【日本大学】新型宇宙ステーション補給機1号機(HTV-X1)より、日本大学「てんこう2」の軌道投入が完了 JAXAの衛星放出機構(H-SSOD)による初のミッションをSpace BDが支援
本ミッションは、HTV-X1が国際宇宙ステーション(ISS)からの離脱後、約3か月にわたる技術実証フェーズで実施される技術ミッションの一つで、JAXAのHTV-Xプロジェクトが主体となって新たに開発した超小型衛星放出機構(以下「H-SSOD」)における初の放出事例です。


HTV-X1号機ミッションプレスキットより H-SSOD概要 ©︎JAXA
■ 初ミッション成功に向けた各者の取り組み
JAXA:新たな軌道利用インフラの価値実現
HTV-Xは、将来の月・深宇宙探査を見据えた新型宇宙ステーション補給機です。JAXAは、HTV-Xプロジェクトとして、HTV-Xの自在な飛行能力を活かした新たな超小型衛星放出手段である「H-SSOD」の開発および実証を主導しました。
HTV-Xからの放出により、ISS(高度約400km)に比べ、より高い高度での放出が可能となり、超小型衛星の運用期間延長や実用的なミッションへの適用が期待されます。これにより、利用者の要望に応じた衛星放出が可能となり、超小型衛星利用の新たな需要創出につながることが期待されます。
日本大学:初となるH-SSODの実証ミッションとして
超小型衛星「てんこう2」は、学生主体の設計・試験・運用を特徴とする宇宙開発プロジェクトとして、日本大学理工学部航空宇宙工学科の奥山研究室が中心となり開発しました。本プロジェクトは、炭素繊維強化複合材の宇宙環境耐性評価や先進通信技術の実証を目的としています。
さらに、学内の芸術学部や20校を超える付属高校とも連携した教育プロジェクト「N.U Cosmic Campus」として展開されており、科学と芸術、大学と高校が融合した、新しい形の総合的な宇宙教育モデルを目指しています。
Space BD:インフラ確立への貢献と日本大学との初協働
本実証では、H-SSODと搭載衛星の「同時並行開発」という、極めて難易度の高いプロセスが求められました。Space BDは、ISS日本実験棟「きぼう」からの衛星放出(J-SSOD)やロケット相乗り支援で培った豊富な知見を基に、JAXAに対してインターフェース調整における技術的なフィードバックを逐次提供。実証機特有の変動要素が多い状況下において、衛星の確実な搭載・放出に向けた条件の最適化を支援しました。
また、日本大学との初の協働事例となった本プロジェクトにおいて、安全審査対応から衛星のH-SSODへの搭載・引き渡しまでを一気通貫で完遂。H-SSODが将来にわたり広く活用される宇宙インフラとなるための利用基盤を確立するとともに、アカデミアをはじめとする新たなユーザー層に向けた次世代の放出機会の創出を実現しました。
◾️関係者コメント
日本大学 理工学部 航空宇宙工学科 奥山 圭一教授 コメント
今回のミッションは、JAXAの新しい宇宙輸送システムである『HTV-X1/H-SSOD』の実証に参画するという、本学にとっても極めて象徴的な取り組みです。
宇宙開発は挑戦の連続であり、その歩みは決して平坦ではありません。しかし、NASAの元フライトディレクター、ジーン・クランツ氏が掲げた“Tough and Competent(強く、そして有能であれ)”という言葉にあるように、困難に真摯に向き合い、学び続ける姿勢こそが次世代の人材を育てると信じています。
学生たちはこの精神を胸に、設計から運用までの全工程に情熱を注いできました。この小さな衛星『てんこう2』に込められた挑戦と経験が、将来の宇宙開発を担う若者たちの大きな成長につながることを心より願っています。
JAXA 有人宇宙技術部門 新型宇宙ステーション補給機プロジェクトチーム 末廣 知也 主任研究開発員 コメント
無事に衛星の軌道投入ができたことに、これまで開発・調整を行ってきた担当としてとても安堵しております。H-SSODは国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」からの衛星放出(J-SSOD)での開発経験や衛星側からのご意見を取り入れて、よりよい放出機構へと進化し、HTV-Xへの搭載が実現しました。Space BDの皆様及び日本大学の皆様をはじめとした関係者の皆様に感謝申し上げます。衛星放出としては一区切りですが、「てんこう2」の運用は、まさにこれからで、様々な実験による成果が得られることを楽しみにしております。
Space BD株式会社 エンジニアリングユニット 水野 哲朗 コメント
てんこう2の宇宙空間への放出をJAXA筑波宇宙センターのHTV-X管制室で見届けさせていただきました。世代を超えてバトンをつないできた日本大学の皆様、そしてJAXA HTV-Xプロジェクトの皆様のご尽力に心より敬意を表します。
今回の取り組みは、HTV-Xを活用した新たな超小型衛星放出機会の実証であり、将来の多様な衛星ミッションにつながる重要な一歩でもあると考えております。弊社としては、H-SSODによる衛星放出に関わり始めてから約6年ですが、長年の開発の積み重ねと多くの関係者の努力により実現したこのような機会に立ち会えたことを大変うれしく思います。
これからが衛星運用の本番となりますので、「てんこう2」のミッション成功を心よりお祈りしております。
◾️Space BD株式会社について
Space BDは、日本の宇宙ビジネスを、世界を代表する産業に発展させることを目指す「宇宙商社®」です。2017年の創業以来、宇宙への豊富な輸送手段の提供とともに国際宇宙ステーション(ISS)をはじめとする宇宙空間の利活用において、ビジネスプランの検討からエンジニアリング部門による技術的な運用支援までをワンストップで提供しています。技術力に立脚した営業力・事業開発力を礎に、多様なキャリアバックグラウンドを持ったメンバーが、宇宙を活用した官民の事業化支援・事業変革、教育分野などに事業を展開しています。
2026年1月現在、衛星取り扱い数100件超に加え、620を超える宇宙空間での実験実績を重ねています。
社 名:Space BD株式会社
本 社:東京都中央区日本橋室町二丁目1番1号 日本橋三井タワー7階
代 表 者 :代表取締役社長 永崎将利
設 立:2017年9月1日
事業内容:宇宙における各種サービス事業・教育事業
U R L:https://space-bd.com/
本件に関するお問い合わせ先
日本大学理工学部 航空宇宙工学科 奥山研究室
住所:〒274-8501千葉県船橋市習志野台7-24-1
Mail:okuyama.keiichi@nihon-u.ac.jp
Space BD株式会社 広報担当 宮森・福田
Mail:pr@spase-bd.com
Tel:03-6264-7177