龍谷大学

産学連携により共同開発した「天然木織物」が評価され、龍谷大学理工学部 大柳教授が「ものづくり日本大賞」を受賞

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龍谷大学理工学部 大柳満之教授が同大レンタルラボ(インキュベーション施設)を卒業した「ゼロワンプロダクツ株式会社」(樋口伸一社長、大阪市)らと共同開発した天然木織物が、第3回「ものづくり日本大賞」経済産業大臣賞に選ばれた。

 龍谷大学では、教育・研究活動に加え、エクステンション(普及)活動を大学の重要な活動として位置づけている。このエクステンション活動の中心拠点として、1991年に「龍谷エクステンションセンター」(REC:レック)を開設した。RECでは、設立当初からコミュニティ・アイデンティティー(地域をどう認識するか)を重視し、地域の人材や資源を本学の教育や研究に活用し、その成果を地域に還元させる双方向型のエクステンション活動を実践してきた。
 
 産官学連携事業では、地域経済の発展と活性化を目指し、大学の資源を活かして、地域の中小企業やベンチャー企業、官公庁と共同研究や受託研究等をおこない、新製品や新技術の開発・創造をおこなってきた。なかでも、同大は他大学に先駆け、私立大学では初となるレンタルラボ(貸し研究室)を大学内に設け、中小企業・ベンチャー企業の支援を重視した産学連携事業を展開している。
 
 今回「ものづくり大賞」の受賞につながった新素材「天然木織物」の開発は、1999年に同大レンタルラボに入居していたゼロワンプロダクツ株式会社(樋口伸一社長、大阪市)と、龍谷大学理工学部 大柳満之教授が共同ですすめてきた研究の成果である。天然の木をスライスしたツキ板に樹脂を充填させ、補強材として和紙や不織布、天然皮革、帆布を貼り合わせることによって、天然木の持つ暖かな質感を損なわずに十分な「強度」と「柔軟性」を持ったシートの開発・実用化に成功したことが評価された。この技術により、繰り返し折り曲げても割れず、縫製加工が可能な素材として、多様な用途に活用することが可能となった。
 
 この研究は既に、2001年に生体適合性及び天然の樹脂を使用し、より安全性を追求した天然木自在シート「テナージュ」の開発・実用化に成功し、日本のみならずアメリカでも特許を取得した。最近では、特に木織テナージュを活用したトートバックや照明傘、iPodケース等を販売。また、シャープ製のソフトバンク携帯電話のテクスチャに、テナージュのエボニー(黒檀)が採用されるなど、世界から注目を集めている。


▼本件に関する問い合わせ先
龍谷大学 龍谷エクステンションセンター(REC)事務部
〒520-2194 滋賀県大津市瀬田大江町横谷1-5
TEL:077-544-7299 E-mail:rec@ad.ryukoku.ac.jp

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