武蔵野大学

石碑を詳細に読み解き、そこから明らかとなった武蔵野の歴史・文化を紹介する『刻された書と石の記憶』が発刊 ――武蔵野大学

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武蔵野大学(東京都西東京市/寺崎修学長)の廣瀬裕之教授はこのたび、武蔵野に建つ三基の石碑に封印された武蔵野のおもかげを解き明かした書籍『刻された書と石の記憶』を刊行した。武蔵野の文化発展の歴史の一端が、この一冊に凝縮されている。

 万葉集の時代から文学作品のモチーフとされてきた武蔵野の地は、古くから作家たちを刺激してきた美しく豊かな自然に恵まれ、また文学的な史跡も数多く、日本文学・文化を学ぶにはまさに最良の地であるといえる。
 
 国木田独歩『武蔵野』の虜となった著者(廣瀬裕之 武蔵野大学教授)が、鋭い洞察力・観察力と行動力で石碑の「書」と「刻」と「石」を詳細に読み解き、謎を解き明かしていく。国木田独歩、武者小路実篤、太宰治など多くの作家や玉川上水、井の頭公園など武蔵野ゆかりの地が登場し、武蔵野の文化発展の歴史の一端が凝縮されている。文学散歩の面だけでなく書の面からも興味を喚起する内容となっている。

【内容概要】
 全国の公園や史跡に多数存在する石碑。その背景を調べていくと、その土地の歴史に触れることができる。本書では玉川上水沿いに建つ三基の石碑をとりあげ、「書」と「刻」と「石」の三要素から碑を読み解き、石碑という塊に対する新しい見方を示している。
 取り上げた三基のうち二基は国木田独歩の詩碑と文学碑で、著者の独歩と「武蔵野」への思いがうかがわれる。残る一基は、太宰治の小説にも登場する「松本訓導殉難事件」の碑である。この大型の碑では、中国由来の伝統的な石碑の様式・形式の説明も詳しく、全国の観光地等に建つ大型石碑を見る際の参考になる。豊富な写真や図版が理解を助け、書道に縁の薄い読者にも興味深い。

【書籍概要】
[書名]:『刻された書と石の記憶』
[著者]:廣瀬 裕之(武蔵野大学教授、全国大学書写書道教育学会常任理事)
[発行]:武蔵野大学出版会
[判型]:A5判並製 224頁
[ISBN]:978-4-903281-20-9 C1076
[定価]:2,100円(税込)

▼本件に関する問い合わせ先
 武蔵野大学 企画部 企画・広報課
 TEL: 042-468-3142
 FAX: 042-468-3322
 E-mail: kouhou@musashino-u.ac.jp

2891 『刻された書と石の記憶』表紙