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2025年6月7日(土)、青山学院大学 地球社会共生学部 林拓也教授ゼミ(以下、林ゼミ)に所属する学生が、青山学院初等部 美術クラブの児童を対象とした体験型学習イベントを開催した。参加した児童は、「魔女にさらわれたジュリエットを大学生との共生の愛で助ける」という設定のもと、各々が愛で満ちあふれたアートな測量器を製作し、初等部の校舎の高さを測定した。
■あらすじ
「ジュリエットが魔女にさらわれて、初等部の建物の中に邪悪な魔法でとらわれてしまいました。ジュリエットを助けるためには、彼女がとらわれている部屋へはしごをかける必要があります。しかし、部屋まで届くはしごを作るためには建物の高さがわからないといけません。地球社会共生学部 林ゼミの大学生は、高さを測るための装置を発明し、ジュリエットを助けるために賢明な努力を重ねましたが、愛の力が足りずうまくいきません。そこで大学生はあることを思いつきました。初等部の子どもたちの力を借り、大学生との共生の愛の力があればきっと助けられるだろうと。2025年6月7日(土)、初等部美術クラブの子どもたちにラブラブで愛に満ちた測量器を作ってもらい、ジュリエットを助けるための大作戦が行われたのでした。結果はいかに...。」
■イベント概要
この学習イベントを担当した林ゼミの初等部ワークショップチームは、2024年9月に発足した。イベントの目的は、小学生も簡単に製作することができる計測器を用いながら、自分たちの身体を使って建物の高さを測り、その過程で参加者各々の非認知能力を高めることにある。2025年3月に開催した青山学院横浜英和小学校の児童を対象としたイベントでは、「計測すること」と「集めたデータをもとに建物の3Dマップを製作すること」に重きを置いていたが、今回の初等部美術クラブの児童を対象にしたイベントは、よりアートな要素を強調した内容になった。
同初等部で美術を担当する飯倉穂高教諭の協力のもと、開催日の3ヵ月前から準備を始めた。飯倉教諭から数々のアドバイスを頂きながら、「共生マインド」を養うことをめざす地球社会共生学部の特徴を生かしつつ、初等部の美術クラブの児童とコラボレートすることを考えた結果、大学生と小学生による共生の愛の力で、魔女にとらわれたジュリエットを助け出すという設定を考案した。
同初等部で美術を担当する飯倉穂高教諭の協力のもと、開催日の3ヵ月前から準備を始めた。飯倉教諭から数々のアドバイスを頂きながら、「共生マインド」を養うことをめざす地球社会共生学部の特徴を生かしつつ、初等部の美術クラブの児童とコラボレートすることを考えた結果、大学生と小学生による共生の愛の力で、魔女にとらわれたジュリエットを助け出すという設定を考案した。
■イベント当日の様子
イベント序盤では、児童とゼミ生との間に少し緊張感が漂っていたが、挨拶を交わし、アイスブレイクを挟むことで次第に緊張がほぐれ、互いにリラックスした雰囲気になった。また、共通の話題が見つかると自然に会話が弾み、イベント会場となった同初等部アートルームには明るい雰囲気が広がっていった。
今回は、「愛の力に満ちた測定器をつくる」という抽象的なテーマを設けたので、児童には当初戸惑いが見られた。しかし、ゼミ生の「愛ってどんなときに感じる?」といった問いかけによって、児童の想像力が刺激され、製作を進めることができた。ある班からは「ロミオとジュリエットが抱き合うデザインにしよう」というアイデアが出されるなど、小学生同士が互いに意見を交わし合いながら、大いに盛り上がった。そしてゼミ生は、素材選びや道具の使い方をサポートし、児童の創造を後押しした。ハート型の発泡スチロールにモールや綿を貼り、「これで愛の大きさを表しているの!」と楽しそうに取り組む姿も見られ、真剣な表情の中にもアイデアが形になるたびに笑顔がこぼれていた。
抽象的なテーマであっても、児童は自分の経験をもとに意味を見いだし、他者と協働しながら愛の表現に挑戦していたことが印象的だった。大学生との関わりを通じて想像力が引き出され、アートルームは共生の場となった。最初の緊張はすっかり消え、教室には認め合うまなざしと、愛を測ろうとする温かな空気に満ちていた。
抽象的なテーマであっても、児童は自分の経験をもとに意味を見いだし、他者と協働しながら愛の表現に挑戦していたことが印象的だった。大学生との関わりを通じて想像力が引き出され、アートルームは共生の場となった。最初の緊張はすっかり消え、教室には認め合うまなざしと、愛を測ろうとする温かな空気に満ちていた。
全員が多様な思考を巡らせながら、愛の力をテーマにした測定器を製作した後、実際の測量が始まった。児童は、自分の目で角度を測り、自分の歩幅を基準に測定器を用いることに悪戦苦闘したが、自らの力で全員見事にやり遂げた。しかし、同じ測定器で同じ測り方をしても、なぜか自分の出した測定値と他のメンバーの測定値との間にズレが生じてしまう...それはなぜだろうと考えることも、このイベントを開催する狙いの一つであり、各々が真剣に取り組んでいた。
「どうしてこのような結果になったのだろう。皆が同じ手順で進めていたのにどうしてそれぞれで違う建物の大きさになってしまったのだろう。」と、児童は不思議に思いながらも結果に向き合っていた。今回はテーマを設けてイベントを実施したこともあり、測定器を作って数値を出すという作業の中の思考にとどまらず、共生の愛とは何なのか、私たちの共生の愛の力でジュリエットを助けることができたのかなど、幅広い視野でイベントに取り組んでいた姿が大変印象的だった。
「どうしてこのような結果になったのだろう。皆が同じ手順で進めていたのにどうしてそれぞれで違う建物の大きさになってしまったのだろう。」と、児童は不思議に思いながらも結果に向き合っていた。今回はテーマを設けてイベントを実施したこともあり、測定器を作って数値を出すという作業の中の思考にとどまらず、共生の愛とは何なのか、私たちの共生の愛の力でジュリエットを助けることができたのかなど、幅広い視野でイベントに取り組んでいた姿が大変印象的だった。
■参加した初等部生からのコメント
〇田辺心椛さん(初等部4年)
初めて出会った大学生のみなさんばかりでしたが、やさしく教えてくれて、一緒に取り組んでいるうちに仲良くなれてとても嬉しかったです。計測中に部品が取れちゃったりしたけど、お気に入りのハート型の計測器ができました。
〇綛田美空さん(初等部5年)
大学生と一緒に工作ができて楽しかったです。工作のために、飾り用の材料をたくさん用意してくださって、選ぶところから楽しかったです。ジュリエットを救うためいろいろ計測しましたが、うまくいくか心配でした。最後、みんなの数値が違いましたが、なんとか上手くいって良かったです。またコラボしたいです!
