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放射能から人と環境を守る――学習院大学が福島支援・研究プロジェクトを展開

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学習院大学化学科・村松康行研究室では、2011年3月11日の震災直後より福島県に協力し、福島支援・研究プロジェクト「放射能から人と環境を守る」を展開。放射性物質の環境中での分布や農産物への移行に関する調査・研究を行っている。同プロジェクトでは、それらを通じて福島の環境を守り、人々が安全に生活できることに貢献したいと考えている。

 学習院大学理学部化学科の村松康行教授は以前、放射線医学総合研究所や国際原子力機関(IAEA)に勤務した経験があり、放射性物質の分析や環境・生態系における移行についての研究を行ってきた。そのような経緯で2011年3月の原子力事故直後に福島県よりアドバイザーの委嘱を受けた。

 同学科では、震災以前から放射化学やその利用に関する研究を行ってきた。木越邦彦名誉教授は放射性炭素やウラン・トリウムを用いた研究で世界的に高く評価されており、長沢宏名誉教授は放射化分析法を用いた地球・宇宙化学研究で知られている。そのような基礎もあり、事故後は分析や研究体制を素早く整えることができた。

 なお、現地での研究は、福島県農業総合センター、福島県林業研究センター、福島大学と協力して行っている。また、東北大学や東京大学などの研究者とも連携して研究を進めている。

◆学校法人学習院、学習院大学、学習院大学理学部、桜友会プロジェクト(平成23~25年度)
【メンバー】
 村松康行教授、大野剛助教、大学院生、大学4年生
【実施している調査・研究】
 ●農産物(米、野菜、果樹、お茶など)への放射性物質の移行メカニズムの解明
 ●環境における放射性物質の分布(土壌、森林、など)
 ●放射性セシウムの農作物への移行の低減化対策
 ●ヨウ素129を用いたヨウ素131の降下量推定
 ●警戒区域内の調査(放射能の分布調査、果樹園や森の調査、のら牛の調査)    
【研究以外の活動】
 ●サーベイメータを福島に送る募金活動(OBを中心に協力を得て合計36台を5月に寄贈)
 ●講演会(福島県や東京都など公的機関が主催する講演会を中心に多数行う)
 ●文科省の汚染マップの作成に関する委員会の委員
 ●学内の放射線量測定(大学、女子大学、中・高等科、女子中高等科、初等科、幼稚園の校庭等)
 ●取材(NHKスペシャル、サイエンスゼロ、テレビやラジオのニュース、新聞など多数)

※参考資料
 ・村松教授プロフィール:
   http://www-cc.gakushuin.ac.jp/~19881147/HP-Muramatsu/ymJ.html
 ・村松研究室HP:
   http://www-cc.gakushuin.ac.jp/~19881147/HP-Yasuyuki/Top2.html
 ・学習院大学Webマガジン「Saku Life」村松教授インタビューページへ
   http://sakulife.com/interview_t/vol1.html

▼本件に関する問い合わせ先
 学校法人学習院 総合企画部 青崎・近藤
 TEL: 03-3986-0221
 FAX: 03-5992-9238