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立教大学の歴史的シンボル、池袋キャンパス本館の耐震補強・改修工事を実施――レンガ造りの建物をバリアフリー・マルチメディア化

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立教大学(吉岡知哉 総長/東京都豊島区西池袋3-34-1)では2011年6月6日(月)より、1918年(大正7年)に建設された同大の歴史的シンボルである池袋キャンパス本館(1号館/モリス館=写真参照)の耐震補強・改修工事に着工した。

 立教大学池袋キャンパス本館は、レンガ造地下1階地上2階建ての建物で、延床面積は 1,857.44平方メートル。1999年(平成11年)、東京都選定歴史的建造物に指定されている。今回の工事により、予想される最大規模地震動(関東大震災程度)にも耐えられる耐震強度とする。外観は極力変えず、自動ドアやスロープ、建物内にはエレベーターや多目的トイレを設置しバリアフリー化を図るとともに、教室・演習室にはAV機器やLAN設備を整備することでマルチメディア化を実現する。なお、工事の終了は2012年3月末を予定している。

【工事期間】
2011年6月6日(月)~2012年3月末

【工事概要】
 今回の工事では、鉄骨ブレースによる耐震補強を行い、他の建物と同様の耐震強度※を目標とする。
改修後の用途は、改修前と同様1階・2階とも教室および演習室とする。全教室は内装を一新した上で、AV機器やLAN設備を整備し、マルチメディア対応を図る。 
 南側東西の出入口にはスロープ、自動ドアおよび庇(ひさし)を設置し、建物中央部のアーチから南側東西出入口へと続くアプローチも新設。窓ガラスの二重サッシも改善する。また、建物内にはエレベーターや多目的トイレを設置することにより、バリアフリー化を目指す。外観は極力変えず、レンガとツタはいずれも今の姿のまま残される。

※耐震強度は中規模の地震(震度5弱程度)に対してほぼ無災害で、予想される最大規模地震動(関東大震災程度)に対して建物全体に著しい耐力低下がなく、補修により再利用可能なレベル

【仮設計画】
 6月中旬ごろから、本館北側の前庭(西側)の外周に仮囲いを設置し、その中に現場事務所と工事用クレーンを設置する。同時に安全性確保のため、本館外周に仮囲いを設置。仮囲いは高さ2m程度とし、キャンパスの景観を配慮して、レンガや樹木などの意匠を施す予定である。

【池袋キャンパス本館(1号館/モリス館)について】
 池袋キャンパス本館は、1918年(大正7年)に建設されたレンガ造の建物です。米国の在日宣教師の中で要職を務めていた教員のアーサー・ラザフォード・モリスが、相当額の費用を寄付したことから、モリス館とも呼ばれている。 
 建設当時は地下1階地上3階の建物だったが、1923年(大正12年)に発生した関東大震災により、建物中央部のタワーが崩壊。その後、修復・改築工事が行われ、1925年(大正14年)には現在の形である地下1階地上2階の建物として修復が完了。1999年(平成11年)には、東京都選定歴史的建造物に指定された。延床面積1,857.44平方メートル。
 設計は、ニューヨークのマーフィー・アンド・ダナ建築事務所、施工は清水組(現清水建設)によってなされた。20世紀初頭にアメリカ合衆国の大学校舎建築の傾向であったチューダー様式によるデザインが採用されている。レンガの積立法は、フランス(フランドル)積みと言われる、十字形のパターンとなる美しい積み方である。この手法は手間がかかるため、日本では極めて珍しく、現在では数件程度しか見られない。
 中央時計台の時計はイギリス・デント社製で、直径90cm。動力は分銅式で、現在も6日に一度、手で巻かれている。

 立教大学では、正門から本館、図書館本館、立教学院諸聖徒礼拝堂(チャペル)、2号館、3号館、第一食堂までをシンボルゾーン(メモリアルゾーン)として、建物を利用しながら保存している。本館も建設されてから今日に至るまで教室として利用されており、改修後も引き続き教室として利用される。

▼本件に関する問い合わせ先
 立教学院企画部広報課
 〒東京都豊島区西池袋3-34-1
 TEL: 03-3985-2202

2251 池袋キャンパス本館