炎症が筋力を弱める仕組みの一端を明らかに ― 三次元培養筋モデルで機能低下を可視化 ―–大阪工業大学
大阪工業大学 工学部 中村友浩 教授、神戸学院大学 栄養学部 田村行識 講師、同大学大学院薬学研究科 水谷健一 特命教授らの研究グループは、炎症によって筋力が低下する仕組みの一端を三次元培養筋モデルを用いて明らかにしました。本研究成果は、Journal of Bioscience and Bioengineering にオンライン掲載されました。
| 〇この件のポイント 筋細胞から作った生体に近い「三次元培養筋」を用いた研究で、炎症により筋力が低下する仕組みの一端を解明 |
■ 三次元培養筋とは
私たちの筋肉は立体的な構造の中で規則正しく並び、腱に引っ張られながら力を発揮しています。しかし従来の細胞培養は平面上で行われるため、実際の筋肉の構造や力の出方を十分に再現することができませんでした。
本研究で用いた「三次元培養筋」は、コラーゲンの中で筋細胞を立体的に培養し、人工腱で両端を固定して張力をかけた人工筋組織です。電気刺激を与えると実際に収縮し、生体に近い構造と機能を再現します。顕微鏡下で収縮の様子を観察でき、その力を数値として測定できる点が大きな特長です。
■ 何が分かったのか
炎症性物質TNF-αを三次元培養筋に作用させたところ、次の変化が確認されました。
• 筋肉の収縮力が時間とともに大きく低下する(72時間で約90%低下)
• 速く収縮するタイプの筋線維が細くなり、減少する
• 筋肉の収縮を支える微細な構造(サルコメアと呼ばれる構造)が乱れる
• 筋肉の硬さ(剛性)が低下する
• 筋肉の内部構造を保つ因子や、収縮に必要なカルシウム調節に関わる遺伝子の発現が低下する
全文は以下のPDFからご覧ください。
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