龍谷大学

龍谷ミュージアムにて、西本願寺蔵の国宝「安城御影」展示(11/1~27)。11/1(火)メディア向け説明会を開催。

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今年4月に開館した龍谷大学の仏教総合博物館「龍谷ミュージアム」では、龍谷ミュージアム開館および親鸞聖人750回大遠忌法要記念特別展「釈尊と親鸞」を1年間6期の会期に分けて開催しており、現在、第3期を終え、約75,000人の方が来館されている。10月8日(土)から始まった第4期では、2階(釈尊)、3階(親鸞)の展示室ともほぼすべての展示品を一新するとともに、重要文化財も展示している。さらに11月1日からは、西本願寺蔵の国宝「安城御影」が展示される(展示期間:11月1日~27日まで)。

 このたび、龍谷ミュージアムではじめて国宝を展示するにあたり、メディア向け説明会を下記のとおり開催します。
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<メディア向け説明会について>
※本説明会の対象はメディア関係者に限らせていただきます。

・日 時: 11月1日(火)13:00~、 16:00~
       (2回とも同内容です)

・内 容: 国宝「安城御影副本」の解説、および、その他展示品の解説

・場 所: 龍谷ミュージアム

・申し込み方法: 龍谷大学学長室(広報)に直接お申し込みください。
 E-mail: kouhou@ad.ryukoku.ac.jp
 075-645-7882

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<展示物について>

国宝 「安城御影副本」について

「安城御影副本」(親鸞聖人像)1幅
(展示期間: 11月1日~11月27日)
   縦127.6cm 横40.1cm 室町時代 西本願寺
 首に帽子、両手に念珠、広く知られる聖人のすがたを伝える貴重な資料!
 西本願寺に所蔵される「安城御影」の写しで、本願寺第8世蓮如により制作されたものです。賛銘も蓮如によると推測されます。「安城御影」は寛正2年(1461)と、文明11年(1479)の2度にわたり修復をされていますが、本画像は2度目の修復に際して制作されたとみられます。現在、剥落のため容貌の定かでない原本の様子を知る上で大変貴重な資料です。


(参考)
龍谷ミュージアム「釈尊と親鸞」展 第4期 その他の見どころ

【初公開】 仏頭部壁画 伝スワート出土 1面
   縦27.9cm 幅24.9cm 6~8世紀 龍谷大学
 インド「グプタ様式」の影響がみられる色鮮やかなブッダ像!
 パキスタン北部のスワート周辺から出土したと伝えられるブッダを描いた壁画。その支持体が岩であることから、仏教石窟内に描かれたブッダ像の一部であったと推測されます。顔や肩を描いた一定した太さの朱色の輪郭線、肉体を表す肌色のグラデーション、半眼に閉じた目とまっすぐに通った鼻筋、やや小ぶりな口唇、これらの描き方により瞑想的な雰囲気が表現されています。
 このような特徴は、インドで5世紀頃から広まる「グプタ様式」と一致するもので、本壁画がインドからの影響を受けてスワート地域で描かれたものであることを示しています。また、同じような特徴は、アフガニスタンのバーミヤン遺跡の一部の壁画、中国クチャのギジル石窟、敦煌の莫高窟の壁画など、6世紀以降に描かれた壁画にも認められることから、本壁画は、インドと中央アジア・西域との文化交流を示す作品としても位置付けられます。
 本作品も今回初めての公開となります。貴重な文化交流を示す一品を是非ご覧下さい。


【重要文化財】 銅 梵鐘 只未作
   総高60.5cm 口径41.0cm 高麗・峻豊4年(963) 広島 照蓮寺(展示:第4期)
【重要文化財】 銅 梵鐘
   総高(龍頭を除く)144.0cm 口径106.0cm 平安時代後期 京都 西本願寺(展示:第4期)

 日本と朝鮮の古の梵鐘に表現された形や文様に注目!
 梵鐘には、大きく分けて和鐘、朝鮮鐘、中国鐘の3つがあります。今回の展示では、日本に現存する高麗時代最古の紀年銘を有する照蓮寺(広島県)の朝鮮鐘と、天文16年(1547)に石山本願寺が太秦の広隆寺より買い取って以来、西本願寺に伝来する和鐘を並べて展示いたします。
 和鐘が鐘身を上、中、下、立帯の4つの帯で区分される独特の形式を持つのに対し、朝鮮鐘は鐘身を区画せず飛天などの文様を入れること、また梵鐘を吊す龍頭が単龍で写実的なのが特徴です。照蓮寺の梵鐘は上、下帯には蓮華文と雲気文を散らし、鐘身上方四方に渦文の乳郭内に各9個の乳を表すとともに、鐘身下方2箇所には蓮華文の鐘座と、雲上にて天衣を翻して伸びやかに舞う飛天2体を陽鋳しています。
 一方、西本願寺の梵鐘は、丸味を帯びた鐘身、高めの位置にある鐘座など古様を示した平等院の梵鐘とともに平安後期の数少ない梵鐘の遺例と言えます。


【初公開】 本生図壁画 伝ハッダ出土 2面
   縦45cm 横280cm 4~5世紀 龍谷大学
 過去世の釈尊の善行功徳を描いた仏教壁画、初公開!
 釈尊(ブッダ)がこの世に生まれる以前、過去世において善行功徳を行った物語『ジャータカ』(本生)の場面を描いた壁画です。不鮮明な部分もありますが、壁画には、鷹に追われた鳩をかくまったシビ王(前世の釈尊)が、鷹のために自らの左足の肉を与えるという「シビ王本生」などあわせて4つの場面が描かれています。本壁画はアフガニスタン東部のハッダ周辺の遺跡から出土したと伝えられており、ガンダーラ(パキスタン北部)やアフガニスタンでは、このような本生図を表した作例は彫刻しか知られていないことから、壁画として描かれた本作例は、極めて貴重なものと言えます。


◎龍谷ミュージアムの概要
 龍谷ミュージアムは、世界文化遺産である西本願寺の正面に、龍谷大学370周年記念事業の一環として開設し、仏教の誕生から現代の仏教までを分かりやすく紹介する、他に例のない仏教総合博物館です。今回の特別展では約1年間の会期中に、約660件の貴重な資料を展示し、インドから日本への仏教の広がり、そして日本における仏教の流れと親鸞聖人について、分かりやすくご覧いただけます。


・会 期(第4期): 2011年10月8日(土) ~ 11月27日(日)(44日間)

なお、今後の会期は以下の通りです。
・第5期 12月10日(土) ~ 1月22日(日)(29日間)
・第6期  2月 4日(土) ~ 3月25日(日)(44日間)

※会期中の休館日…月曜日(ただし大遠忌法要及びその前後1日と重なる場合を除く)、
 10月18、19日、11月18日、11月28~12月9日、12月27日~1月6日、1月18日、
 1月23日~2月3日

・会 場:龍谷ミュージアム
 京都府京都市下京区西中筋通正面下る丸屋町117(西本願寺前)

2596 <展示期間11月1日~27日まで>【国宝】 「安城御影副本」(親鸞聖人像)1幅 縦127.6㎝ 横40.1㎝ 室町時代 西本願寺

2597 初公開となる本学所蔵の「仏頭部壁画 伝スワート出土」1面 縦27.9㎝ 幅24.9㎝ 6~8世紀