佛教大学

佛教大学が「京洛三十六家 山水花鳥人物図 貼交屏風」公開に関する記者会見を開催

大学ニュース  /  その他

  • ★Facebook
  • ★Twitter
  • ★Google+
  • ★Hatena::Bookmark

佛教大学では所蔵物に関する調査・修理等の事業を進めており、近世京都における絵画資料としても貴重な作品である、江戸末期の円山派・四条派・狩野派などの京都を代表する36名の絵師による画が貼られた屏風「京洛三十六家山水花鳥人物図貼交屏風」(六曲一双)が確認された。これに伴い、2月20日(月)に記者会見を開催し、屏風の公開、説明を行う。

 佛教大学では、所蔵している物品について調査・修理等の事業を進めている。
 今回、この調査・修理等を進める過程において、研究目的に購入した前川五郎左衛門家に伝わる文書資料「前川家文書」の中に、調度品として屏風が三双あることが記されており、現物を確認できたことから、屏風についての調査・確認作業を進めてきた。

 その結果、この屏風のうち「京洛三十六家山水花鳥人物図貼交屏風」(六曲一双)は、江戸末期の円山派・四条派・狩野派などの京都を代表する36名の絵師による画が貼られた屏風であり、近世京都における絵画資料としても貴重な作品であることが確認された。

 ついては、2月20日に記者会見を開催し、屏風の公開、説明を行う。

【記者会見概要】
■日 時: 平成24年2月20日(月)
       午後2時~午後3時(予定)

■場 所: 佛教大学図書館 1F会議室

■発表者:
・京都国立博物館 学芸部(近世絵画)連携協力室長 山下 善也(やました ぜんや)
・佛教大学 図書館長 谷口 浩司(たにぐち ひろし)
・佛教大学 歴史学部長 渡邊 忠司(わたなべ ただし)


【「京洛三十六家 山水花鳥人物図 貼交屏風」概要】
■品質: 絹本着色の画36枚を、銀地屏風に貼交
■法量: 総寸: 縦逸171.0  横377.2
■時代: 江戸時代 文化13年(1816)年頃
■所蔵: 佛教大学附属図書館
■備考: 京都六角通本能寺町 前川五郎左衛門家 伝来
右隻から四季の順に景物、祭などを描く。絵師は円山・四条派を中心とした36名で、そのうち吉村孝敬「鴨図」に「丙子初春写」の款記があり、文化13年(1816)正月のことと確認できる。文化13年には36名全員が存命している。


【前川家】
 前川家はその出自を近江国浅井郡川道東村とする。延享3年(1746)義虎の代に京都へ奉公に出て、その養子武惟、その養子義秀(いずれも庄兵衛を名乗る)と代々、六角通油小路下ル本能寺町で両替商恵比須屋を営んできた。

 文政10年(1827)12月、義秀の養子義陳(五郎左衛門)の時、両替商をやめて、新町御池下ルにあった御用米会所の貸付方となり、文政12年(1829)3月に貸付方を恵比須屋庄兵衛宅に移すことによって、京都の金融界での地位を確立していった。文政13年(12月に改元して天保元年)6月には京都町奉行所から前川の名字を名乗ることが許されている。

 さらに義陳は葛野郡壬生村郷士八木家から「郷士」株を買い「郷士前川家」を新たに興した。この壬生の八木家、前川家は文久3年(1863)3月のちに新選組を結成する芹沢鴨、近藤勇らが宿舎としたことでも有名である。