東京都市大学の中島保寿准教授らが新たな恐竜化石の産地・鹿児島県長島町獅子島における発掘調査団を結成 — 多量の骨を含有する「ボーンベッド」として日本有数の可能性
発見に伴い、3月15日には長島町において中島准教授らが記者会見を実施。中島准教授および宇都宮氏を中心とした獅子島地区大型脊椎動物化石発掘調査団(仮称)を結成し、6月頃から周辺地域の調査~発掘を順次進めていくことを発表した。発掘された化石は調査・研究が終了した段階で長島町に寄贈され、鹿児島県立博物館で展示される予定。
獅子島では2020年11月に翼竜の化石も発見されており、6月頃から行う調査~発掘の進展によって、現代の生態系のルーツとなる生物たちと絶滅した恐竜たちとの相互作用を理解する上で重要な化石産地となることが期待される。
※ボーンベッド (英語: bone bed)とは、骨や骨の破片を多量に含む特定の地層または堆積物のこと。鱗、歯、糞石、あるいは有機物の屑を含み、リンに富むことが多い。「ベッド」は「地層」の意味であり、ボーンベッドは脊椎動物化密集層とも言いかえることができる。日本国内で恐竜を含むボーンベッドとしては、福井県勝山市・石川県白山市・兵庫県丹波市などに分布する白亜紀層から知られている。
<化石の概要>
・名称:恐竜化石の密集層(ボーンベッド)
・発見場所:鹿児島県長島町獅子島東南部
・地層:御所浦層群
・推定年代:中生代白亜紀(約1億年前)
・発見者:宇都宮 聡氏
・発見日: 2021年11月21日
■同定の根拠
発見された化石のうち一つは骨壁の厚さから大型の脊椎動物の骨の一部であると推定された。この骨の組織を一部採取して顕微鏡で観察したところ、骨の内部に網目状の血管が張り巡らされており、さらに、異なる2種類のタイプの組織の複合体である「線維層板骨(Fibrolamellar bone)」でできていることがわかった。これらは恐竜類や哺乳類など一部の成長の早い大型の動物にのみ見られる特徴である。したがって本化石群は、白亜紀という時代設定も考慮して恐竜類と同定した。
■期待される学術的意義
獅子島東部の約1億年前の白亜紀層は、恐竜など大量の脊椎動物化石を含んでいる可能性が高いと期待される。約1億年前の白亜紀中頃は、地球の温暖化が進行し、現代の生態系を構成するさまざまな生物が飛躍的に進化した時代であったとされており、さらに、その進化のホットスポットがアジアにあったという研究もある。
獅子島のボーンベッドは、現代の生態系のルーツとなる生物たちと、絶滅した恐竜たちとの相互作用を理解する上で重要な化石産地となると期待される。
(参考)
・新恐竜産地・鹿児島県長島町獅子島から恐竜化石のボーンベッド発見!(2022/03/15)
https://www.tcu.ac.jp/news/all/20220315-40879/
・翼竜の化石が長島町獅子島の白亜紀層から発見、理工学部 中島保寿 准教授らによる研究が始まりました(2021/09/06)
https://www.tcu.ac.jp/news/all/20210906-38420/
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