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学習院大学理学部・西坂崇之教授の研究グループが世界で初めてマイコプラズマ・モービレの滑走装置の単位ステップを発見

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学習院大学(豊島区目白/学長:井上寿一)大学院自然科学研究科博士後期課程1年の木下佳昭さんは、西坂研究室(西坂崇之教授)において開発された高精度の光学顕微鏡を用い、マイコプラズマ・モービレの滑走運動を詳細に調べてきた。その結果、このバクテリアは人間が歩くように、決まった距離を一歩一歩刻みながら前進するという事実を世界で初めて明らかにした。この研究内容は、米国の「米科学アカデミー紀要(PNAS, Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America)」※5/27付オンライン版で原著論文として公開された。

■概 要
 学習院大学理学部物理学科・西坂崇之教授のグループは、大阪市立大学の宮田真人教授と共同で、バクテリア研究への重要な一歩を踏み出した。

 「マイコプラズマ」というバクテリアは、世界最小の生物。このバクテリアは宿主に接着して病原となるが、その際に、表面を滑るように動く「滑走運動」が感染に重要だということが分かっている。しかし、この滑走運動のメカニズムは、分子レベルにおいてまったく分かっていない。

 現在、博士後期課程1年の木下佳昭さんは、西坂研究室で開発した高精度の光学顕微鏡を用い、マイコプラズマ・モービレというバクテリアの滑走運動を詳細に調べてきた。その結果、このバクテリアは、人間が歩くように、決まった距離を一歩一歩刻みながら前進するという事実を明らかにした。

 バクテリアが決まった歩幅で進むことを観察したのは世界で初めてのこと。バクテリアの滑走メカニズムについてはさまざまな仮説があるが、それらを検証できる画期的な成果である。バクテリアの感染の仕組みについても深い関わりがある内容であるため、医療への波及効果も期待される。

 木下さんの研究内容は、米国の著名な雑誌「米科学アカデミー紀要(PNAS, Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America)」において、原著論文として発表されることが、4/29に正式に決まった。※5/27付オンライン版で公開。

※詳細はこちら。
 http://www.gakushuin.ac.jp/ad/kikaku/pdf/gakushuin.press.2014.01.pdf

▼本件に関する問い合わせ先
 学校法人 学習院 総合企画部 広報課 担当:圓谷、久保
 〒171-8588 東京都豊島区目白1-5-1
 TEL: 03-3986-0221(内線 2290)
 FAX: 03-5992-9238
 E-mail: koho-off@gakushuin.ac.jp
 HP: http://www.gakushuin.ac.jp/

5429 木下佳昭さん

5430 西坂崇之教授