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実践女子大学の下山教授が東日本大震災の被災地支援の一環で、3月25日に相馬市で講演。アートとデジタル技術の融合で故郷の魅力再発見を呼びかけます。

実践女子大学の下山教授が東日本大震災の被災地支援の一環で、3月25日に相馬市で講演。アートとデジタル技術の融合で故郷の魅力再発見を呼びかけます。
 実践女子大学(東京都渋谷区、学長:難波雅紀)文学部美学美術史学科の下山肇教授は3月25日、福島県相馬市の相馬商工会議所で開かれる講演会で、デジタル技術で現実の世界にアート作品を重ねる、AR(拡張現実)アートプロジェクトの意義や必要性を語ります。今夏予定する県立相馬高校とのコラボによる新しいワークショップへの参加を呼びかけ、アートとデジタル技術を駆使して地域文化を読み解く「文化翻訳」という手法への理解を深めるのが狙い。相馬市での取り組みを足がかりに、今後、復興途上にある沿岸部の相双地域とも連携を拡大し、復興のカギとなる若者の故郷に対する魅力の再発見を呼びかけます。

地域の文化を探究調査する相馬高校とコラボ。8月には市民参加型アートワークショップの開催へ

 地域の文化や記憶を未来へつなぐ、というテーマから、2023年、震災で全村避難となった飯舘村の「オオカミ」を信仰する神社で、実践女子大学の学生が地域の子どもたちと共に制作したオオカミのオブジェをAR技術によって現実の世界に出現させるアートのワークショップを開催しました。昨年8月には、相馬市でテーマを歴史的文化遺産の「中村城」とし、学生が天守の屋根の部分がゆらゆらと揺れ動くお城のオブジェをデザイン。色紙を素材にさまざまな世代が一緒に制作するワークショップの後、参加者みんなで城跡公園へ移動しスマホを使って現実の城跡を見ると、あたかも城のオブジェがその場に存在するかのような体験をしました。地元の人も普段この公園に一帯を治めていた相馬中村氏の居城があったということをあまり意識していないということもあり、改めてアートを通して、手軽に故郷の魅力の再発見につなげることができました。

 2026年8月22日(土)に予定されているARアートによるワークショップでは、昨年の「中村城」をテーマにした活動を発展させ、市に残る江戸時代の貴重な絵図「正保城絵図」を元に、城跡の周辺にかつて存在した16の城門をテーマに実施される予定です。今回の大きな特徴は、県立相馬高校が探究プロセスを通して課題解決する「総合的な探究の時間」の授業を活用してプロジェクトに参加する点です。高校生は、城門の歴史や位置、役割などを調査し、地域の歴史を学びながら探究活動として研究を進めます。一方、実践女子大学では「アートプロジェクト実践」「アートと社会連携」の授業の中で、学生が、「門」をモチーフとしたお手軽だが質の高いアートの作品を考案し、子どもたちや高齢者など誰でも参加できるワークショップのプログラムを開発します。大学で生まれたアイデアと高校生の探究調査の成果を組み合わせて、市民参加型のワークショップへとつなげ、もともと門のあったところに赴いて、二次元コードなどを端末で読み込むことで、ARアートの門を現在の街並みに実装することを計画しています。

下山教授「忠実な復元を目指すのではなく、アートで翻訳。地域の文化を身近なものに」

 8月のワークショップに先駆けて行われる講演会のタイトルは「中村城跡を未来へつなぐ―アートによる文化翻訳で拓く国指定文化財への道―」で、相馬市出身でアートマネジメント会社を経営する作山雄彦氏と下山教授が登壇します。東日本大震災をきっかけに始まったワークショップの歩みや作山氏の故郷への思い、8月のワークショップの構想などについて紹介します。さらに、地域経済の発展を考えるうえで、歴史文化の継承が重要な視点の一つととらえ、地元の歴史を「守る」から「未来へつなぐ」という観点で、デジタル技術の活用を軸に地域が主体となる継続的な体制づくりについて考察します。

 下山教授は「人口減少や地域コミュニティの衰退は、相馬市だけでなく日本の多くの地域が直面している課題です。アートは、専門家だけのものではなく、誰もが参加できる表現です。子どもや高校生、大学生、市民が一緒に関わることで、地域の文化はより身近なものになります。この取り組みは、過去を忠実に復元するのではなく、アートを通じて文化を“翻訳”し、今を生きる人たちの感覚で地域の価値を再発見する試みです。被災地である相馬市から始まったこの活動が、地域の誇りを次の世代へとつないでいく一つのモデルになればと考えています」と話しています。

【講演会概要】

タイトル:「中村城跡を未来へつなぐ
―アートによる文化翻訳で拓く国指定文化財への道―」

日時:2026年3月25日(水)15:30~17:00

会場:相馬商工会議所 2階大会議室(福島県相馬市中村桜ケ丘71)

応募方法:所定の用紙に事業所名、電話、受講者名、メールアドレスを記入し、3月19日まで相馬商工会議所にFAXで申し込む。定員は70人。商工会会員以外の一般参加、用紙がない場合など、当日参加も可。

参加費:無料

講師:作山雄彦(株式会社Art Marketing Japan/株式会社織絵代表、相馬市出身)

下山 肇(実践女子大学文学部美学美術史学科教授)

主催:相馬商工会議所

講演会の申し込み・問い合わせ先

相馬商工会議所(電話0244-36-3171、FAX0244-36-3184)

本件に関するお問い合わせ先

学校法人 実践女子学園 経営企画部広報課

住所
東京都渋谷区東1-1-49
TEL
03-6450-6837
E-mail
koho-ml@jissen.ac.jp

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