東邦大学

東邦大学が3月19日・20日に、米国海洋生物研究者と合同調査を実施――震災がれきとともに太平洋を渡る海洋生物について

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東邦大学は3月19日(火)・20日(水・祝)の2日間、米国の海洋生物研究者グループを招き、日米合同の生物調査を実施する。これは、東日本大震災によって米国に流出し、外来種として定着する可能性のある日本の生物を明らかにすることを目的に行うもの。調査は昨年6月、震災がれきとして米国オレゴン州の海岸に漂着した浮桟橋に日本の生物が確認されたことから、がれきの流出元である青森県三沢市三沢漁港にて実施。東邦大学からは風呂田利夫教授(理学部生命圏環境科学科)と多留聖典訪問研究員(理学部東京湾生態系研究センター)が参加する。

 近年、さまざまな地域から日本にやってくる外来種が問題になっている。一方で、米国の海岸域では、アサリやイソガニなどといった日本で馴染みのあるベントス(底生生物:カニや貝など水底に潜む生物)が外来種として定着している。地域によっては、ベントスがほとんど外来種に置き換わってしまったり、漁業対象種を食い荒らしたりするなど被害は深刻で、現地では新たな侵入を非常に警戒している。

 こうした中、2012年6月に米国オレゴン州の海岸に貨物車ほどもある巨大な浮桟橋が漂着。これは、東日本大震災(東北地方太平洋沖地震に伴う津波)によって青森県の三沢漁港から流出したもので、表面には多数の生物が付着していた。
 同州では外来種の侵入・定着を防ぐため、直ちに付着した生物の焼却処分を行うとともに、どんな生物が付着していたかを、現地の研究者ジョン・チャップマン博士(オレゴン州立大学ハットフィールド海洋科学センター)のグループが詳細に調査。その結果、カニやヒトデ、海藻など約100種もの生物が確認された。

 これまで米国西海岸には大量の震災がれきが漂着しており、今後もさらに増えると考えられる。このことは付着した生物も一緒に流れ着くことを意味しており、現地の生態系に深刻な影響を与える可能性が指摘されている。

 今回の調査では、流出元である三沢漁港において同様の浮桟橋に付着する生物の種組成を調査し、漂着した浮桟橋の種組成と比較することで、今後も震災がれきと一緒に漂着する可能性のある生物を明らかにする。

 日本からは風呂田教授を始め、国内の海洋生物および各分類群の研究者5名が、米国からはジョン博士を含む3名が参加。その他にも種組成の解析において、国内のさまざまな研究者が携わる予定である。詳細は以下の通り。

◆日米海洋生物研究者 合同調査
『震災がれきとともに太平洋を渡る海洋生物調査』
【日時】
 2013年3月19日(火)~20日(水・祝)

【場所】
 三沢漁港(青森県三沢市大字三沢字浜通)

▼本件についての問い合わせ先
 東邦大学 経営企画部 広報担当/理学部 東京湾生態系研究センター 森上 需
 〒274-8510 千葉県船橋市三山2-2-1
 E-mail:  press@toho-u.ac.jp
 TEL/FAX: 047-494-8571