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立命館大学経営学部のプロジェクト団体・丹後村おこし開発チームが『My Life My Rice ~最も地味な、一泊二日棚田体験ツアー~』を実施

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このたび、立命館大学経営学部のプロジェクト団体である「丹後村おこし開発チーム」は、棚田再生プロジェクトとして、『My Life My Rice ~最も地味な、一泊二日棚田体験ツアー~』を企画した。同団体は、京都府宮津市上世屋地区に残る美しい日本のふるさとの風景や地域固有の文化を守ることを目的として、2004年1月に発足した。今回の企画である棚田ツアーは、地元の宿泊施設「いーポート世屋 しおぎり荘」と丹後村おこし開発チームが共同で開催する。

1. 立命館大学経営学部プロジェクト団体 丹後村おこし開発チームについて

【概  要】
・名  称: 立命館大学経営学部プロジェクト団体 丹後村おこし開発チーム
・設立年月日: 2004年1月
・構 成 員: 54人
        経営学部37名、経済学部3名、理工学部12名、情報理工学部1名、他大学1名      
・顧  問: 雀部 晶(経営学部教授)
        石崎祥之(経営学部准教授)
        石井 洋(立命館総合企画部事業計画課)

・目  的: 京都府丹後地域の丹後天橋立大江山国定公園内にある過疎の山村集落である京都府宮津市上世屋地区とその周辺の世屋高原において、笹葺き屋根などに代表される地域固有の景観と里山保全の取り組みを行うと共に、昔から伝わる文化資源を活かした地域再生につながる地域密着型事業の在り方を模索し、提案・実行していくことを目的に活動している。

・活動範囲: 立命館大学びわこ・くさつ(BKC)キャンパスに活動拠点を置き、京都府宮津市上世屋地区において実際に村おこしの活動をしている。丹後地方を拠点に活動しているNPO法人「美しいふるさとを創る会」や同じく丹後地方を拠点とした企業の方々とで、世屋高原地域再生コンソーシアム『いーポートコミュニティー』、並びに、笹葺き古民家再生・活用コンソーシアム『笹葺きパートナーズ』を結成し、現地での活動を行っている。

・活動内容: 『笹葺き屋根の葺き替え事業』から始まり、『棚田を活用した米作り』、『いーポート世屋への経営参画』など、活動は年々多角化し、幅が広がってきているが、全ては地域再生事業を目的とし、活動を行っている。

【団体設立の背景】
 丹後村おこし開発チームは、2004年1月に発足された経営学部プロジェクト団体である。チーム設立のきっかけとなったのは、現在の活動拠点となる、京都府宮津市上世屋地区に残された笹葺き屋根の農林漁業体験実習棟(以下、実習棟)の存在だった。この施設は、1985年に蕎麦打ちやわら細工を体験できる施設として竣工したが、後に利用者の減少とともに屋根は老朽化し、荒廃が進んだまま長い間放置されてきた。このままでは「もったいない」という意思のもと集まった、NPO、現地企業、学識者の方々を中心に、この施設の修復を試みる「笹葺きパートナーズ」が結成された。そして、その意思に賛同し、パートナーズに参加する形で同チームが発足した。

2. 具体的な活動内容

■笹葺き屋根の葺き替え事業
 「笹葺きパートナーズ」として、実習棟の笹葺き屋根を修復すべく葺き替え事業が始まった。屋根の材料を調達すべく始めた笹刈りは、活動を通して、チームに里山保全を意識するきっかけともなった。また、笹葺きの取り組みでは、作業を通して、笹葺き屋根が作り上げた地域固有の文化と人とのつながりの大切さを、身をもって体感することができた。こうした作業を繰り返し、2008年5月に目標としていた実習棟の全面葺き替えが完了した。現在は、伝統技術継承のため、京丹後市の五十河地区にある、国指定重要文化財に申請中の笹葺き屋根古民家の修復に携わっている。

