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学生の手による“誰にでも読める「中小企業白書」”登場! 東洋大学経済学部のゼミが『図解要説「中小企業白書を読む」』を出版

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東洋大学経済学部のゼミが6月、『図解要説「中小企業白書」を読む』を出版した。白書を約1/3に要約したこの本は、「中小企業診断士試験」においても効果的なテキストとして、お薦めの一冊である。

【中小企業白書とは―】
 中小企業庁が毎年発行する「中小企業白書」は、中小企業について、タイムリーかつ豊富な情報の宝庫であり、政府の政策の論拠を知るにも有益な資料。雇用や設備投資、技術革新などの根幹を支える中小企業の課題を知ることは、日本経済を知ることにもつながる。
 しかし、350ページを超えるこの白書は、一般向けに書かれたものではなく、誰もが読みこなせるという資料ではない。

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 東洋大学経済学部の安田武彦ゼミナール(やすだ・たけひこ/専門:中小企業論)では、2年次の春休みに前述の分厚い「中小企業白書」をじっくり読んでみよう、という提案が出され、ゼミ内で有志を募り「白書研究会」という勉強会を立ち上げた。

 勉強会では、学生がそれぞれ担当した章を読み込み、要約。それを他のメンバーが初めて読んだ人にも分かりやすいか、きちんと要約されているかなどのチェックを行い、推敲を重ねた。ゴールデンウィークには集中勉強会を2回開催した。

 こうして完成し、機会を得て出版に漕ぎつけたのが、「中小企業白書」を学生の手で分かりやすくコンパクトに要約した『図解要説「中小企業白書」を読む』。白書で多用されているさまざまなグラフについても、分かりやすさに配慮して解説している。 

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【学生の声】
■ゼミの力を集結して、人に読まれるものをつくる難しさをクリア

「人に読まれるものをつくるというのは、本当に大変でした。自分がこれで良いと思っても、他の人が読むと違和感があったり…。経済学部以外の友達にも見てもらいました」(後藤さん)
「まとめることで多くの発見がありました。中小企業の課題はもちろん、どうしてこのような調査がされているのかなどを考えるようになりました。この本で多くの人に中小企業の問題に関心をもってもらえたら嬉しいですね」(岡崎さん)
「最初は何が書いてあるかも正直、分かりませんでした(苦笑)。しかし、勉強会で次第に自分なりに分かるようになって、面白くなりました。本に名前が刻まれ、卒業後も勉強したことの軌跡がここに残ったことに感謝したいです」(金城さん)
「書籍が完成し、この本が私たちのゼミの結集なんだな、と嬉しくなりました」(山崎さん)
 ──それぞれに、達成感がみなぎっている。


【担当教授の声】
■実学を重視する、アクティブなゼミナールです

 「実際に企業をまわってインタビューを行うなど、実践を中心とする内容に惹かれて、このゼミを選びました」(沼田さん)との声に代表されるように、「実学」を重視している安田ゼミ。ゼミナールを指導する安田武彦教授は東洋大学に就任前、通商産業省(現在の経済産業省)に在籍し、中小企業庁で過去45回発行された「中小企業白書」のうち5回の執筆に携わった経験を持っている。
 「大学で学生を指導するようになってからは、実学の重視とともに、座学で基本的な知識を得る際にも、ただ自分が“分かった”ということで終わらせるのではなく、それをきちんとした形でまとめ、ゼミや大学内にとどまらず“外に見せる”機会を持つよう心がけています。出版という目標に向かって原稿を作成するためには、人に説明できるだけの、しっかりとした理解が必要になります。学生たちは“責任”と“熱意” を持って取り組んでくれたと思います」(安田教授)。

【写真の説明】

書籍:
図解要説「中小企業白書を読む」〔平成20年度 対応版〕
安田武彦 監修 東洋大学経済学部・白書研究会 編
同友館 定価1,260円(税込)

安田ゼミのメンバー:
「白書のおかげでゼミの結束がより強固になりました!」

岡崎耕平さん、金城龍也さん、倉知昴司さん、
後藤良平さん、山崎理恵さん、長野貴さん、
福田哲也さん、沼田亮さん、八重樫千瑛さん、
山内悠輝さん(すべて経済学部3年)と安田武彦教授


▼この件に関するお問い合わせ先
 東洋大学総務部広報課 
 担当/川俣 英里  
 TEL: 03-3945-7571 
 E-mail: mlkoho@ml.toyonet.toyo.ac.jp

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