大東文化大学

大東文化大学の「漢学・書道の学際的研究拠点の形成による『東洋人の''道''』 研究教育の推進」が文部科学省の平成30年度「私立大学研究ブランディング事業」に選定

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大東文化大学(東京都板橋区)による取り組み「漢学・書道の学際的研究拠点の形成による『東洋人の''道''』研究教育の推進」がこのたび、文部科学省の平成30年度「私立大学研究ブランディング事業」タイプBに選定された。

 私立大学研究ブランディング事業は、学長のリーダーシップの下、大学の特色ある研究を基軸として、全学的な独自色を大きく打ち出す取り組みを行う私立大学に対して、文部科学省が施設費・装置費・設備費と経常費を一体的に支援するもの。タイプA(社会展開型)とタイプB(世界展開型)の2タイプがあり、平成30年度は157校から20校(タイプA:11件、タイプB:9件)が選定された。

 このたび大東文化大学からタイプBに選定されたのは「漢学・書道の学際的研究拠点の形成による『東洋人の''道''』研究教育の推進」。
 同事業の目的は、建学以来継承されてきた「漢学・書道」に関する知的資源を基盤とするデジタル・アーカイブスを整備・構築し、学際的に発展させることによって、東洋人の思想、すなわち「東洋人の''道''〈ヒューマニティー〉」思想に係る世界的なイノベーション研究拠点となること。
 研究成果を国内外に発信し、教育へと還元することで、建学の精神に謳っている「儒教に基づく道義」に根差した「東洋人の''道''を育てる大東文化大学」というブランドイメージの定着を目指していく。

・同事業HP
 https://www.daito.ac.jp/branding/

■プロジェクトチーム
 同大では、事業を推進するために8つのプロジェクトチームを構築する。A~Fが漢籍・書跡といった知的資源の研究基盤整備と、学際的イノベーション研究拠点の形成・推進を行い、さらにG「経営道」とH「書道の科学」の2チームとの共同研究によって、人文科学系を主とする研究成果を社会科学系・自然科学系の研究とも連環させる。

A「漢籍のデジタル・アーカイブス化」チーム
【文学部(中国文学科)・文学研究科(中国学専攻)・図書館・国際交流センター】

B「書跡のデジタル・アーカイブス化」チーム
【文学部(書道学科)・文学研究科(書道学専攻)・図書館・国際交流センター】
 同大に数多く所有されている貴重書(日中の古典書跡と現代名家の書跡)に係る特別資料を中心としたデジタル・アーカイブスを構築する。知的資源(漢籍・書跡)の総点検と精査を行い、中国・台湾など海外の諸機関とも連携して、デジタル・アーカイブスを基盤とする「中国学」「書道学」のイノベーション研究拠点を形成する。また、2019年度には学内ギャラリーや成田山書道美術館で、大東文化大学で教鞭をとった人々の書作品を展示する。
(参考)
・下図:「本阿弥光悦の書状」「呉昌碩の自書詩」

C「自校史教育・研究の推進」チーム
【大東文化歴史資料館・百周年記念事業準備委員会】
 2023年に創立百周年を迎える同大の研究、教育の成果などを振り返る。漢学・書道研究に貢献した教員の活動や業績などを調査・研究することによって、同大の教育史(自校史)を再認識し、在学生・卒業生の自校史教育に寄与させる。また、創立五十周年以降の10年毎の記念誌を検索機能が備わったPDFファイルに変換し、百年史編纂サイトで公開している。さらに、文章や写真のみならず、動画の掲載などによって、いっそうの充実を図っていく予定。
(参考)
・百年史編纂サイト
 https://www.daito.ac.jp/100th/
・下図:五十周年以降の記念誌など

D「''道''研究」チーム
【文学部・人文科学研究所(文学部附置研究所)】
 ''道''と''書''をめぐる漢学・書道の知的資源の基盤整備を行い、中国美学の観点から「東洋人の''道''」思想を明らかにするための学際的研究拠点を形成する。

E「東洋学研究の基礎的読解技術の確保と研究交流の活性化」チーム
【東洋研究所】
 漢籍を中心とした東洋学研究の原典資料に対する整理・読解を行い、その訳注などを公刊する。2月には『藝文類聚』巻四十七 訓讀付索引(編集代表者:中林史朗)、 『茶譜』巻十一(上)注釈(編集代表者:蔵中しのぶ)、『天文要録』の考察〔三〕(編集代表者:小林春樹)を発行している。
(参考)
・下図:東洋研究所 2月の発行書籍

F「拓本コレクションのデータベース化」チーム
【書道研究所】
 同大の拓本コレクションのデータベースを構築する。研究成果に基づき、参考文献、地名、人名、事項などが検索可能な総合データベースを整備する。

G「経営学と''道''の研究(経営道)」チーム
【経営学部】
 学問・教養としての「漢学・書道」にとどまらず「東洋人の''道''」思想に係る研究を経営・企業倫理に拡げ、企業経営における東洋思想の活用を探求する。

H「書道とスポーツ・健康科学の研究(書道の科学)」チーム
【スポーツ・健康科学部】
 書道の「芸道」としての技芸・技能に着目し、AI(人工知能)では解明し得ない精神的・感性的な内面を、運動学・生理学などの観点から科学的に分析・考察し、主として書道を専門としない小学校・中学校教員に対して、書写・書道教育指導方法の普及に寄与させる。  
(参考記事)
・大東文化大学が「『書道』が人体に及ぼす影響」について実験・検証を実施 -- 人間の内面を''見える化''することを目指す「超領域研究」の試み(2018.07.05)
 https://www.u-presscenter.jp/2018/07/post-39641.html

▼本件に関する問い合わせ先
 大東文化大学 学務部
 TEL: 03-5399-7333
 E-mail: gakumu@jm.daito.ac.jp

大東文化大学イメージ図.jpg 事業のイメージ図

本阿弥光悦の書状.jpg 本阿弥光悦の書状

呉昌碩の自書詩.jpg 呉昌碩の自書詩(Bチーム)

大東文化百年史.jpg 五十周年以降の記念誌など

大東文化Eチーム.jpg 東洋研究所 2月の発行書籍(Eチーム)