大東文化大学

人と環境にやさしい都市型キャンパスの「13のからくり」――大東文化大学

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「人と環境にやさしい都市型キャンパス」を基本コンセプトとする大東文化大学板橋新キャンパスでは、「13のからくり」と呼ばれる環境負荷軽減のさまざまな対策と工夫がなされている。環境目標は、CO2の13%削減、エネルギーコストの38%節約だ。

 大東文化大学(学長:渡部茂)板橋新キャンパスでは、明るく生き生きとした学園生活と地球環境への負荷の低減の両面を追求している。自由な学問と教育研究の場として「人と人の横のつながり」を重視し、談論風発する出会いと交流のため、緑の中に憩いと癒しの空間を設置するほか、ごみを減らす〈REDUCE〉、できるだけ再利用する〈REUSE〉、再資源化する〈RECYCLE〉の「3R」に努めている。
 
 さらに、自然の力をできるだけ取り入れ、過剰なエネルギーを使わないライフスタイルを目指すため、環境負荷を低減する徹底した建設リサイクルや、耐用年数100年の建築、環境素材の活用、高効率かつ省資源・省エネの設備システム、ヒートアイランドを防ぐ積極的な緑化も行っている。
 
 このような環境負荷軽減のさまざまな対策と工夫、3Rのライフスタイルの実施により、「板橋エコキャンパス」では環境目標として、CO2の13%削減、エネルギーコストの38%節約を目指している。
 
◆大東文化大学エコキャンパスの「13のからくり」
(1)風力発電
 3号館屋上に風力発電機を3基設置。プロペラの直径は180cm、最大発電能力は1基あたり1KW/h。風速70mを超えると安全のために停止する。
 
(2)太陽光発電
 体育館屋上と3号館屋上・壁面には、合計372枚の太陽光発電パネルを設置。1枚あたりの最大出力は85W/hで、合計すると約30KW/hの電力になり、家庭用エアコンなら20台を動かせる。この電力で1か月に4万円程度の電気代の節約になる。
 
(3)コジェネレーション発電
●電気と熱を両方利用する賢い仕組み
 コジェネ発電機と排ガス利用の冷温水機を組み合わせて電気と排熱を有効活用。火力発電所から送られる電気エネルギー効率は、送電ロスまで含めると40%近くまで落ちるが、板橋キャンパスでは80%近い効率になる。これは、電力と高温排ガスエネルギーと排温水の3つのエネルギーを有効に活用しているためである。
 
(4)中央コントロール
●総合的なビルマネージメント
 中央棟・図書館の地下に中央監視室を設けて、全キャンパスの設備を一体に管理している。常時機器の最適な運転を監視するほか、学校時間割と連動するスケジュール管理などにより無駄をなくし、省エネルギーに努めている。
 
(5)外断熱、ペアガラス、木サッシ
●エネルギーロスを最小にする工夫
 新築3棟は外断熱、ペア(2重)ガラス、木製断熱サッシを使用して、建物表面からの熱損失を最小にしている。中でも外断熱はコンクリートに熱を蓄え、その輻射熱の活用と蓄熱による温度変化の緩和効果により、冷暖房負荷の削減に大きく貢献している。
 
(6)共同溝(空気のトンネル)
●地下トンネルの温度は安定
 空調用の新鮮な空気を、キャンパス地下に新しく作られた共同溝に取り込んでいる。この外気は温度が安定した共同溝を通るうちに、夏は冷やされ、冬は暖められる。これらは3号館や図書館に給気され、冷暖房のエネルギーを節約している。共同溝には各種配管や電力・通信用の配線なども設置され、既設の1号館、2号館にもつながっている。
 
(7)中空杭による地中熱利用
●地中温度は1年中安定
 3号館を支える中空杭の中には、熱交換用のチューブを挿入。冬は暖かく夏は冷たい地中熱を汲み上げて、外調機の冷暖房に利用している。この地中熱で3号機の冷暖房エネルギーの2割程度をまかなっている。
 
(8)風の塔による自然換気
●煙突効果で自然換気
 春秋には自然の風を呼び入れ、夏冬は冷暖房の効果を高めることにより快適な環境を作る。このために考えられたのが、風の塔と呼ぶ建物内空間である。半分開放された廊下と、上部が開いた竪穴で、煙突のように空気の自然循環をうながす。
 
(9)屋上緑化・中庭緑化・街並み緑化
●キャンパス内の多様な緑化
 断熱の役割を兼ねた屋上緑化をはじめ、思索の杜や交流の杜などの中庭緑化、沿道には街並み緑化を行った。緑化は都市のヒートアイランド対策に有効なだけでなく、新緑や花、紅葉などの季節感や、虫や鳥を呼ぶなど自然を体感する機会をつくる。
 
(10)天井裏熱の還元
 体育館の天井付近にたまる熱をファンとダクトで床下に引き込み、床暖房のように床から吹き出す。体育館のような活動的な場所では、特別な暖房がなくても十分に過ごせ、体育利用時以外でも、床下パイプにコジェネの排熱を貯めた蓄熱槽の温水を通して床暖房の効果が得られる。
 
(11)除湿空調
●コジェネ排熱利用による除湿
 図書館の冷房は除湿空調機により除湿した外気を、2重床を通して吹き出させている。除湿することで通常より高い冷房温度でも爽やかに感じられる。除湿のエネルギーはコジェネの排温水の熱を利用している。
 
(12)自然採光と調光ゾーニング
●自然採光の工夫
 キャンパス活動は大部分が日中なので、自然採光優先とした。中央棟・開架閲覧室などの大きな空間では、天井の形状を工夫して奥まで自然光が届くようにし、また3号館の教室ではライトシェルフと呼ぶ反射板で天井に反射させて教室の奥まで光を導いている。
●調光
 3号館の教室や研究室では、調光センサーにより窓側の照明を消すなど、自然光利用による省エネを図っている。また、カリキュラムに連動して電源をオフにする工夫もしている。
 
(13)雨水貯留と中水利用
●雨水の流出抑制(ガラ利用)
 高島平一帯は、強い雨が降ると道路に雨水が溢れるなどの課題を抱えた地域である。エコキャンパスでは、50周年記念館の解体コンクリートガラのすきまを利用して雨水の貯留を行い、下水道への流出を遅らせている。ガラの利用は廃棄物を敷地外に出さない工夫でもある。
●中水として利用
 貯めた雨水をろ過してトイレの洗浄水に使う中水道システム。水道水の使用を減らし、水道料金の節約になる。
 
▼本件に関する問い合わせ先
 大東文化大学 入試広報課
 TEL: 03-5399-7800
 〒175-8571 東京都板橋区高島平1-9-1