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東邦大学理学部が10月15日、11月5日に公開講座「東日本大震災に学ぶ」を開催

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東邦大学理学部(千葉県船橋市)では10月から11月にかけて、「東日本大震災に学ぶ」というテーマで公開講座(全3回)を開催する。これは、3月11日の東日本大震災を受け、今回の震災でどのようなことが起き、今後どう生かしていくかを共有することが重要と考え、企画されたもの。シリーズ第2回目となる10月15日(土)は、巨大地震のメカニズムと液状化対策について、第3回目の11月5日(土)は、地震予知連絡会より島崎邦彦会長(東京大学名誉教授)を招き、地震予測と地震対策について解説する。入場無料、申し込み不要。

 東邦大学理学部(船橋市三山・習志野キャンパス)では、これまでにも一般の関心が高い内容をテーマに、定期的に公開講座を開催してきた。
 今年3月11日に発生した東日本大震災は、私たちに地震とどのように向き合っていくのかという課題を改めて突きつけた。同学部生命圏環境科学科では、今回の震災でどのようなことが起き、今後どう生かしていくかを共有することが重要と考え、全3回の連続した公開講座を企画。「何が起きたのか」「なぜ起きたのか」「今後どうすればよいのか」をテーマに、それぞれ専門家による講演を開催している。

 シリーズ第1回目となる「その時 何が起きたのか」は、10月1日に開催。被災地での災害医療派遣隊(DMAT)活動と、震災の影響による海の生物や水産業への影響について、各専門家が自身の現地での体験・調査結果をもとに解説した。
 当日の参加者は一般から学生まで130名を超え、講演後の質疑応答では、関東で震災が発生した場合の医療体制や、東北地方のアサリ養殖業の復興の見通しなどについて多くの質問があり、大震災の影響に対する関心の高さがうかがえた。

※理学部生命圏環境科学科のWEBサイトで当日の様子を紹介
 http://www.env.sci.toho-u.ac.jp/information/023338.html

 第2回目となる「地震はくりかえす ―巨大地震のメカニズム―」は10月15日(土)に、第3回の「地震列島に生きる」は11月5日(土)開催。詳細は以下の通り。

◆東日本大震災に学ぶ 第2回「地震はくりかえす ―巨大地震のメカニズム―」
【日時】
 2011年10月15日(土)
 14:00~16:00(13:30開場)
【場所】
 東邦大学習志野キャンパス III号館2階205教室
【定員】
 200名
【申し込み・受講料】
 予約不要、無料
【講演内容・講師】
1.「巨大地震はなぜ起きるのか」 上原真一(東邦大学理学部生命圏環境科学科 講師)
 われわれが地震と隣り合わせに暮らしていることを、今年ほど日本人全体が実感したことはないでしょう。自然現象の「地震」を防ぐことは不可能ですが、地震による災害「震災」に備えることはできます。将来発生する地震に適切に備えるために、今回はどういう地震だったのか、そもそも地震とはどういう現象なのかということを、理解することは意義深いことです。
 3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震がどういう地震だったのか、日本で発生する一般的な地震のメカニズムを交えて解説します。

2.「地震液状化被害とその対策に向けて」 金田博彰(元東邦大学理学部生命圏環境科学科 教授、東京大学 名誉教授)
 東日本大震災においては千葉県内各地で液状化被害がみられました。地震災害の一つである液状化が注視されるようになったのは、1964年の新潟地震でした。以降、日本において地震に伴う液状化現象が頻繁に確認されています。
 液状化とは、水に飽和した砂質地層が地震動で固結砂質岩の砂粒子の結合が切られ、より締まった状態に再配置される時に、砂粒子を含んだ水が地表に噴出する現象です。その結果、地表形状変化や地盤沈下、それに地下および地上建造物の浮揚・沈下などの被害が生じるのです。
 今回の東日本大震災による液状化現象は、千葉県内外では利根川下流域や浅海域の埋立地など人工地盤域に集中しており、従来の液状化実例と併せ総括すると、短時間に湛水状態で埋め立てられた浅海や河川、湖沼、湿地帯、水田などの改変地盤が主たる被害地域であることが分かりました。このことを踏まえ、近い将来予想される大震災に向け、液状化予知マップ作成および防災対策手法の構築が急がれます。


◆東日本大震災に学ぶ 第3回「地震列島に生きる」
【日時】
 2011年11月5日(土)
 14:00~16:00(13:30開場)
【場所】
 東邦大学習志野キャンパス III号館2階205教室
 ※ 教室が変更になる場合もあります。
【定員】
 200名
【申し込み・受講料】
 予約不要、無料
【講演内容・講師】
 講師:島崎邦彦(地震予知連絡会会長、東京大学 名誉教授)
 地震学と地震防災の面から、3.11地震の予測についてお話します。
 地震学からみた正確な予測には、あと5~10年必要だと思います。
 一方、地震防災の面から言えば、既に2002年に予測はできていました。これが実用化されていれば、原発事故はなかっただろうし、災害の程度もかなり軽減できたはずだと考えられます。原発の津波想定に引きずられた国の防災体制が、岩手県中心のシフトを取ったため、多数の尊い命を失うこととなりました。
 余震、誘発地震は今後も続きます。家具の転倒防止等、身近な地震防災から始めましょう。東日本大震災後の一連の活動が収まった後には、中-西日本連発震災の恐れがあります。さらなる国難を招かぬよう、オールジャパンで備えましょう。
▼本講座に関する問い合わせ先
 東邦大学 習志野学事部 入試広報課
 (〒274-8510 千葉県船橋市三山2-2-1)
 TEL: 047-472-0666
 FAX: 047-479-5661
 E-mail: nyskou@sci.toho-u.ac.jp
 URL: http://www.sci.toho-u.ac.jp/info_list/020500.html

2562 シリーズ第1回の様子