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玉川大学量子情報科学研究所が秘密分散型クラウドの弱点解消に向け、インテリジェント量子暗号の試験可能に

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玉川大学量子情報科学研究所(東京都町田市玉川学園6-1-1 所長:広田 修)では開発中のインテリジェント量子暗号が通信中の信号を隠す効果が最も大きいことが理論と実験で実証され、防衛や銀行間などの高速光通信回線からの情報漏洩が脅威となるクラウドでの実運用試験が可能になった。これらの結果は平成23年9月19日にプラハで開催されるSPIE“Security and Defense”会議と9月20日にジュネーブで開催されるECOC-2011の国際会議で発表される。

 玉川大学量子情報科学研究所(東京都町田市玉川学園6-1-1 所長:広田 修)は、開発中のインテリジェント量子暗号が秘密分散型クラウドの安全性確保に必須の技術であることを証明した。これまで秘密分散法がクラウドの実用性の要と考えられていたが、現実のネットワークにおいて重大な弱点が発見され、現状のままでは全ての利用者のデータが盗聴可能になる恐れがある。同大が開発中のインテリジェント量子暗号は通信中の信号を隠す効果が最も大きいことが理論と実験で実証され、防衛や銀行間などの高速光通信回線からの情報漏洩が脅威となるクラウドでの実運用試験が可能になった。これらの結果は平成23年9月19日にプラハで開催されるSPIE“Security and Defense”会議と9月20日にジュネーブで開催されるECOC-2011の国際会議で発表される。

【今回の成果】
 クラウド・コンピューテイング・システムの安全性に対する疑念は以前より世界中で議論されているが、その決定的な解決策は明確ではない。2年前より、数理暗号学の成果として知られる秘密分散法を応用するクラウド・コンピューテイング・システムの安全性保証が脚光を浴び、導入が始まっている。
 しかし、利用者からデータセンターに向けて情報を伝送するとき、その通信回線上にはデータセンターへのアドレスや経路情報が明確に添付されているため、通信回線に流れている信号をタップすれば、秘密分散法は全く機能せず、各データセンターに行くべき信号系列は全て入手可能である。しかし、玉川大学が開発している1~2.5ギガビット毎秒対応のインテリジェント量子暗号は通信信号を量子雑音でランダム化する効果が最も大きく、アドレスや経路情報も秘匿可能であることが保証された。理論成果はSPIE(全米光工学会)の国防とセキュリテイ会議で、実験成果はヨーロッパ光通信会議ECOC-2011で発表される。

■論文名
T.Iwakoshi,“Quantitative analysis of quantum noise masking in quantum stream cipher by intensity modulation operating at Gbit/sec data rate”
F.Futami,“Masking of 4096-level intensity modulation signals by noises for secure communication employing Y-00 cipher protocol”

▼本件の取材に関する問い合わせ先
 玉川学園 教育企画部
 キャンパス インフォメーション センター 
 TEL: 042-739-8710 FAX: 042-739-8723
 E-mail: pr@tamagawa.ac.jp
 〒194-8610 町田市玉川学園6-1-1

▼研究内容に関する問い合わせ先
 量子情報科学研究所
 広田 修(ひろた おさむ)
 E-mail: hirota@lab.tamagawa.ac.jp
 ※国際会議で不在のためメールのみ対応します