駒澤大学文学部歴史学科の熊本史雄教授による『外務官僚たちの大東亜共栄圏』が「第25回 大佛次郎論壇賞」を受賞 ― 「第29回 司馬遼太郎賞」および「第20回 樫山純三賞(一般書部門)」に続くトリプル受賞
■『外務官僚たちの大東亜共栄圏』
[著 者] 熊本史雄
[判 型] 四六判変型
[頁 数] 304ページ
[ISBN] 978-4-10-603926-3
[発売日] 2025年5月21日
[定 価] 1,980円(税込)
[発 行] 新潮社
■ 受賞者コメント
この度は、拙著『外務官僚たちの大東亜共栄圏』(新潮選書、2025年)が「第25回 大佛次郎論壇賞」を受賞するという栄誉に浴しまして、非常に光栄に、また嬉しく感じております。先の「第20回 樫山純三賞」、「第29回 司馬遼太郎賞」につづいての受賞となり、お蔭様で〈トリプル受賞〉となりました。日ごろから研究を支援してくださっている、駒澤大学の教職員のみなさまに、厚く御礼申し上げます。
拙著は、「大東亜共栄圏」を〈日露戦後の「満蒙」概念を起点とする地域秩序観〉と定義して、日露戦後の約40年に渡る外務官僚による秩序観と外交思想の継受のありようを描いたものです。そのありようは、直線的ではなく紆余曲折しながら「大東亜共栄圏」に至った、というものでした。本書が評価されたとするならば、そうした叙述と、本書の内容が大国のエゴイズムとナショナリズムが排他性を伴いぶつかり合う現代社会と、図らずも接合していた点にあったのだと思います。
有難いことに、この約3カ月の間、多くのお祝いやお褒めのお言葉を頂戴しました。「読者の心に染み入る手慣れた文体」「外務官僚たちの息遣いや鼻息までが聞こえてくる」「大河ドラマを観ているかのような感覚」「全体を俯瞰するマクロな視野と細部に分け入るミクロな眼力を兼ね合わせて、対象を歴史の網の目のなかで見事に浮かび上がらせる力量」などなど。いずれも身に余るご過褒で、恐縮するとともに感謝の念に堪えません。
とくに嬉しかったのは、筆者の当初の意図を超えて、本書が多様な読み方をなされたことです。これまでの樫山賞では、現代アジアに関する分野での、国際政治学や国際経済学の立場から書かれた著作に授賞されてきましたが、日本史しかも思想史に関する本著を認めてくださったことは大きな励みになりましたし、小説やノンフィクションをも対象とする司馬賞でも、さらには「論壇」を名に掲げる大佛論壇賞においても、歴史学の立場からものされた本書の価値をお認めくださいました。これら3賞は、いずれもわが国を代表する学術賞・論壇賞ですが、それぞれの性格は大きく異なります。そうした3賞のいずれにおいてもお認めいただけたことは、本書が多様な読み方に堪えうることの証左だと思います。
ガンを患い闘病生活をつづけるなかで書き上げた本書だけに、上梓した時点で既に大いに満足しておりましたが、このように各所から評価され、大きなご褒美を頂戴した気持ちでおります。支えてくださったすべての方に、とりわけ愛する家族に、心からのお礼を申し上げたいと思います。このたびは、誠にありがとうございました。
■ 関連リンク
○司馬遼太郎賞
○公益財団法人樫山奨学財団
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