昭和大学の研究グループがアルツハイマー病の病因蛋白アミロイドβの毒性機序を解明 — 高分子アミロイドオリゴマーが細胞膜を傷害することで毒性を発揮する —
Aβは主に40または42アミノ酸残基を含むAβ1-40とAβ1-42がヒトにおいて産生されますが、Aβ1-42はより凝集性が高く毒性が強いためAD病態の進行にとって特に重要であると考えられています。一量体であるAβモノマーは凝集して、低分子オリゴマー、そして、プロトフィブリルのような高分子オリゴマー、そして最後に成熟線維を形成すると考えられています。これらの凝集体はAD患者の脳において神経機能障害を引き起こしますが、最近、早期あるいは中間凝集段階であるオリゴマーがADの病因において重要な役割を果たすことが示唆されています(関連文献1)。
■発表論文名
Taro Yasumoto, Yusaku Takamura, Mayumi Tsuji, Takahiro Watanabe-Nakayama, Keiko Imamura, Haruhisa Inoue, Shiro Nakamura, Tomio Inoue, Atsushi Kimura, Satoshi Yano, Hisao Nishijo, Yuji Kiuchi, David B. Teplow, Kenjiro Ono. High-molecular-weight amyloid β1-42 oligomers induce neurotoxicity via plasma membrane damage. FASEB J, [Epub ahead of print]
邦題:「高分子Aβオリゴマーは細胞膜傷害を介して神経細胞毒性を発揮する」安本太郎、高村雄策、辻まゆみ、中山隆宏、今村恵子、井上治久、中村史朗、井上富雄、木村篤史、矢野怜、西条寿夫、木内祐二、デービッド・B・テプロフ、小野賢二郎
doi:10.1096/fj.201900604R
■関連文献
1. Ono K. Alzheimer’s disease as oligomeropathy. Neurochem Int. 2018;119:57-70.
■語句説明
※1 疾患修飾薬:病理学的変化が進む過程に直接作用することにより、疾患の再発率を抑制したり,進行を遅らせたりする作用をもった薬剤のこと
※2 アルツハイマー病AD(Alzheimer’s disease):認知症をきたす疾患の中で一番患者さんが多いと言われている。脳の神経細胞が減って脳が萎縮してしまうために、症状が現れ、徐々に進行する病気。
※3 活性酸素ROS(Reactive Oxygen Species):大気中に含まれる酸素分子がより反応性の高い化合物に変化したものの総称。過剰に作られ、その状態が続くと細胞が傷つき、早い老化や病気をもたらしてしまう。
※4 プラセボ:医薬品の真の効果を試験するためなど、乳糖など生理作用のない物質で製した薬のこと
■昭和大学医学部内科学講座脳神経内科学部門HP
http://showa-u-neurology.com/
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