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東京工科大学(東京都八王子市、学長:大山恭弘)応用生物学部の中西昭仁助教、同コンピュータサイエンス学部の福西広晃講師らの研究チーム(注1)は、AIを用いて微生物混合液中の各細胞密度を簡便に評価する方法を開発しその原理を解明しました。再生可能なバイオプラスチックや食品の発酵生産などへの応用が期待されます。
本研究成果は、専門分野を融合し研究を発展させる学内支援による共同チームプロジェクト「緑藻含有微生物叢によるバイオプラスチックスの創製を狙ったAI解析に基づくシームレス生産系の開発」の一環で、査読付き科学誌「BioTech」オンライン版(2022年10月12日)に掲載されました。
東京工科大学(東京都八王子市、学長:大山恭弘)応用生物学部の中西昭仁助教、同コンピュータサイエンス学部の福西広晃講師らの研究チーム(注1)は、AIを用いて微生物混合液中の各細胞密度を簡便に評価する方法を開発しその原理を解明しました。再生可能なバイオプラスチックや食品の発酵生産などへの応用が期待されます。
本研究成果は、専門分野を融合し研究を発展させる学内支援による共同チームプロジェクト「緑藻含有微生物叢によるバイオプラスチックスの創製を狙ったAI解析に基づくシームレス生産系の開発」の一環で、査読付き科学誌「BioTech」オンライン版(2022年10月12日)に掲載されました。
【研究背景】
持続可能な社会を実現するため、近年では二酸化炭素(CO2)を炭素源としたバイオマスによる循環が強く求められています。この循環には光合成微生物が資化に大きく寄与しています。光合成微生物が生産する低分子の中間代謝産物を、有用物質を生産する従属栄養微生物と共有できれば、連続的にCO2由来の炭素源が活用できると考えられ、その仕組み作りが求められています。しかし複雑な代謝反応が起こる共培養系において、得られる複数のオミクス情報(注2)の統合的な解析は人的な処理能力では困難です。そこで本研究では、これらの関係性を評価するメタ解析にAI技術を用いることとしました。本研究グループでは、緑藻を光合成微生物とし、得られる中間代謝産物を従属栄養微生物によって変換し、最終的なターゲット物質として生分解性をもつポリヒドロキシアルカン酸 (PHA) の生産系の構築、およびAI解析によるその生産効率の向上を目的としています。
【研究内容】
本研究では、微生物共培養系の物質生産において大きな影響を与える細胞密度に着目し、これをAIを用いて迅速に評価するシステムの構築を図りました。具体的には微生物混合液から得られる吸光スペクトルデータをAIで解析することで、それらのデータを網羅的に理解し、条件に応じて細胞密度を予測するシステムの開拓を目指しました。緑藻と従属栄養微生物の混合液について、吸光スペクトルの各波長を特徴量としてそれぞれの細胞密度をAIによって予測する方法を提案し、緑藻中のクロロフィルに特有の吸収帯の吸光度の情報に基づき、同方法の構築および原理を解明しました(図1)。
【社会的・学術的なポイント】
本手法は、微生物混合液から得る情報が単純な吸光スペクトルのみであり、緑藻と従属栄養微生物で構成された混合液の細胞密度の簡便な評価方法として、産業に応用できる可能性を示したもの と言えます。また、AIで細胞密度の評価法を解析し、吸光スペクトルから細胞密度をどのように予測したのかを明らかにした点は学術的にも注目されます。将来的には、微生物叢から得られるトランスクリプトミクスやメタボロミクスのデータソースをAIに機械学習させ、メタオミクス解析の実施や物質生産に係る代謝フローの理解を目指します。
[図1] AI技術を用いた微生物混液の吸光スペクトル解析による細胞密度の予測方法のコンセプト
本研究成果は、専門分野を融合し研究を発展させる学内支援による共同チームプロジェクト「緑藻含有微生物叢によるバイオプラスチックスの創製を狙ったAI解析に基づくシームレス生産系の開発」の一環で、査読付き科学誌「BioTech」オンライン版(2022年10月12日)に掲載されました。
【研究背景】
