岐阜市長良で発見された鉄隕石、「長良隕石」と命名 — 岐阜聖徳学園大学で記者発表を実施 —
2012年10月ごろ、岐阜市内に住む三津村勝征(73)が、岐阜市長良で、褐色の鉄の塊を発見し、自宅に持ち帰った。隕石ではないかと思い、2017年6月に知人で岐阜聖徳学園大学事務職員の岩佐大宣に相談し、同大学教授川上紳一研究室に持ち込んだ。
学術的意義
今世紀になって国内で発見された隕石は、2002年に秋田で発見され、国立極地研究所による分析で隕石と判明した神岡隕石と、2003年に広島に落下した広島隕石がある。今回の長良隕石の発見は日本国内では約15年ぶりの隕石発見となる。
今回発見された隕石は、観察を行ったかぎり、鉄ニッケル合金相の離溶組織[3]がみられないことから坂内隕石と同じヘキサヘドライトの可能性がある。今回発見された鉄隕石が、もしも坂内隕石と同時に落下してきたものであれば、周辺でまだ鉄隕石が発見されるかもしれない。
IABグループの鉄隕石は、ケイ酸塩質の部分を含むことがよくあり、その化学組成はウィノーナアイト[4]と呼ばれる希少な石質隕石のグループと類似しており、これらの隕石が同一母天体に由来したという説もある。今回発見された長良隕石は、今から約46億年前の太陽系形成初期に、隕石母天体(微惑星)の内部で、金属鉄とケイ酸塩が分離した過程を探ることのできる貴重な試料である。
分析・分類
東京大学で電子線マイクロプローブアナライザ(EPMA)による組織観察および鉱物組成分析を行ったところ、カマサイト[5]、および、微量のテーナイト[6]とシュライバーサイト[7]が確認された。カマサイトは、鉄が約93重量%、ニッケルが約6重量%、コバルトが約0.6重量%の化学組成であった。国立極地研究所のレーザーアブレーション誘導結合プラズマ質量分析計(LA-ICP-MS)による微量元素分析では、ニッケルが6.10重量%、イリジウム(Ir)が4.25(μg/g)、ガリウム(Ga)が91.6(μg/g)、ゲルマニウム(Ge)が402(μg/g)、金(Au)が1.58(μg/g)であった。
隕石の公開について
2018年6月30日まで、岐阜市科学館で特別展示を行う。
共同発表者の氏名(所属)
三津村勝征(発見者)
川上紳一(岐阜聖徳学園大学 教育学部教授/岐阜大学 名誉教授)
岩佐大宣(岐阜聖徳学園大学 実習支援センター・看護実習支援室)
三河内岳(東京大学 大学院理学系研究科 地球惑星科学専攻 准教授)
山口亮(国立極地研究所 地圏研究グループ 准教授/国立極地研究所 極域科学資源センター 南極隕石ラボラトリー/総合研究大学院大学 極域科学専攻 准教授)
白井直樹(首都大学東京 理工学研究科 分子物質化学専攻 助教)
小松睦美(総合研究大学院大学 学融合推進センター 助教)
<研究に関すること>
<報道担当>
■長良隕石発見場所の訂正
平成30年3月1日付け発表いたしました長良隕石の発見場所について、住所地を「岐阜市長良宮口町」としておりましたが、正確な住所を確認したところ「岐阜市長良」であることが判明しました。お詫びして訂正いたします。合わせまして、隕石を特別展示している岐阜市科学館の紹介パネル、今後まとめる学術論文にも訂正を反映します。(訂正日:平成30年3月9日)(2018/03/19 11:00)
http://www.shotoku.ac.jp/information/2018/03/150000nagara-press.php