立教大学

変わらないものと変わりゆくものの共存──立教大学池袋キャンパス

大学ニュース  /  施設設備

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立教大学池袋キャンパスには、東京都歴史的建造物に選定されている建物が複数あり、本館(1号館/モリス館)や第一食堂、図書館旧館など、1918年(大正7年)に東京・築地から移転してきた当時の建物が、今でも使用されながら保存されている。

 歴史と伝統のある大学では、古い建築物の改修・改築作業が大きなテーマとなっているが、新しいものと古いもの、変わらぬものと変わりゆくものとの「調和と共存」に成功している大学もある。立教大学池袋キャンパス(東京都豊島区)もその一つだ。

 池袋キャンパス正門を入ってすぐ、目の前にそびえる2本のヒマラヤ杉は、1920年頃に植林されたもので、樹齢80年以上と推定されている。約25mの高さを誇り、いまなお成長中だ。クリスマスのイルミネーションが始まったのは1949年頃からで、現在、毎年暮れのクリスマス週間にはパイプオルガンのコンサートや聖歌隊のコンサートなどの催しも行われている【=写真(最上段)参照】。

 その正門正面に立つ、ツタにおおわれた赤レンガがひときわ印象的な建物が、立教大学のシンボルとも言える本館(1号館/モリス館)だ【=写真(上から2番目)参照】。1918年(大正7年)に、米国聖公会宣教師アーサー・ラザフォード・モリス氏の寄附によって建てられ「モリス館」の別称がある。時計台はイギリスのデント社製で、直径90センチ。動力は分銅式で、今でも6日に一度職員の手によって巻かれ時を刻んでいる。また、本館の2本の柱はそれぞれ高さが違っているが、これは1923年の関東大震災後の補修のなごりと言われている。

 立教大学のレンガ造建物は、「フランス積み」と呼ばれる組積法で構築されている【=写真(上から3番目)参照】。レンガの積み方は、一つの段に長手面と小口面とが交互に並ぶ「フランス積み」と、長手面の段と小口面の段とが交互に積まれる「イギリス積み」に大別される。フランス積みでは、レンガをその都度互い違いに向きを変えながら施工しなくてはならないため、非常に手間がかかり、明治中期以降の建物ではほとんど見られなくなっていた。しかし、装飾面でより優れている点を評価して、同大ではこのフランス積みをキャンパスの建物に採用したようだ。

 正門右手に建つチャペルは、正式名称を「立教学院諸聖徒礼拝堂」と言い、本館や図書館旧館と同時期に建てられ、東京都歴史的建造物の指定を受けている。1998年から99年にかけて耐震補強が行われ、関東大震災クラスの地震まで耐えられるようになった。レンガ造りでは日本で最初の免震工法工事となる。
 ここで毎朝、始業礼拝が行われているほか、パイプオルガンコンサートなども開かれ、一般の参加も可能。卒業生や立教関係者であれば、結婚式も挙げられる。

 常に変化し、発展の続く池袋という“副都心”の地にあって、こうした数多くの歴史的建造物の息吹に触れられるのが同大池袋キャンパスの魅力だが、この10年の間には、最新設備を備えた校舎群が次々に建設されている。
 2005年に完成した、11号館もその一つで【=写真(最下段)参照】、主に大学院や法科大学院の教室として利用されているが、ガラスとレンガが見事にマッチした「伝統と現代の融合」した建物と言える。

 そんな変わらぬものと変わりゆくものが共存する池袋キャンパスでは、在学生が案内するキャンパスツアーを実施している。参加ご希望の方は、事前にお申込みが必要なので、詳しくは同大学HPをご覧ください。

▼本件に関する問い合わせ先
 立教学院 広報課
 東京都豊島区西池袋3-34-1
 TEL: 03-3985-2202
 FAX: 03-3985-2827
 E-mail: koho@rikkyo.ac.jp
 http://www.rikkyo.ac.jp

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