持続可能な社会を実現するため、近年では二酸化炭素(CO2)を炭素源としたバイオマスによる循環が強く求められています。この循環には光合成微生物が資化に大きく寄与しています。光合成微生物が生産する低分子の中間代謝産物を、有用物質を生産する従属栄養微生物と共有できれば、連続的にCO2由来の炭素源が活用できると考えられ、その仕組み作りが求められています。しかし複雑な代謝反応が起こる共培養系において、得られる複数のオミクス情報(注2)の統合的な解析は人的な処理能力では困難です。そこで本研究では、これらの関係性を評価するメタ解析にAI技術を用いることとしました。本研究グループでは、緑藻を光合成微生物とし、得られる中間代謝産物を従属栄養微生物によって変換し、最終的なターゲット物質として生分解性をもつポリヒドロキシアルカン酸 (PHA) の生産系の構築、およびAI解析によるその生産効率の向上を目的としています。
【研究内容】
本研究では、微生物共培養系の物質生産において大きな影響を与える細胞密度に着目し、これをAIを用いて迅速に評価するシステムの構築を図りました。具体的には微生物混合液から得られる吸光スペクトルデータをAIで解析することで、それらのデータを網羅的に理解し、条件に応じて細胞密度を予測するシステムの開拓を目指しました。緑藻と従属栄養微生物の混合液について、吸光スペクトルの各波長を特徴量としてそれぞれの細胞密度をAIによって予測する方法を提案し、緑藻中のクロロフィルに特有の吸収帯の吸光度の情報に基づき、同方法の構築および原理を解明しました(図1)。
【社会的・学術的なポイント】
本手法は、微生物混合液から得る情報が単純な吸光スペクトルのみであり、緑藻と従属栄養微生物で構成された混合液の細胞密度の簡便な評価方法として、産業に応用できる可能性を示したもの と言えます。また、AIで細胞密度の評価法を解析し、吸光スペクトルから細胞密度をどのように予測したのかを明らかにした点は学術的にも注目されます。将来的には、微生物叢から得られるトランスクリプトミクスやメタボロミクスのデータソースをAIに機械学習させ、メタオミクス解析の実施や物質生産に係る代謝フローの理解を目指します。
[図1] AI技術を用いた微生物混液の吸光スペクトル解析による細胞密度の予測方法のコンセプト
(注1) 応用生物学部・中西 昭仁助教、コンピュータサイエンス学部・福西広晃講師、工学部・入谷康平助教、応用生物学部・後藤早希助手、応用生物学部・中村知世助手
(注2) オミクス情報:ここでは、遺伝子転写量(トランスクリプトミクス)や代謝物プール量または代謝フラックス(メタボロミクス)、細胞間の相互作用(インタラクトミクス)など、培養において網羅的に得られる動的な情報を意味します。
【論文情報】
論文名: Development of a Prediction Method of Cell Density in Autotrophic/Heterotrophic Microorganism Mixtures by Machine Learning Using Absorbance Spectrum Data
著者名: Nakanishi A*1,*2, Fukunishi H*1, Matsumoto R, Eguchi F (*1: co-first author, *2: corresponding author)
URL: https://doi.org/10.3390/biotech11040046
■東京工科大学 応用生物学部 中西昭仁(生命機能応用)研究室
微生物の新規利用法の開発をテーマに研究を進めています。
[主な研究テーマ]
1.緑藻細胞を素材に用いた新規プラスチックスの開発
2.タンパク質の選択的提示のための新規炭素材の利用方法の開発
3.食品や化粧品素材をはじめとした有用物質生産のための微生物細胞内代謝フローの評価と改変
4.緑藻の炭酸同化能に基づいた微生物叢の有用物質生産系の構築
5.微生物を用いた食品加工残渣の有効利用法の開発
6.AI技術を用いたメタオミクス系の開発
■同 コンピュータサイエンス学部 福西広晃 (データアナリティクス) 研究室
機械学習や統計解析の手法を用いた予測や要因分析に関する研究を行っています。
[主な研究テーマ]
1.微生物反応に関する予測モデルの開発
2.健康データに関する予測モデルの開発
3.金融データに関する予測モデルの開発
■同 工学部 入谷康平 (高分子・光機能材料学) 研究室
サステイナブルの観点からバイオマス材料や発光材料に関する研究を行っています。
