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芝浦工業大学(東京都港区/学長 村上雅人)機械機能工学科の細矢直基教授の研究グループは、構造物等に用いられているボルト締結体について、それを叩いた際のごくわずかなレベルの振動を加速度センサで計測することで、打音検査では分からない微妙なゆるみを高精度で定量的に検知できる手法を開発しました。
●背景
構造物等のボルト締結時における軸力の管理法としては、装置が簡便であることからトルク法が広く普及しており、締結後については、古くからハンマによる打音検査や薄板センサを用いた方法などがあります。しかし、人の耳による熟練技術の必要やボルト締結体にセンサを挿入する手間などがあり、また現在も飛行機や遊具等においてボルトのゆるみが原因で事故が起きているなど、いまだ100%検知できていない現状があります。そこで、特殊な器具を用いることなく、そしてボルト締結体に何らかの構造物を付加せずに、その軸力を確実に検知することができれば、より実用的なボルト締結体における軸力の検知および管理法として発展することが期待できます。
●人には聞こえない超音波レベルの振動計測
適正締め付けトルクで締結されている状態と緩んでいる状態において、それぞれ超音波レベルでの実験モード解析を行い、ボルト頭部の局所的な揺れ方を観察しました。ボルトを叩いて振動させた結果、適性に締まっていればボルト頭部の振動モード形の固有振動数が高く(細かく速く揺れる)、緩むことで低下(大きくゆっくり揺れる)することがわかりました。これにより、ボルト頭部の固有振動数を観察すれば、ボルト締結体の軸力の程度を検知することが実証されました。
適正締め付けトルクで締結されている状態と緩んでいる状態において、それぞれ超音波レベルでの実験モード解析を行い、ボルト頭部の局所的な揺れ方を観察しました。ボルトを叩いて振動させた結果、適性に締まっていればボルト頭部の振動モード形の固有振動数が高く(細かく速く揺れる)、緩むことで低下(大きくゆっくり揺れる)することがわかりました。これにより、ボルト頭部の固有振動数を観察すれば、ボルト締結体の軸力の程度を検知することが実証されました。
●実用化に向けて
今後は、さまざまな対象構造物への実施例(対象構造物の大きさ、ボルトの位置や本数など)、着目すべきボルト頭部の固有振動モード形、計測対象振動数などを検討することで、実用化を目指していきます。
大学・学校情報 |
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大学・学校名 芝浦工業大学 |
URL https://www.shibaura-it.ac.jp/ |
住所 東京都江東区豊洲3丁目7−5 |
芝浦工業大学は日本屈指の海外学生派遣数を誇るグローバル教育と、多くの学生が参画する産学連携の研究活動が特長の理工系大学です。 東京都と埼玉県に2つのキャンパス(豊洲、大宮)、4学部1研究科を有し、約9千人の学生と約300人の専任教員が所属。 2024年には工学部が学科制から課程制に移行し、従来の教育の在り方を根本から変えていきます。 創立100周年を迎える2027年にはアジア工科系大学トップ10を目指し、教育・研究・社会貢献に取り組んでいます。 |
学長(学校長) 山田 純 |