大東文化大学

地域社会も大学も、もっと元気に!──大東文化大学の地域連携プロジェクト「みらいネット高島平」(1/2)

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少子高齢化の進む高島平団地と地元の大東文化大学とが対等の立場で協力する、ユニークな地域連携プロジェクト「みらいネット高島平」(平成19年度 文部科学省「現代GP」採択事業)が注目を集めている。多世代がともに暮らし、多文化が共生する「学びのまちの創造」というビジョンを掲げ、環境創造学部を中心とした教職員、学生、地元市民有志からなる同プロジェクトは、2004年発足以来、今日まで休むことなく活動を続けている。

 高島平団地(東京都板橋区)は1972年の入居開始以来、全国でも最大規模の高層団地群として発展。最盛時には3万人程の居住者を誇ったが、近年では急速な少子化・高齢化が進んでいる。
 その高島平団地から徒歩5分の距離にキャンパスを構えるのが大東文化大学だ。2001年には、わが国初の社会科学系環境学部である「環境創造学部」を開設。発足当初から「持続可能な都市再生の課題探求とその担い手の養成」を目標に、数々の地域貢献に取り組んできた。その集大成とも言えるのが、2004年にスタートした「みらいネット高島平」(旧称:高島平再生プロジェクト)である。

■地域住民×学生×教職員の三者一体でスタートした
 地域活性化プロジェクト「みらいネット高島平」

 本プロジェクトの発想の原点は、「多様な世代の共生が求められる」大規模団地と、「入学生の質的・量的確保」の必要性に直面する大学という切実なニーズを「学生による団地住戸活用」という視点で結びつけることで、大学と地域の連携による地域活性化の新機軸を開拓するという点にある。
 このため、「みらいネット高島平」には大東文化大学の学生、教職員に加え、高島平地域の人々が参加。地域住民×学生×教職員による月に一度の「三者協議会」において意見交換を重ねながら、相互に協力し合い活動を進めている。活動の責任主体は大東文化大学環境創造学部である。

 そして、このプロジェクトの大きな柱となっているのが「多世代共住・多文化共生」事業(高島平団地学生入居プロジェクト)だ。
 これは、団地の一定住戸を大学が一括借り上げし、国内外の学生に1人部屋やルームシェアリング形式で貸し付けるというもの。学生を組織的に高島平団地に入居させることにより、実質的な若返りが期待されている。
 2008年2月から始まり、当初は学生10名の入居からスタート。現在は27名の学生が高島平団地に住んでいる。

 東京という土地柄、物価や地価が高く、不況が続く中、留学生や地方から下宿して大学へ通う学生には家賃負担が大きいのが現状だ。とりわけ留学生にとっては、住居を探す際、保証人を探すのに苦労したり、留学生ということで大家さんから断られたりするケースも少なくないという。こうした点で、大学が保証人であること、家賃補助があること、大学から近く学習環境が整っていることは、学生にとっても大きなメリットとなっている。

■ボランティアの義務づけにより
 大学の新たなCSRの試みとしても注目

 さらに、同プロジェクトの特徴として、大学が学生に家賃補助を講じる代わりに、学生は一定時間コミュニティボランティアに携わることや、自治会に加入することなどを義務づけていることが挙げられる。入居する学生を選抜する際には、その意思を確認している。

 学生寮を新たに整備し維持することは、大学にとっても大きな負担となるため、キャンパス近くの団地に学生の居室を手安く確保できるメリットは大きい。加えて、コミュニティカフェを主な拠点として展開している学生のコミュニティボランティア(次号=明日配信=ご参照)によって、地域貢献を果たすこともでき、大学のCSRとしても大きな意義があると言える。


(次号では、同プロジェクトによる「コミュニティ活性化」の成果についてご紹介します)


▼本件に関する問い合わせ先
 大東文化大学 環境創造学部事務室
 TEL: 03-5399-7356 (担当:井上)
 〒175-8571 東京都板橋区高島平1-9-1

1718 高島平団地

1719 三者協議会の様子

1720 ・コミュニティカフェにて、学生が主催する書道教室 書道学専攻の大学院生 池田くん