価値を保ったまま、現代社会に溶け込ませることのできる方法として、飲食店と提携契約を結び、提携店舗同士で高級漆器酒器をシェアする漆器レンタル事業を主軸としたビジネスプランを発表。
 創価大学+アメリカ創価大学のチーム「いわきかもめ便」は、東日本大震災の被災地の一つである福島県いわき市における2つの風評被害<農作物の価格下落と売上個数減少><いわき市訪問者数の大幅な減少>の解決へのアプローチとして、顧客がいわき市に実際に訪れる工夫を凝らした「もの」と「心」を通わせる食材直送サービス。
 立命館大学のチーム「MyBo!」は、飲料用ペットボトル・缶の日本での年間使用量が約149万トンに達し、日本のごみ問題および世界の環境問題を深刻化させていることに鑑み、大学生にアカウント付マイボトル「MyBo!」を携帯させ、キャンパス内に設置されたリフィル式の自動販売機で、飲料のみの販売を行うサービス。
 そして、東京大学+慶応義塾大学のチーム「YJKK」は、途上国を蝕む資金不足が深刻化する一方で、日本は政府・民間ともに途上国への寄付が減少していることを危惧し、日本の若者に寄付意識・寄付文化を根付かせ、途上国の若者を応援するクラウドファンディングを提案した。

 最後に審査発表が行われ、立命館大学のチーム「MyBo!」が優勝。創価大学+アメリカ創価大学のチーム「いわきかもめ便」が準優勝、他2チームが3位となった。
 優勝チームには、賞金と11月にメキシコで開催される「Global Social Business Summit 2014」への参加権が与えられた。

▼本件に関する問い合わせ先
 創価大学企画室企画広報課
 TEL: 042-691-9442
 E-mail: publicrelation@soka.ac.jp