■参加した大学生からのコメント
〇山谷真名帆さん(地球社会共生学部3年)
このたびのコラボ企画を通して、私たち大学生同士の共生にとどまらず、大学生と小学生、さらには小学生同士の共生を新たに創造することができました。共生の大切さや尊さを改めて実感する貴重な機会となりました。また、今回のイベントで学んだ「共生」は、非認知能力の発達にも深く関わっていると感じました。小学生が協力し合って作品を完成させる姿や、結果に対して「なぜ?」と考えを深める姿勢が大変印象に残っています。そうした小学生の姿から、私自身も多くの学びを得ることができました。
〇岡野優花さん(地球社会共生学部3年)
〇岡野優花さん(地球社会共生学部3年)
本イベントにおいて、どのような結果になるかは児童次第。私たちは必要最低限の説明を行っただけで、具体的な指示は一切与えていません。イベントの準備段階では、このような数字や分析を扱う内容に、児童が関心を持ってくれるのか不安もありました。しかし、当日のワークショップで児童が見せてくれたのは、やる気や学ぼうとする姿勢。予想以上の反応に私たちは驚かされつつ、その熱心な姿に正面から応えたいと強く感じる瞬間でした。
〇大林慈さん(地球社会共生学部4年)
〇大林慈さん(地球社会共生学部4年)
イベント準備の段階において「測定器を作らなければならない」と、児童に納得させるようなストーリー作りに最も試行錯誤しました。私たち地球社会共生学部生が伝えたいこととは何かを考え、ロミオとジュリエットをモチーフに「共生」をキーワードとした企画を作り上げたことで、児童にワクワク感を抱いてもらいながらイベントを無事成功させることができたと感じています。一人一人が創意工夫を凝らしながら測定器を作る際の真剣な眼差しを見て、非認知能力の一つにある「何かに熱中する力」を肌で感じました。かけがえのない非認知能力を精一杯発揮しながら、参加者の皆さんが未来に羽ばたいていってくださることを応援しています。
■飯倉穂高教諭(初等部美術クラブ 顧問)からのコメント
美術クラブ児童とのコラボということで、少しアートに寄せていただけたらとリクエストしたところ、大学生の皆さんからたくさんのアイデアとご配慮をいただきました。その結果、大変ユニークなオリジナル計測器(使いやすいかは別として!)が完成し、どの工作も楽しんで取り組めていたことが伝わってきました。このワークショップ開催に向けて時間をかけ、ご準備してくださった林先生とゼミ生の皆さんに心から感謝申し上げます。大学生の皆さんは、あえて細かい指示は与えず、児童に寄り添いながら自分で考える時間を大切にし、このミッションを成功させるべく、終始根気よく導いてくださいました。またこのような機会がありましたら、ぜひお願いしたいです。ありがとうございました。
■林拓也教授(地球社会共生学部)からのコメント
地球社会共生学部の学生は、国籍・年齢・性別などさまざまな立場の違いを越えて協働し、問題を解決する力(=共生マインド)を培うため、実践的な英語学習や東南アジアへの留学などに取り組んでいます。今回のイベントでは、小学生にロミオ、ジュリエット、あるいは魔女の視点になって「共生」や「愛」について考えていただきました。そしてその考えを、測定器を用いて可視化するという体験を通して、立場の違いを乗り越えて協働する「共生マインド」を育むことを目指しました。このイベントを通じて、少しでもボーダーレスに協働する「共生マインド」が身に付いていれば嬉しいです。これからも皆さんの豊かな創造力とその共生マインドが、社会で大いに生かされることを心から応援しています。
【取材に関する問い合わせ先】
青山学院大学 政策・企画部 大学広報課
TEL: 03-3409-8159
URL: https://www.aoyama.ac.jp/companies/interview.html
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大学・学校情報 |
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大学・学校名 青山学院大学 |
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URL https://www.aoyama.ac.jp/ |
住所 〒150-8366 東京都渋谷区渋谷4-4-25 |
学長(学校長) 稲積 宏誠 |