■棚田活用の取組み
 2008年度より始まった棚田活用の取り組みは、今年で2年目を迎える。自分達の手でお米を作って食べてみたい、という思いからスタートしたこの活動は、美しい棚田の風景を残すという点で里山の景観維持にも繋がっている。
 2008年度は初めての米作りということで実験的な1年だったが、2009年度からは作業する棚田の枚数を増やし、棚田再生の取り組みの他に、地域資源である棚田を事業化した、「My Life My Rice~最も地味な、一泊二日棚田体験ツアー~」(「4」に詳細を記載)を企画、実施する。

■地域再生事業の模索、提案・実行
 私たちチームは設立当初より、実習棟を利用した事業展開を目的に、この施設の笹葺き屋根修復に取り組み始め、2008年5月に屋根の修復を完了した。
 そして今、活動は大きな転換期を迎えている中で、本年度は、笹葺き屋根実習棟をはじめとした上世屋地区に残る豊かな自然や生活文化、伝統といった地域固有の文化資源を活用し、地域再生を目指した新たな事業が展開できるよう模索、検討中である。この事業は、上世屋を始めとした日本の限界集落を、現代社会にどのように活かし、残していくべきなのかを模索する上での足掛かりと考えている。
 さらにチームとして考えを深めるため、9月に全国の大学で地域再生活動に取り組む諸団体を上世屋地区に招聘して、各団体の事例発表や意見交換をする場として、「大学生地域再生活動団体サミット」の開催を現在計画中である。

3. これまでの取り組み・企画について

【主な取り組み】
 2004年4月  団体設立
    6月  笹葺きパートナーズ参加
         笹葺き屋根実習棟の清掃・修復開始 
 2007年8月  丹後天橋立大江山国定公園新規指定・若狭湾国定公園拡大記念式典において、京都府知事より感謝状を授与
 2008年5月  笹葺き屋根実習棟修復完了
         棚田活用プロジェクト開始
 2009年5月  「My Life My Rice~最も地味な、一泊二日棚田体験ツアー」企画・実施開始

4. My Life My Rice~最も地味な、1泊2日棚田体験ツアー~について

【棚田活用の経緯】
 私たち丹後村おこし開発チームは、2008年度より棚田活用事業に取り組み始めた。
 2008年度は「米作りをしてみたい。自分たちの手で作ったお米を食べてみたい」という思いから、地元の方に田んぼをお借りして、「いーポートコミュニティー」のメンバーに指導していただき、無農薬にこだわった、初めての米作りに挑戦した。その成果として、172kgのお米を収穫できた。収穫したお米は、立命館大学学園祭の模擬店で焼きおにぎりとしての販売や、活動関係者やOB・OG、チームメンバーに配布した。
 2009年度は昨年に引き続き、地元の方々からアドバイスをいただきながら無農薬米作りを実施する。また、棚田活用を事業化すべく、地元の宿泊施設「いーポート世屋 しおぎり荘」(以下、しおぎり荘)と協働してこの度の棚田ツアーを企画した。

【棚田体験ツアー企画経緯】
 棚田体験ツアーは、立命館大学で正課授業として学んでいる経営学などの理論を現地で実践することで、自分たちの目指す地域密着型事業の足がかりとなると考え、しおぎり荘と協働で企画している。
ツアー参加者の方には、この企画を通して、丹後地方の美しい景観に触れていただくと同時に、田植えだけでも、稲刈りだけでもない、草抜きや荒起しなど田んぼの土を作る全工程を含めて米作りを体験していただくことで、「自分でたべるものを一から自分で作って食べる」ということの意義を実感してもらいたい。今後は、事業実施者として企画運営や広告宣伝などを行って、企画を盛り上げていく予定である。

▼本件に関する問い合わせ先
●棚田体験ツアーについてのお申込について
 いーポート世屋 しおぎり荘
 〒626-0227 京都府宮津市上世屋238-14
 TEL: 0772-27-1471
 E-Mail: info@eportseya.jp
 http://www.eportseya.jp/index.html

●棚田体験ツアーのパンフレットダウンロード
 立命館大学プロジェクト団体 丹後村おこし開発チーム
 http://www.tangoweb.co.jp/tmkt