武蔵野大学

中国人留学生が日本滞在をサポート――武蔵野大学が西武トラベルと連携し、来日する中国人富裕層向けサービス「留学生コンシェルジュ」を開始

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武蔵野大学(東京都西東京市/寺崎修学長)では西武トラベルと連携し、「留学生コンシェルジュ」サービスを6月下旬からスタートさせる。これは、来日する中国人富裕層向けのコンシェルジュサービスで、ボランティアの同大中国人留学生が空港までの送迎サービスや観光案内など日本滞在中のサポートを行うというもの。ロイヤルパーク汐留タワー(東京都港区)に専用サロン「チャイナサロン」を設置する。目標は「日本に“何度も”“気軽に”来ていただく」ことだ。

 欧米の高級ホテルには、昔から「コンシェルジュ」という「お客様のお世話係」が存在している。主な仕事は、滞在中のお客様の多様な要望に応えること。「郊外の美味しいレストランを紹介してほしい」「オペラ座の席を予約してほしい」といったニーズに応え、アレンジする。コンシェルジュは、こうした人的サービスを充実させることでホテルの評価を高め、評判を高めるという重要な役割を担っている。
 
 このたび、洞口光由准教授(専門:観光ビジネス論)が発案した「留学生コンシェルジュ」は、ホテルや旅行代理店などの観光業界に就業を目指す中国人の大学院生を中心に、外部講師などから接遇・接客マナーの研修を受けさせたうえで、実際にお客様にサービスを提供することによって、サービス業のホスピタリティーマインドを習得させるというものだ。
 
 中国本土では海外への旅行者(商業・観光)数が増加の一途を辿っており、このまま増加傾向で推移すれば2015年過ぎには1億人の中国人が世界中を飛び回る状況になると予測されている。しかし、日本は隣国であるにもかかわらず、中国からの旅行者は2008年にようやく100万人を超えたに過ぎない。その大きな原因として、日本における中国語の対応が不十分であることが挙げられている。
 
 このことを踏まえ、洞口ゼミでは「どうすれば“楽しく”“想い出深く”そして“日本にまた来たい”と思ってもらえるような旅ができるのか」について議論を重ねた。ゼミの学生全員が中国からの留学生で、以前に両親と日本に来たことがある学生も多かったため、「中国の人々の視点」から考えることができ、その結果、生まれたアイデアが「チャイナサロン」だった。
 
 コンシェルジュとなるボランティアの中国人留学生は、利用者が来日する前から連絡を取り、予算やリクエストを承ることで事前準備をする。利用者が来日した際には、成田空港での出迎え、ホテルおよび「チャイナサロン」へ案内し、滞在中の予定を確認。移動先のホテルや店にも到着時間に出迎えるよう依頼をするなど、利用者に対する気配りを忘れない。滞在中はチャイナサロンが管制塔として役割を果たすため、利用者に携帯電話を無料で貸し出し、留学生と直接連絡が取れるようにする。
 また、最大の課題は「日本に“何度も”“気軽に”来ていただく」ことにあるため、帰国後はチャットやメールで「旅の感想」を聞いた上で、「次回の日本の旅」のプランニングに着手し、提案なども積極的に行うなど、多くのアイデアが盛り込まれている。
 
 なお、今回のプロジェクトを共同開発した西武トラベルでは、専用ホームページを設置し、中国の旅行会社を通じて利用者を募る予定。同サービスを利用すると、旅行代金に登録料1万2千円が上乗せされるが、提携する国内のホテルや旅館のスイートルームや上級客室に格安で宿泊できる特典がつく。
 
▼本件の報道に関する問い合わせ先
 武蔵野大学 総合企画部 広報室
 TEL: 042-468-3142
 FAX: 042-468-3322
 E-mail: kouhou@musashino-u.ac.jp