金沢大学

新たにアフリカ地域からも留学生を受け入れ 既存コースを拡大・発展し、世界の「エコ・エンジニア」育成に貢献――金沢大学

大学ニュース  /  教育カリキュラム  /  国際交流  /  大学院  /  その他

  • ★Facebook
  • ★Twitter
  • ★Google+
  • ★Hatena::Bookmark

金沢大学(石川県金沢市)大学院自然科学研究科の「日中韓環境・エコ技術特別コース」は、日中韓の国境を越えて、持続可能な社会発展を支える環境技術についての知識・技能を有する環境技術者「エコ・エンジニア」を養成することを目的としている。このたび、学生の募集対象をアジア・アフリカ全域に広げ、コースの特色等を拡充した「環境技術国際コース」を開設。これまで蓄積してきた知的基盤をさらに充実させ、母国でリーダーとして現場で活躍できる環境技術者を育成・輩出する。

 10月1日には「アフリカの若者のための産業人材育成イニシアティブ(ABEイニシアティブ※)「修士課程」プログラム」を利用したタンザニアからの留学生が入学。今後経済発展が見込まれるアジア新興国・アフリカからも学生を受け入れることで、持続可能な社会発展を支える世界規模の環境技術者育成に貢献していく。

※ABEイニシアティブ
 「アフリカの若者ための産業人材育成イニシアティブ」(ABEイニシアティブ:African Business Education <ABE> Initiative)は、2013年6月に開催された第5回アフリカ開発会議(TICAD V)において、官民一体となってアフリカにおける強固で持続可能な経済成長を支援するため、安倍晋三首相が表明した支援事業のこと。5年間で1,000名のアフリカの若者に、日本の大学院などでの教育と日本企業でのインターンシップの機会を提供する。
●独立行政法人 国際協力機構
 http://www.jica.go.jp/regions/africa/internship.html

■コースの特色
1. 地域性を活かした合宿型集中演習
●能登をフィールドとした産官学の連携による地域演習により、人と技術の関わりを直接的に学ぶ
 ・技術の活用とそれが社会に与えるインパクト等を学ぶことを通じた俯瞰的視野の育成
 ・産官学連携演習による課題発掘・問題解決能力の育成
 ・合宿型演習によるコミュニケーション能力の育成
2. 海外大学や企業と協働した研修
●「日中韓 環境・エコ技術特別コース」等で構築したコラボラティブ・プロフェッサー制度(現地大学協力教員等)や企業コンソーシアムの活用
 ・環境技術海外研修: コミュニケーション能力や課題発掘能力の育成
 ・環境技術企業研修(企業インターンシップ): 最新技術と実際の技術開発現場についての知識・経験、課題解決能力の育成

■養成する能力
1. 環境工学に関する高度な知識と技術
2. 他国の技術者との連携および地域住民などの技術の利用者の文化的背景を理解する高度なコミュニケーション能力
3. 国境を越えて生じる環境問題に対して、それぞれの地域社会に遭った技術・プロセスを提案するリーダーシップ

■コースのカリキュラムの特色
1. 国籍混成学生チームによる活動
 ・多国籍の学生が研究活動を通じて、互いに切磋琢磨するとともに、多国間で連携協力して取り組むことの意義を学ぶ
2. 海外研修による課題発掘能力の育成
 ・多国籍の学生による混成チームで、海外研修を行い、自らの見聞に基づいて相互の環境問題を理解し、環境技術についての課題を発掘する能力を育てる
3. 長期インターンシップによる課題解決能力の育成
 ・日本国内企業等において長期インターンシップを行い、実践的な課題解決能力を育てる
4. 環境工学の専門知識とコミュニケーション能力の育成
 ・エコ・エンジニアとしての専門知識とコミュニケーション能力を育てるとともに、理工学的視点だけではなく、社会科学や医薬学的視点からも俯瞰できる力を養成する
5. 技術の応用能力の育成
 ・様々な技術と文化・生活様式の違いを俯瞰的に捉え,その「場・地域」に適切に対応できる能力の育成
6. 英語によるカリキュラムの実施

■コース終了後の留学生のフォローアップ体制
1. 卒業生・修了生ネットワーク強化
●同窓会海外支部を利用した修了生同窓会ネットワークを強化
●国ごとに卒業生・修了生同窓会の定期開催
●現地で就職した修了生によるフィードバック
 ・現地での修了生のニーズを調査
 ・修了生からの意見をもとにプログラム改良
2. 大学と企業群の連携強化
●「日中韓 環境・エコ技術特別コース」等で形成した企業コンソーシアムを活用
●企業に就職した修了生との関係を継続
 ・企業コンソーシアムとの協働
 ・現地企業の情報収集
3.  コラボラティブ・プロフェッサーの機能強化
●「日中韓 環境・エコ技術特別コース」を通じて既に機能している仕組みを活用
 ・留学生のフォローや現地での就職支援
 (1)就職セミナー講師として招請
 (2)環境技術海外研修の支援者として協力依頼
 ・金沢大学への留学生の派遣/金沢大学からの日本人留学生の受け入れ 
  (将来的には例えばダブル・ディグリー制度等への発展を目指す)

▼本件に関する問い合わせ先
 金沢大学理工系事務部学生課教務係
 TEL: 076-234-6831
 FAX: 076-234-6844
 E-mail:  eticku@adm.kanazawa-u.ac.jp