- ★Google+
- ★Hatena::Bookmark
横浜商科大学は学術文化交流協定に基づき、米国ピッツバーグ大学ブラッドフォード校と学生および教員の交換派遣を毎年行っている。2011年1月~5月には、同大の小林二三夫教授が、交換教授としてピッツバーグ大学ブラッドフォード校の客員教授を務めた。その赴任中のご縁により、このたびドナルド・ユーリン教授の父親所蔵の、太平洋戦争に出征した日本兵の日章旗が68年ぶりに帰国することとなった。
◆日章旗返還についての概要
第二次世界大戦時、米国からインドネシア方面に出征した米国軍人リチャード・ユーリン氏(Dr. Richard Ulin/元マサチューセッツ大学教授)は、寄せ書きのある日章旗を米国に持ち帰り、長年保管していた。
リチャード・ユーリン氏と息子である現ピッツバーグ大学教授のドナルド・ユーリン氏(Dr. Donald Ulin)は、リチャード氏の存命中に、この日章旗を本来の持ち主に返したいと思っていた。そのことを、大学間の交換教授としてピッツバーグ大学に滞在していた横浜商科大学の小林二三夫教授に相談。小林教授は帰国後、山梨県身延町出身の伊藤亮造陸軍准尉が出征時に持参した日章旗であることを突き止め、その後も身延町にいる伊藤亮造氏のお孫さんと返還について打ち合わせを重ねた。
4月18日に交換教員として来日したドナルド・ユーリン教授は赴任中に所有者の家族を訪問し、日章旗を変換する予定である。
◆小林二三夫教授による状況説明
私、小林二三夫は、横浜商科大学の教授で交換教授として米国のピッツバーグ大学で半年間客員教授をしておりました。ピッツバーグ大学での同僚のドナルド・ユーリン教授(Dr. Donald Ulin)からユーリン教授の父親が太平洋戦争の折に入手した日本兵の日章旗を所持しており、生前中に持ち主のご家族に返却したいという相談を受け日章旗を見せられました。厚生労働省等に本人が相談を致しましたが持ち主の伊藤亮造氏のご家族を探せませんでした。
「陸軍准尉 伊藤亮造」様の横にある「片田榮次郎」様のお名前と「河内本郷軍人会」の名を頼りに探し、片田榮二郎様のお孫さん経由で、伊藤亮造様のお孫様の伊藤公一様を探すことができました。
ドナルド・ユーリン教授の父親は、リチャード・ユーリン(Dr. Richard Ulin)さんと言い、現在93才です。戦争当時、米海軍の戦闘機B24のレーダーマンとして従軍していたそうです。日章旗は、1944年にインドネシアのMorotai島に米軍が上陸した時に手に入れたようですが良く覚えていないそうです。
ドナルド・ユーリン教授は2011年に交換教授で横浜商科大学に来る予定でしたが、東日本大震災の影響で来日が1年間延期になり本年の来日となり、この間に日章旗を持参し伊藤様のご自宅をご訪問することになっています。
日章旗は、上質の絹でできており保存状態は大変良く、リチャード・ユーリンさんが日章旗を大切に扱っていて下さっていたことがわかり、私は、日章旗を拝見した時に日章旗の所有者のこと、どのように日章旗がリチャード・ユーリンさんの手に渡ったのか、どのようなお考えで長い間保管されたのか、果たして所有者の伊藤亮造さんは無事帰国できたのかなど、思いを巡らしました。
何とかその所有者のご家族を探せ、個人にとっては歴史的な日章旗を返却ができる運びになったことは横浜商科大学とピッツバーグ大学の教授の交換、学生の交流という民間レベルにたった草の根の交流が役立ったものであり、市民レベルの親善の成果を感じるところです。また、日米の不幸な歴史、そして現在の日米友好の礎になられた方々の尊い犠牲と努力を深く感じるところです。
尚、リチャード・ユーリンさんは、戦後、ハーバード大学で教育学の博士の学位を得て、マサチューセッツ大学で長らく教育学を教えていたそうです。その後、ボツワナ大学の教育学の立ち上げでボツワナに2年間家族で行かれたそうです。大学を引退後も留学生の世話をしていたそうです。
リチャード・ユーリン氏が日章旗と一緒に写した写真および、日章旗の写真を添付します。
以上
小林二三夫記
▼本件に関する問い合わせ先
横浜商科大学教授、地域産業研究所所長 小林二三夫
(神奈川県横浜市鶴見区東寺尾4-11-1)
TEL: 045-583-9022 (研究室)、571-3901(代表)
E-mail: kobays@shodai.ac.jp
大学・学校情報 |
---|
大学・学校名 横浜商科大学 |
URL https://www.shodai.ac.jp |
住所 神奈川県横浜市鶴見区東寺尾4-11-1 |
まずはやってみるという「行動力」、しっかりやり遂げる「実践力」、そして、目的や課題を明確にして効果的に解決できる「課題解決能力」を、多彩な地域や連携企業との実践型フィールドワークや、具体的な将来像を見据えての進路に直結した専門性を深堀するカリキュラム構成を通じ、どのようなビジネスにも共通する「現場力」を養い、入学してから4年後の自分に自信を持った人材を育成する「実効型ビジネス教育」を実践しています。 |
学長(学校長) 羽田 功 |