金沢大学

金沢大学が、石川県が独自に導入した心肺蘇生に関する口頭指導法の有効性を証明――院外心停止患者の救命率の向上に期待

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このたび、金沢大学大学院(石川県金沢市)医薬保健学総合研究科の大学院生である田中良男さん、および医薬保健研究域医学系の稲葉英夫教授を中心とするグループは、石川県メディカルコントロール協議会が2007年に新しく導入した独自の口頭指導法の効果を検証・解析し、米国やヨーロッパ各国で推奨されている方法よりも口頭指導の実施率が高く、結果として非常に優れた方法であることを報告した。この新しい口頭指導法を普及させることにより,院外心停止患者の救命率の向上につながることが期待されている。
同研究成果は米国の医学雑誌「Circulation」のオンラインで2月7日(米国東部標準時間)に暫定版が、今後発行される同誌で正式版が掲載される予定。

 「口頭指導」とは、119番通報を受けた消防署の通信指令員がその通話内容から患者の心臓が止まっているかどうか判断し、止まっていると判断した場合には、通報者に電話を通して胸骨圧迫(心臓マッサージ)などの蘇生法を具体的に指導し、救急隊が現場に到着するまで、通報者による蘇生を継続させるというもの。

 このたび金沢大学の研究グループが検証したのは、緊急時における救命措置の質の向上を目指す石川県メディカルコントロール協議会が2007年に新しく導入した口頭指導法。同グループの検証および解析により、この指導法が米国やヨーロッパ各国で推奨されている方法よりも実施率が高く、結果として非常に優れた方法であることを報告した。
 この新しい口頭指導法を普及させることにより、院外心停止患者の救命率を向上させることができると期待される。

【掲載論文】
(著者)
 Yoshio Tanaka, Taiki Nishi, Keiko Takase, Yutaka Yoshita, Yukihiro Wato, Junro Taniguchi, Yoshitaka Hamada, Hideo Inaba
 田中 良男、西 大樹、高瀬 桂子、吉田 豊、和藤 幸弘、谷口 淳朗、浜田 秀剛、稲葉 英夫

(論文名)
 Survey of a Protocol to Increase Appropriate Implementation of Dispatcher-Assisted Cardiopulmonary Resuscitation for Out-of-Hospital Cardiac Arrest
 「院外心停止患者に対する口頭指導の適切な実行を増加させるプロトコールの検証」

(掲載誌)
 Circulation (Original Article)

▼研究内容に関する問い合わせ先
 稲葉 英夫(いなば ひでお)
 金沢大学大学院医薬保健学総合研究科
 血液情報発信学(救急医学)教授
 金沢大学附属病院救命センター長
 TEL: 076-265-2825
 E-mail: hidinaba@med.kanazawa-u.ac.jp

▼広報に関する問い合わせ先
 (未定)
 金沢大学広報戦略室
 TEL: 076-264-5024
 E-mail: koho@adm.kanazawa-u.ac.jp

 木谷 麻衣子(きだに まいこ)
 金沢大学医薬保健系事務部総務課医学総務係
 TEL: 076-265-2109
 E-mail: t-isomu@adm.kanazawa-u.ac.jp