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北里大学では10月24日に「農医連携シンポジウム」を開催する。第6回目となる今回のテーマは、近年地球規模で大きな問題ともなっている『食の安全と予防医学』。現代社会における「食・環境・健康」について、農学と医学がどのように連携できるかを、最新の科学技術の成果を踏まえつつ、同大の教授らが講演する。
21世紀の予防医学が掲げる目標には「リスク評価・管理・コミュニケーション」「疾病の発生予防」「健康の質の増進」などがある。これらの医学分野における課題と、農学がどのように連携できるかという現代的な問題の解決に取り組むことは、社会の要請に応える上で極めて重要であり、農医連携の科学や教育の必要性は高まる一方だ。
生命科学領域の総合大学である北里大学(学長:柴 忠義)では、こうした「農医連携の教育・研究の推進」を大学全体の教育・研究目標の一つに掲げ取り組んでいるが、その一環として、同大の教授らによる「農医連携シンポジウム」を10月24日(金)に開催する。第6回目となる今回のテーマは「食の安全と予防医学」だ。
食品はもともと炭水化物や脂肪、タンパク質、ミネラル、ビタミンなど、数多くの成分が集まってできたものだ。それゆえ、利点も欠点もある。私たちは昔から食品をおいしくバランスよく摂るため、味と保存方法に多くの関心を寄せてきた。食品は添加物がないと、早期に腐敗し、食中毒のリスクが上昇することも事実である。
さらに、食品の安全性や予防医学における「科学情報」が私たちの日常生活に深く入り込むようになって久しい。特に近年では、食のグローバル化による問題、大腸菌O157や異常プリオン蛋白質など新たな危害要因の出現、遺伝子組換え技術といった新技術開発など、食生活と予防医学を取り巻く状況が大きく変化している。
このため、焼き鳥ひとつ食べるのにも鳥インフルエンザウイルスを意識するなど、食卓でも絶えず「科学」を意識せざるを得なくなった。さらには、ポリフェノールがもつ赤ワインの抗酸化作用が強調される一方で、アルコール摂取量の増加という問題は無視されるなど、ひとつの食品の部分的な効果や影響だけを強調する傾向も見受けられる。
ヒトは長い歴史の中で、さまざまな食品をバランスよく食する知恵を身につけてきた。だが、科学技術に支えられる現代の食品と予防医学は、このヒトの歴史・習慣・常識を忘れ去らせようとしているのではないか。
最新の食品の安全と予防医学は、最新の科学技術を駆使して維持されている。このような食の安全と予防医学について、農学と医学の立場から、両者がどのように連携できるかを、同シンポジウムでは考えていく。
【開催日時】
平成20年10月24日(金)
10:00~18:00
【開催場所】
北里大学 相模原キャンパスL3号館 409講義室
【参加費】
無料
【参加申し込み】
氏名・所属・連絡先をお書き添えの上、メール(noui@kitasato-u.ac.jp)またはFAX(042-778-9761)にてお申し込みください。
【講演プログラム】
◎開催にあたって 柴 忠義(北里大学学長)[10:00~10:05]
1.食品安全委員会の5年間の取組と今後の課題
見上 彪(内閣府食品安全委員会委員長)[10:05~10:20]
2.北里大学の農医連携構想の現状
陽 捷行(北里大学教授)[10:20~10:40]
3.食生活の現状と課題―健康維持・おいしさ・安全性の連携―
多賀 昌樹・旭 久美子・大村 正史(北里大学保健衛生専門学院講師)[10:40~11:20]
4.水産物の機能と安全性
神谷 久男(北里大学名誉教授)[11:20~12:00]
5.過酸化脂質と疾病
中川 靖一(北里大学薬学部教授)[13:00~13:40]
6.サルモネラおよびカンピロバクター食中毒-農の領域から-
中村 政幸(北里大学獣医学部教授)[13:40~14:20]
7.海藻類多食者におけるヒ素による健康影響の問題点
山内 博(北里大学医療衛生学部教授)[14:20~15:00]
8.農医連携における遺伝子高次機能解析センターの役割
篠原 信賢(北里大学医学部教授)[15:20~16:00]
9.農医連携の架け橋としてのプロバイオティクスの可能性を探る
向井 孝夫(北里大学獣医学部教授)[16:00~16:40]
10.機能性食品の可能性と限界
有原 圭三(北里大学獣医学部教授)[16:40~17:20]
◎総合討論
相澤 好治・陽 捷行[17:20~18:00]
▼本件に関する問い合わせ先
北里大学農医連携委員会事務局:
〒228-8555 神奈川県相模原市北里1丁目15番1号 北里大学学長室
古矢鉄矢・田中悦子
TEL: 042-778-9765
FAX: 042-778-9761
E-mail: noui@kitasato-u.ac.jp
URL: http://www.kitasato-u.ac.jp/daigaku/noui/index.html
参考資料( http://www.kitasato-u.ac.jp/daigaku/noui/download/sympo6_poster.pdf )
大学・学校情報 |
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大学・学校名 北里大学 |
URL https://www.kitasato-u.ac.jp/ |
住所 〒108-8641 東京都港区白金五丁目9番5号 |
学校法人北里研究所が設置する北里大学は、北里柴三郎を学祖とする「生命科学の総合大学」で、「いのちを尊(たっと)び、生命の真理を探究し、実学の精神をもって社会に貢献する」ことを理念としています。2015年12月、大村智特別栄誉教授が「線虫感染症の新しい治療法の発見」によりノーベル生理学・医学賞を受賞。2024年7月、北里柴三郎博士が、20年振りに刷新される新千円札の肖像画に採用。 |
学長(学校長) 島袋 香子 |