多摩美術大学

「人の命は甘美である」――多摩美術大学生涯学習センターで瀬戸内寂聴氏の特別講座を開講

大学ニュース  /  イベント  /  生涯学習

  • ★Facebook
  • ★Twitter
  • ★Google+
  • ★Hatena::Bookmark

多摩美術大学生涯学習センターでは、無料の公開講座『特別講座 芸術と人生』シリーズを行ってきた。今年は生涯学習プログラムの開設10周年記念として、4月17日(土)に瀬戸内寂聴氏を招き、講演「人の命は甘美である」を行う。受講は申し込み制。

 多摩美術大学生涯学習センターは、こどもから大人までのすべての人々に美術・芸術を開放し、その自由な広がりを伝えるため、2000年4月から活動をはじめている。現在上野毛・八王子両キャンパスを中心に、講義や演習や講演など年間約150講座を開講。無料で参加できる「特別講座 芸術と人生」は、芸術を生み出す側だけでなく、芸術を支える側、愉しむ側などさまざまな角度から多彩なゲストを迎え、“今、芸術に何が可能か”をテーマに講演していただくシリーズだ。生涯学習プログラムの設置10周年を記念し、今年は生涯学習プログラムの開設10周年記念として、4月17日(土)に瀬戸内寂聴氏を招き、講演「人の命は甘美である」を行う。参加は申し込み受付順で定員500名まで。


講演に寄せて
多摩美術大学 生涯学習センター長   萩原 朔美

 実は、私の心にずっと小骨のように引っかかっている宿題がある。
 「あなたは、いろんなことやって来たんだから、そのことを小説にしなさい」
 誰の出版記念会だったかは忘れてしまった。瀬戸内さんが、ふと、私に伝言のように囁いて立ち去ったのだ。パーティーのことはなに一つ覚えていないのに、瀬戸内さんのこの言葉だけは今でも鮮明に蘇ってくるのである。
 確かに、私はひとつの事柄が長続きせず、寄り道か表通りか自分でも分からない。もしも、経験を素材にして作品化出来れば過去が生きてくる。なにもしなければ、無駄なジグザグである。
 考えてみると、瀬戸内さんの実体験は全て生かされている。考え方に、作品に、生き方に、日々の行動に。だから、瀬戸内さんの法話や講演は聴く人の心を強く揺り動かすのだろう。行為が張りついている言葉は重い。おそらく今回の講演を体験した人もきっとそう実感するだろう。そして、みんな私と同じように宿題をかかえながら帰るのだ。

瀬戸内寂聴(せとうち・じゃくちょう)プロフィール
 1922(大正11)年徳島県生まれ。東京女子大学卒業。61年『田村俊子』で田村俊子賞、63年『夏の終り』で女流文学賞を受賞。73年平泉・中尊寺で得度し天台宗の僧侶となり、87年天台寺の住職に就任(現在、名誉住職)。
 92年『花に問え』で谷崎潤一郎賞、96年『白道』で芸術選奨文部大臣賞、2001年『場所』で野間文芸賞を受賞。『源氏物語』(現代語訳・全10巻)ほか著書多数。
 歌舞伎や能、狂言、オペラなど舞台芸術の作品も手掛ける。06年に文化勲章を受章。
 徳島県立文学書道館館長。宇治市源氏物語ミュージアム名誉館長。


多摩美術大学 生涯学習プログラム開設10周年記念
特別講座 第16回 芸術と人生「人の命は甘美である」瀬戸内 寂聴

・日 時: 2010年4月17日(土)13時30分~15時
・会 場: 多摩美術大学 上野毛キャンパス講堂
・交 通: 東急大井町線上野毛駅徒歩3分
・主 催: 多摩美術大学
・定 員: 500名(申し込み受付順)
入場無料

・お申し込み方法
ハガキに、(1)住所(2)氏名(フリガナ)(3)電話番号をご記入の上、お申し込みください。ご受講の可否は郵送でご連絡いたします。

▼本件に関するお問い合わせ・お申し込み先
 多摩美術大学 生涯学習センター「人の命は甘美である」係
 〒158-8558 東京都世田谷区上野毛3-15-34
 TEL: 03-3702-9868(日・祝・休を除く、午前10時~午後5時)
 http://www.tamabi.ac.jp/life