愛知大学国際コミュニケーション学部の友松夕香准教授が地域研究コンソーシアム登龍賞を受賞 — 『サバンナのジェンダー — 西アフリカ農村経済の民族誌』
同組織は、地域や国境、そして学問領域などの既存の枠を越える研究成果を対象とした「地域研究コンソーシアム賞」を選定。その規約で謳っている「国家や地域を横断する学際的な地域研究を推進するとともに、 その基盤としての地域研究関連諸組織を連携する研究実施・支援体制を構築することを目的とする。これにより、人文・社会科学系および自然科学系の諸学問を統合する新たな知の営みとしての地域研究のさらなる進展を図る」という目標を達成する上で大きな貢献のあった研究業績ならびに社会連携活動を広く顕彰している。
その中でも登龍賞は、大学院生ないし最終学歴修了後10年程度以内を目安とする研究経歴の比較的短い研究者による学術研究業績(公刊論文ないし図書)を対象とする。
第10回(2020年度)の地域研究コンソーシアム賞(JCAS賞)登龍賞を受賞した友松夕香准教授は、アフリカ研究やジェンダーなどを専門とし、JICA海外協力隊員として西アフリカのブルキナファソでの活動歴もある。
その友松准教授が、合計22か月におよぶフィールドワークに基づいて記した著作が『サバンナのジェンダー――西アフリカ農村経済の民族誌』である。世帯レベルの生計活動を詳細に分析することで、男性と女性の不可分な生計関係を明らかにし、開発政策が進展するなかで女性の労働の強化など女性が直面する課題を詳細に検討。男性と女性の二項対立枠組みに依拠するフェミニズム論の限界を浮き彫りにするだけでなく、女性の解放を目指して女性たちの経済的な自立を支援してきた国際開発政策の再考を促す。
また、序論で展開されている、国際社会によるアフリカ女性の「支援」に関するフェミニズム研究と国際開発政策からの批判的考察は、実証研究から開発に携わる読者にとって大いに役立つ論考ともなっている。
人類学や農学(毎木調査含む)、農村経済などの学問分野を融合させ、質的・量的データを駆使した説得力ある記述は、学際的な地域研究の成功例として高く評価され、このたびの受賞となった。
■受賞者紹介
友松 夕香(ともまつ ゆか)
愛知大学国際コミュニケーション学部准教授。カリフォルニア大学バークレー校政治学部を卒業後、JICA海外協力隊員として西アフリカのブルキナファソで活動。東京大学で博士号(農学)を取得。日本学術振興会特別研究員、プリンストン大学歴史学部ポスドクフェローを経て、2020年4月より現職。
・専門分野・研究テーマ:国際協力・開発学、アフリカ研究、環境、農業、家族、ジェンダー、政治経済
<主要著作>
・『サバンナのジェンダー――西アフリカ農村経済の民族誌』(明石書店、2019年)
・「執拗な共食」『再分配のエスノグラフィ』(浜田明範編、悠書館、2019年)
・「人びとの過去に接近する」『歴史書の愉悦』(藤原辰史編、ナカニシヤ出版、2019年)
・”Parkia biglobosa -Dominated Cultural Landscape: An Ethnohistory of the Dagomba Political Institution in Farmed Parkland of Northern Ghana.” Journal of Ethnobiology 34.2 (2014)
・「研究は実践に役立つか?」『フィールドワークからの国際協力』(荒木徹也・井上真編、昭和堂、2009年)
ほか多数
※受賞者の詳細は下記URLを参照。
・愛知大学研究者情報データベース
http://edu.aichi-u.ac.jp/tsearch/AUT_detail.aspx?pid=11493
(参考:地域研究コンソーシアム 公式サイト内)
●JCAS賞2020審査結果
http://www.jcas.jp/jcas2020.html
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