世界最速・実用化レベル──玉川大学学術研究所が「大容量データの量子暗号の長距離伝送実験」に成功
昨今、インターネット上での電子商品取引等が普及し、データを盗聴から守る安全なネットワーク構築の必要性が高まっている。光通信量子暗号(Y-00プロトコル)は、数学的な解読法が存在しないことが保証され、従来の暗号技術では達成できない安全性を超高速で、さらに低コストで実現できるものである。
これまで玉川大学では、現在の光通信で用いられている毎秒2.5ギガビット、192kmの量子暗号伝送実験に成功している。今回は、次世代の光通信の基盤となる毎秒10ギガビットの暗号通信が可能であるかを実証するため、これに対応する暗号送受信装置を開発し、300kmの室内伝送実験を行った。実験の結果、実用レベルに耐えうる動作を確認した。
10ギガビットは、全角の文字データに換算すると6億字以上、ハイビジョン放送では10局分にあたるデータ量であり、この情報量の暗号通信の実験成功は世界でも類を見ない。この実験成功を受け、2009年度は500kmの光ファイバ回線をキャンパス内に敷設し、実用化に向けた屋外環境での実験に取り組む。
この量子暗号の開発によって、データ通信時に盗聴者から情報を完璧に守り、さらに高速で送受信することが可能になる。これにより商品取引だけでなく、郊外に大容量のデータセンターを構築し、遠隔医療や銀行データベースなど、日常生活に密接に関わりのある分野における新たなデータサービスビジネスが実現される可能性も高まっている。
*本研究は2009年8月2日から8月6日まで、米国サンディエゴで開催される”SPIE Conference on Quantum Communication and Quantum Imaging”の招待講演において、玉川大学 広田修が発表する。
*今回の実験は、情報通信研究機構(NICT)からの受託研究の一環として、日立情報通信エンジニアリング株式会社の協力のもと2009年3月23日から3月26日に実施した。
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