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立教大学の黒岩常祥特任教授が「日本学士院賞」「みどりの学術賞」を受賞

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日本学士院(久保正彰院長)が優れた研究や著作を顕彰する「2010年度 日本学士院賞」に、立教大学理学研究科の黒岩常祥特任教授が選ばれた。また、国内において植物や森林、緑地、造園、自然保護等にかかわる研究、技術の開発、その他「みどり」に関する学術上の顕著な功績のあった個人に内閣総理大臣より授与される「第4回 みどりの学術賞」も受賞した。

 日本学士院賞受賞研究対象となったのは、黒岩常祥教授の「ミトコンドリアと葉緑体の分裂・遺伝様式に関する基本機構の発見」。日本学士院賞は1910年に創設され、今回で100回目となる。授賞式は6月に東京・上野の日本学士院で行われる。
 また、「みどりの学術賞」の授与は4月23日(金)の「みどりの式典」において行われる。

【日本学士院賞受賞理由(日本学士院より)】
 黒岩常祥氏は、生命活動に必須なエネルギーを作り出す細胞小器官、ミトコンドリアと葉緑体の増殖と遺伝の機構を研究し、これらが、多重リング構造から成る独自の分裂装置を使って増殖することを発見しました。さらに、それらを単離して、構成タンパク質などの分子構築を明らかにし、これまで謎に包まれていた細胞小器官の分裂・増殖の基本機構を解明しました。また、この研究を推進するため、原始紅藻シゾンを実験材料として開発し、真核生物では初めて100%ゲノム解読に成功しました。
 さらに、ミトコンドリアと葉緑体の遺伝様式を特徴づける「母性遺伝」の研究に取り組み、雄由来のDNAが独自の消化酵素により選択的に分解されることを明らかにし、細胞小器官の遺伝では、なぜ、母方の遺伝子だけが子に伝えられるのか、その分子機構を解明しました。
 黒岩氏は、超高分解能蛍光顕微鏡の開発など解析技術にも力を入れ、これらの研究を完成させました。日本が国際的に誇ることのできる独創性の高い研究成果です。

【みどりの学術賞功績概要】
 葉緑体などの色素体系及びミトコンドリアは、植物が太陽からエネルギーを取り入れるための必須の機能である光合成と細胞呼吸を担う細胞小器官(オルガネラ)です。黒岩氏は、細胞生物学の分野において、その分裂・増殖・遺伝の仕組みを世界で初めて解明するなど、「みどり」がどうやって繁栄していくかについての新たな理解につながる顕著な功績を挙げ、斯学の発展に貢献しました。

●立教大学理学研究科のwebサイト
 http://www.rikkyo.ac.jp/academics/graduate/science/

●日本学士院のwebサイト
 http://www.japan-acad.go.jp/
●内閣府 みどりの学術賞のwebサイト
 http://www.cao.go.jp/midorisho/index.html

▼本件に関する問い合わせ先
 立教学院 企画部 広報課
 〒171-8501 東京都豊島区西池袋3-34-1
 TEL: 03-3985-2202

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