龍谷大学

龍谷大学が茨木市議会(大阪)と地域連携協定を締結 ~西日本で初・地方議会と大学の連携協定~

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2月3日、龍谷大学(京都市伏見区)と茨木市議会(大阪府茨木市)は、地域社会における高度な識見を有する人材を育成することを目的として、地域連携協定を締結した。本学の教員が議会の改革に関する講演や研究支援をおこない、大学院生が議会で研修する一方、本学の「NPO・地方行政研究コース」に市議を受け入れ、知識・人材の相互交流をすすめる。

●龍谷大学と茨木市議会との協定の契機
 龍谷大学大学院NPO・地方行政研究コースと茨木市議会との交流が始まったのは、2009年2月に「議会改革」をテーマに開催された「NPO・地方行政研究コース大学院生自主シンポジウム」以来である。このシンポジウムはコース大学院生によって企画されているが、昨年は3名の議員(うち1名が茨木市議会議員)をパネリストとして招聘したところ、シンポジウム終了後に同議員とコース担当教員との連携に関する協議が始められ、まず2009年4月に茨木市との協定が締結され、続いて今回市議会との協定締結が実現した。

●本協定の概要と意義
今回の協定書の内容については、以下の通り。

目的
1) 大学は、議会が事務事業完遂のために必要とする高度な学術情報の取得および専門的研究者との交流等、議員の研修・研究の機会を提供する。
2) 議会は、大学院生の実務体験研修の機会を提供する。

具体的内容
1) 大学院NPO・地方行政研究コースへの議員の推薦による受け入れ(奨学金の支援制度適用を含む)
2) 所属大学院生のインターンシップの受け入れ
3) 大学の講義・講演会の優先公開
4) 議会の事務事業に対する大学からの研究支援・助言
5) 大学の研究教育活動に対する議会の情報の提供及び便宜供与
6) その他両者の協議により必要と認められる事業

締結期間
 2012(平成24)年3月31日(その後、3年ごとに更新の可能性有り)

 龍谷大学は、市議会との協定により、協定先が多様化することで研究フィールドやインターンシップ受入先も広がり、本学の教育活動に有効であると考えた。また、議会改革への研究協力は、大学の社会的貢献という側面もある。
 本協定締結は、議会をテーマに研究したいと考えている入学希望者にアピールする機会でもあり、今後のNPO・地方行政研究コースの飛躍的な展開も期待している。

 茨木市議会は、議員数32名(議長 辰見登氏)で構成されている。市民の代表である議会と知的資源が集積する大学が相互に協力することにより、様々な行政課題・地域課題に迅速かつ適切に対応するとともに、魅力ある地域づくりの推進をすすめていきたいと考えている。 
 具体的には、議会改革に関わる事務事業および議会基本条例の策定のために大学の研究成果を活用し、専門の研究者との交流を通して、議員・職員の研修の機会を得ることにもつながる。
 地方分権化にともない、全国的に議会改革、「議会基本条例」策定が求められており、地方分権に関わる先進事例について研究をすすめている龍谷大学NPO・地方行政研究コースとの協定に大いに期待している。

●龍谷大学大学院NPO・地方行政研究コースとは
 NPO・地方行政研究コースは、経済学研究科、法学研究科の共同運営(2011年度からは政策学研究科(設置構想中)が参加予定)、社会学研究科の科目提供による研究科間の連携による特色あるプログラムである。「理論と実務をつなぐ」豊かな学修環境を学際的に実現し、地域社会を担う職業人、研究者を養成する目的のもと、幅広い領域に対応したカリキュラムが設計されている。本コースの取組は、2007~09年度文部科学省の大学院教育改革プログラム(GP)に採択され、地域との協働型研修を含むカリキュラム開発を行い、さらに内容を充実させた。

 最大の特色は、2003年4月に発足して以来、地方自治体および市民団体等との間に「龍谷大学と(地方自治体等)との地域人材育成に係る相互協力に関する協定書」(以下、地域連携協定と呼ぶ)を締結し、それに基づき奨学金を備えた推薦入学制度と、若手院生の研究を支援する協定先へのインターンシップ(単位認定)も実施していることである。
 本コース修了生は、職場(協定先)で大学院での研究成果を還元しながら、新たに活躍の場やネットワークを広げているところである。さらに、現職の自治体・NPO団体職員とともに学修をすすめた若手大学院生は、協定先での実務経験の機会を得て経験を重ね、修了後は自治体またはNPO団体へ就職し現場で活躍している。

<辰見 登 茨木市議会議長のコメント>
「今回の締結により、大学の支援・助言等を得て、市議会における政策立案機能の強化・充実を図るとともに、新たな行政課題等についての調査・研究も大学と共同で行っていくなど、幅広い相互協力を期待しています。」

<若原 道昭 龍谷大学学長のコメント>
「この協定締結により、本学が研究協力等で茨木市議会に貢献することができ大変光栄に思います。地域社会における人材育成のために、今後、茨木市議会との新たな連携協力の展開に期待しています。」

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