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日本プロ野球選手会と学校法人立命館が包括協定を締結~“選学共同”でスポーツを通じた社会貢献を実施~

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2009年6月29日に、日本プロ野球選手会と学校法人立命館は、スポーツを通じた社会貢献を目的として、包括協定を締結した。

1.日本プロ野球選手会と学校法人立命館の概要
(1)日本プロ野球選手会
 日本プロ野球選手会は、日本のプロ野球12球団に所属する日本人選手全てが会員となり組織する団体で、社団法人日本プロ野球選手会(1980年設立)と労働組合プロ野球選手会(1985年法人登記)の2組織から成り立っている。
 社団法人日本プロ野球選手会は、野球に関する公益事業展開やスポーツ振興、野球会全体の発展に寄与するための諸活動を行なっている。労働組合プロ野球選手会は、プロ野球選手の地位向上に関するさまざまな取り組みを行なっている。日本プロ野球選手会は、球団の枠を越えたプロ野球選手集団として、野球(スポーツ)を通じた社会貢献活動を展開している。
 具体的には、「球界構造改革」「ファンコミュニケーション」「社会貢献・球界貢献」「未来への裾野づくり・スポーツ振興」を柱とした活動に取り組んでいる。近時では、高校球児とのプロアマ問題解決、2004年のプロ野球会再編問題時の行動力で社会的にも注目を浴びる団体となった。

(2)学校法人立命館
 立命館は学祖・西園寺公望が1869年に私塾「立命館」を創設したところにはじまる。今日の立命館は、2大学、4附属高等学校、4附属中学校、1附属小学校、学生・生徒・児童数約4万9千人を擁する総合学園である。
 建学の精神「自由と清新」、教学理念「平和と民主主義」を掲げ、「教育・研究および文化・スポーツ活動を通じて信頼と連帯を育み、地域に根ざし、国際社会に開かれた学園づくりを進める。」(立命館憲章)としている。
 立命館はこれまでにも、NFL協定科目開講(経営学特殊講義)、京都パープルサンガとのコラボレーションによる選手育成プロジェクトなど、数々のプロスポーツ団体との協力関係を構築し、さまざまな形態によるスポーツ関連団体との産学協同の取り組みを行ってきた。また、立命館大学びわこ・くさつキャンパス(BKC)の開設は滋賀県及び草津市との協力、立命館アジア太平洋大学(APU)は大分県及び別府市との大型公私協力によって実現した。地域との共生を掲げ、地域と密接に連携した教育・研究活動を行なっている。

2.コンセプト  -“選学共同”で“スポーツを通じた社会貢献”をめざす
(1)協定締結の経緯
 日本プロ野球選手会は近年地域貢献活動に力を入れている。“日本人のDNAには野球がある”との考えから、子どもたちに夢を与えることができるスポーツである野球を通じて、地域社会・家族のコミュニケーション活動を振興できる取り組みを進めている。たとえば、2008年度は全国各地で合計11回のキャッチボールプロジェクトを実施。プロ野球現役選手・OBが講師となって、地元の子どもたちとのキャッチボール・コミュニケーション活動を展開している。また、2008年12月21日(土)には「ベースボールクリスマスin横浜」を実施した。これはプロ野球選手現役選手を中心としたファンコミュニケーションイベントである。
 今次包括協定の締結は、このような取り組みを進める日本プロ野球選手会と立命館との懇談によって実現に至った。立命館は近時スポーツ分野での実績があり、地域貢献活動の取り組みを積極的に展開しているためである。

(2)協定締結コンセプト
 日本プロ野球選手会と立命館は、選手会と大学との共同、すなわち“選学共同”によってスポーツを通じた社会貢献活動を行なう。
 “選学共同”の具体的内容は、学園スポーツの長い歴史と伝統、知的資源を有する本学と、野球を通してのスポーツ振興の実践を有する選手会が、双方の知的または人的資源、社会的ネットワークを有機的に融合させつつ、日本スポーツ界の将来像を描き、社会に提言してゆくための共同研究等を行うことを予定している。
 また、今回の選学共同は、研究面による連携のみならず、学生、卒業生、教職員、学園関係者、地域などの学園内外の多様な人々が参加しやすく、親しみやすい企画も実施できるように今後の連携の過程でさまざまなプロジェクトを具体化していくことを予定している。
 今後は、日本プロ野球選手会とともに協定締結に関わる記念企画、2010年開始を目標とする共同研究・教育プログラムのさらなる具体化に向けた取り組みを実施していく。

3.“選学共同”の具体例
 今後、次の柱を中心に協議を行なっていく。2009年度夏を目処にした協議を行なう。
 ※具体的な内容が決定し次第、改めてご報告させていただきます。

(1)コミュニケーション活動
 野球を通じて地域・国際社会とのコミュニケーション活動を活性化する。イベント、シンポジウム活動などの実施を検討する。

(2)テーマ別の共同研究
 「栄養」「食」「セカンドキャリア」など、プロ野球選手に求められる研究を共同で実施することを検討する。

(3)スポーツ・健康領域の教育
 プロ野球選手のセカンドキャリアにおける教育、学生のインターンシップなど、選手・学生とがお互いに学ぶことができる仕組みを検討する。

4.コメント
(1)日本プロ野球選手会 会長 新井貴浩(あらい・たかひろ)
 大学とプロ野球選手とが手を組むことで、野球界をより活性化させようという今回のチャレンジには無限の可能性があるはずです。
 それぞれが持っているいいものを出し合いながら、まずはできることから一歩、一歩積み上げていきたいと思います。

(2)学校法人立命館 総長 川口清史(かわぐち・きよふみ)
 このたびは、日本プロ野球選手会と“選学共同”協定を締結する機会に恵まれ、大変嬉しく思っております。
 立命館大学びわこ・くさつキャンパス(BKC)は、これまで主に教育・研究を通じた地域貢献活動、地域社会と一体となったキャンパス作りに取り組んで参りました。滋賀県・草津市との公私協力によるキャンパス開設、産官学地連携など、先例のないことを積極的に取り組んでまいりました。
 今後は、本協定締結を契機とし、スポーツを通じた新しいかたちの地域貢献活動を展開して参ります。
 一般の方も参加できる各種イベント、学生・教職員の元気やパワーを生かした教育・研究など、立命館の柔軟なアイデアとダイナミックな行動力を地域の方々とともに発揮し、新しい大学のあり方を示していきます。