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学校法人青山学院が2010年6月、「青山学院フォトクロミズム研究コンソーシアム」を設立

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学校法人青山学院では2010年6月に、「青山学院フォトクロミズム研究コンソーシアム」を設立した。青山学院大学理工学部・阿部二朗准教授を中心に開発した「高速フォトクロミック分子」を産学連携の下での製品化するとともに、さまざまな分野における用途開発を推進する。

 学校法人青山学院(東京都渋谷区/理事長:松澤 建)は、このたび、産学連携の下で高速フォトクロミック分子の研究を推進し、オンリーワンのフォトクロミック分子を高性能化することで世界をリードするフォトクロミック新技術の創出および知財パッケージ型オープンイノベーションの実現を目的として、「青山学院フォトクロミズム研究コンソーシアム」を設立した。

 設立に至った経緯は、同大理工学部化学・生命科学科の阿部二朗准教授が、紫外光を照射した時のみ無色から青色に発色する画期的なフォトクロミック分子(高速フォトクロミック分子)の開発に成功したことに端を発している。
 このような高速消色反応を示すフォトクロミック分子は世界で初めてであり、太陽光の下で瞬時に発色し、室内に入ると瞬時に無色に戻る高速変色型の調光サングラスに利用できるほか、究極の立体映像再生ディスプレイとして研究されているホログラフィー方式の立体テレビへの応用が期待されている。

 研究成果は米国化学会専門誌のジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティの2009年4月1日号に掲載された。また、この化合物はすでに関東化学株式会社より製品化されている。

【青山学院フォトクロミズム研究コンソーシアムの主な活動内容】
 1.「高性能高速フォトクロミック分子」の高品質化技術開発の推進
 2.「高性能高速フォトクロミック分子」の評価技術開発の推進
 3.「高性能高速フォトクロミック分子」の応用分野開拓の推進
 4.「高性能高速フォトクロミック分子」の関連商品のビジネス・モデル開発の推進
 5.定期的なワークショップの開催ならびに社会への情報発信
 6.国内外の関係機関との連携の維持および強化

※フォトクロミズム
 光の作用によって物質の色が可逆的に変化する現象は「フォトクロミズム」として知られており、この現象を引き起こす分子は「フォトクロミック分子」と呼ばれている。フォトクロミック分子は、すでにレンズに応用され、太陽光の下で無色からさまざまな色に発色する調光サングラスとして実用化されている。
 また、紫外線チェッカーやアクセサリーなどにも幅広く利用されている。しかし、従来のフォトクロミック分子は、発色状態から無色に戻るまでに数分程度の時間を要するために、消色速度の向上が求められていた。

▼コンソーシアムの内容に関する問い合わせ先 
 ●青山学院大学理工学部・阿部二朗准教授
  E-mail:  jiro_abe@chem.aoyama.ac.jp
 ●青山学院本部総合企画部事業開発・推進グループ知的資産連携機構・竹田由美子
  E-mail:  imag@aoyamagakuin.jp

▼本件の取材に関する問い合わせ先 
 青山学院本部広報部 
 TEL: 03-3409-6578 
 FAX: 03-3486-4712
 〒150-8366 渋谷区渋谷4-4-25