京都外国語大学

京都外国語大学がWEBダイアリーとソーシャルネットワークサービスを活用し、“学び”と“実践”を有機的に統合した「日本語教員養成プログラム」を展開

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京都外国語大学では2008年度より、WEBダイアリーとソーシャルネットワークサービス(SNS)を活用した「日本語教員養成プログラム」を展開している。これは、「協働と内省により得た知見を再構築する能力」を備えた日本語教師の育成を狙いとしたもので、学生は日々の意識の変化や自己反省などをWEBダイアリーに記録。ネット上に共有することで、教員からタイムリーな指導を受けられるほか、学生間での意見交換や情報共有も可能となっている。

 京都外国語大学では2008年度より、「協働と内省により得た知見を再構築する能力」を備えた日本語教師の育成を目指した「日本語教員養成プログラム」を展開している。
 
 このプログラムは、当初SNSありきで計画されたものではなく、ネット上における代表的な機能の一つであるブログを教育の中に取り入れる方法を検討した結果、WEBダイアリーを活用することとなった。WEBダイアリーではオリジナルシートを作成することで、授業での学びや授業見学などによるインプットと、実習授業や支援活動などのアウトプットを順序だてて整理し、有機的に統合することができる仕組みとなっている。
 
 この仕組みを支援する有効な手法として、WEB上にグループウェアを統合した、リアルタイムでの情報交換が常時可能なコミュニティ(SNS)を構築。学生はそれぞれの実践活動を行った後にダイアリーを書くことで、その日の活動内容を内省するとともに、自己評価を行っていく。
 ダイアリーを各コミュニティの構成メンバーとWEB上で共有することにより、教員からのタイムリーな直接指導を受けられるほか、学生間の対話も促進することができ、独自の支援ネットワークを創出している。
 さらに、「自己点検シート」や「授業力診断テスト」を活用することで、学生自身が問題点や課題を洗い出し、自ら解決することが可能となっている。また、ダイアリーに記録された学生の成長過程をポートフォリオ化し、研究成果としてデータベースに蓄積するシステムも構築している。
 
 コミュニティは階層化されており、上位の階層には日本語教育に関する情報の発信や教材・素材の情報共有を行う「日本語教員養成コミュニティ」を設置した(平成22年6月現在で734名が登録)。下位の階層には、「海外教壇実習」「国内教壇実習」「日本語教育支援」の3つの活動コミュニティを設置している。さまざまな学習者や地域での日本語教育実践にも対応するため、学生が作成した教材等とともに、テキスト「みんなの日本語 中級」に対応した絵カードや写真教材を作成。「日本語教員養成コミュニティ」にアップロードし、教育現場で利用できるようにしている。
 
 同大学では、これらを活用することによって、学生の「学び」と「実践」の教育効果を高め、多文化共生時代に対応できる「協働と内省により得た知見を再構築する能力」を備えた日本語教師の育成につながると考えている。なお、この取組は、平成20年度文部科学省「質の高い大学教育推進プログラム(教育GP)」に選定されている。
 
▼本件に関する問い合わせ先
 京都外国語大学 教務部
 〒615-8558 京都市右京区西院笠目町6
 TEL: 075-322-6032
 FAX: 075-322-6247

1370 多文化共生時代の協働による日本語教員養成