酪農学園大学の大学院生が世界的にも珍しい赤ビートワインの製品化に成功 — 学内の野生酵母を使用
南さんは合同会社アグマリンプロテック社(北海道江別市)から赤ビート50kgの無償提供を受け、酵母の分離培養や試験醸造の実験を重ねた。
研究を進める上で、学内やむかわ町のシーベリー、学内のブドウ(ピノ・ノワール)などから分離培養した野生酵母を試験醸造に用いた。その結果、学内のシーベリーから分離した野生酵母(Hanseniaspora vineae)が一番相性の良かったことから、学内シーベリーの野生酵母を選択。赤ビート搾汁液のほかに、ばんけい峠のワイナリーのキャンベル・アーリのワインを赤ビートワインと同量をブレンドして、ばんけい峠のワイナリー(札幌市中央区)に醸造を委託した。
このたび、その研究成果として赤ビートワインが完成。ボトルのラベルは、南さんの夫である南貴幸さんがデザインした。
今回の研究では、南さんの職場である日本食品分析センターに赤ビートワインの香気分析を依頼。この研究をきっかけとして、さらなる共同研究に発展しており、共同研究の研究成果については、修士論文の発表内容に盛り込まれる予定になっている。
■指導教員の山口昭弘教授からのコメント
ラベルに「世界初」を入れることは国税庁への申請の関係(証明できない!)で実現とはなりませんでしたが、資料をあたっても赤ビートのワインは前例がないことから、世界初であるということができると思います。当初、搾汁の機械は阿部茂教授(食品企画開発研究室)にある機械を借りて試みましたが、赤ビート50kgという大量の原材料であったことから、地方独立行政法人北海道立総合研究機構 食品加工研究センターの大型装置をお借りしました。赤ビートを加熱して、剥皮、細切、摩砕、圧搾という工程が必要であり、研究室に所属する男子学生の若色大地さん、寺田透弥さん、菊地誠人さん3名が大いに活躍してくれました。
南典子さんは、2020年9月修了を目指し、「学内野生酵母の分離と赤ビートワイン醸造への応用」をテーマに修士論文をまとめているところです。野生酵母は学内A2号館前にあるシーベリーから分離しました。シーベリーは本学と食品加工研究センターと江別市の3者が連携協定締結を記念して植樹したシーベリーから採取しました。酵母を含めた原材料のすべてが北海道産であり、シーベリーと搾汁では食品加工研究センターとの縁があって実現したことから、赤ビートワインのストーリーが出来上がったと感じました。
学内シーベリーから分離した野生酵母(H. vineae)はイタリアなどでは実際のワイン醸造に用いられている酵母種です。欧州のモダンワインは、豊かな風味を与える野生酵母で発酵させて、その後に市販の醸造用酵母Saccharomyces cerevisiaeを加えてさらにアルコール発酵を進めるシーケンシャル発酵が流行っていると聞きますが、それに近い醸造方法といえます。
南さんは、ご主人の理解もあり、研究を進めることができましたので、まさに家族でつくり上げた世界初の赤ビートワインです。とてもユニークで美味しいワインができたと思います。
●世界初! 赤ビートワインを学内の野生酵母を使って製品化に成功!
(南典子さん、南貴幸さん、山口昭弘教授のインタビュー。酪農学園大学HP)
https://www.rakuno.ac.jp/archives/10185.html
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