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　病気の標準的な治療法などをまとめた「診療ガイドライン」は年々増加している。主に医療従事者向けの専門的なものが多いが、近年では一般向けに分かりやすく編集されたガイドラインも増えてきている。

　この「診療ガイドライン」を医療従事者向け、一般向け含めて国内で最も広くカバーしているのが東邦大学 医学メディアセンターである。同センターでは、１９９９年からこのガイドラインの収集を開始。２００１年からは収集した診療ガイドライン情報を病気別にまとめ、ホームページ上に公開している。現在、直接閲覧できる診療ガイドラインは約４００冊、ホームページ上では１０００種類以上にも及ぶ。これだけの数の診療ガイドラインを収集し、公開している大学は国内ではここだけである。

　また、ただ収集するだけではなく、スタッフが内容を一点ずつ確認していることも同センターの大きな特徴となっている。現在、「診療ガイドライン」と名前がつく医学書は数多く出版されているが、中には一般的な解説書などが含まれている場合もある。そこで同センターでは、一冊ずつ内容をチェックし、主に学会や厚生労働省の研究班などが作成した診療ガイドラインを中心に収集している。
　収集している診療ガイドラインの種類の豊富さ、ガイドライン自体の信頼性の高さから、同センターの「診療ガイドライン情報」ページは医師をはじめ、さまざまな医療関係者に広く利用されている。さらに、日本医療機能評価機構が運営する診療ガイドライン情報サイト「Minds」に対して情報提供を行うなど、社会的な貢献も大きい。


　一方、一般にも診療ガイドラインを閲覧できるようにしたのが、同大医療センター大森病院に併設されている「からだのとしょしつ」である。これは、２００５年にインフォームド・コンセントの推進を目的として設立された医学書専門図書室。病気について悩みや不安を抱える人のために質の高い情報提供を行っている。

　同図書室は院内にあるため、医師のアドバイスを受けて自分の病気に関係のあるガイドラインを探しにくる患者さんも多い。こうした患者さんのために重要な役割を果たしているのが、同図書室の司書である。司書はガイドラインを渡すだけではなく、医師と患者さんとの間で必要とされている的確な情報を見極め、適切な資料を提供する“橋渡し役”になるなど、非常に重要な役割を担っている。これは、病院と連携している同図書室の最大の特色であり、医師と患者さんとの信頼関係を深め、安心して治療を受けてもらうための大きなステップにもなっている。

　「医師と患者との情報共有と相互理解」は、これからの医療における大きな課題である。東邦大学の「医学メディアセンター」と「からだのとしょしつ」は、これを実現するための先駆的な存在であり、今後いっそう利用価値が高まっていくことが期待される。

【参考】
　●東邦大学　医学メディアセンター　診療ガイドライン　ホームページ
　　http://www.mnc.toho-u.ac.jp/mmc/guideline/
　●東邦大学　からだのとしょしつ　ホームページ
　　http://www.mnc.toho-u.ac.jp/mmc/karada/

▼本件に関する問い合わせ先
　東邦大学　医学メディアセンター
　〒143-8540　東京都大田区大森西5-21-16
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