[主な研究テーマ]
1.藻細胞と有機物の複合化によるバイオマス材料の開発
2.凝集誘起発光性ポリマーを用いた波長変換フィルムの開発
3.気液界面における凝集誘起発光性単分子膜の作製
4.改質リグニンの樹脂化と抗酸化性の評価に関する研究
■同 応用生物学部 後藤早希 (水環境工学) 研究室
微生物を利用した環境低負荷な高分子材料の開発をテーマとした研究を行っています。
[主な研究テーマ]
1.微生物が生産するバイオプラスチックの開発
2.バイオプラスチックの分解性に関する研究
■同 応用生物学部 中村知世 (応用微生物学) 研究室
微生物が持つ機能の有効利用と生命現象の解明を目的とします。主に食品に関連したテーマを取り扱います。
[主な研究テーマ]
1.発酵食品中の微生物に関する研究
2.損傷菌、培養不能菌など、ストレスを受けた微生物の状態に関する研究
3.口腔内細菌に関する研究
(注2) オミクス情報:ここでは、遺伝子転写量(トランスクリプトミクス)や代謝物プール量または代謝フラックス(メタボロミクス)、細胞間の相互作用(インタラクトミクス)など、培養において網羅的に得られる動的な情報を意味します。
【論文情報】
論文名: Development of a Prediction Method of Cell Density in Autotrophic/Heterotrophic Microorganism Mixtures by Machine Learning Using Absorbance Spectrum Data
著者名: Nakanishi A*1,*2, Fukunishi H*1, Matsumoto R, Eguchi F (*1: co-first author, *2: corresponding author)
URL: https://doi.org/10.3390/biotech11040046
■東京工科大学 応用生物学部 中西昭仁(生命機能応用)研究室
微生物の新規利用法の開発をテーマに研究を進めています。
[主な研究テーマ]
1.緑藻細胞を素材に用いた新規プラスチックスの開発
2.タンパク質の選択的提示のための新規炭素材の利用方法の開発
3.食品や化粧品素材をはじめとした有用物質生産のための微生物細胞内代謝フローの評価と改変
4.緑藻の炭酸同化能に基づいた微生物叢の有用物質生産系の構築
5.微生物を用いた食品加工残渣の有効利用法の開発
6.AI技術を用いたメタオミクス系の開発
■同 コンピュータサイエンス学部 福西広晃 (データアナリティクス) 研究室
機械学習や統計解析の手法を用いた予測や要因分析に関する研究を行っています。
[主な研究テーマ]
1.微生物反応に関する予測モデルの開発
2.健康データに関する予測モデルの開発
3.金融データに関する予測モデルの開発
■同 工学部 入谷康平 (高分子・光機能材料学) 研究室
サステイナブルの観点からバイオマス材料や発光材料に関する研究を行っています。
[主な研究テーマ]
1.藻細胞と有機物の複合化によるバイオマス材料の開発
2.凝集誘起発光性ポリマーを用いた波長変換フィルムの開発
3.気液界面における凝集誘起発光性単分子膜の作製
4.改質リグニンの樹脂化と抗酸化性の評価に関する研究
■同 応用生物学部 後藤早希 (水環境工学) 研究室
微生物を利用した環境低負荷な高分子材料の開発をテーマとした研究を行っています。
[主な研究テーマ]
1.微生物が生産するバイオプラスチックの開発
2.バイオプラスチックの分解性に関する研究
■同 応用生物学部 中村知世 (応用微生物学) 研究室
微生物が持つ機能の有効利用と生命現象の解明を目的とします。主に食品に関連したテーマを取り扱います。
[主な研究テーマ]
1.発酵食品中の微生物に関する研究
2.損傷菌、培養不能菌など、ストレスを受けた微生物の状態に関する研究
3.口腔内細菌に関する研究
■応用生物学部WEB
https://www.teu.ac.jp/gakubu/bionics/index.html
■コンピュータサイエンス学部WEB
https://www.teu.ac.jp/gakubu/cs/index.html
■工学部WEB
https://www.teu.ac.jp/gakubu/eng/index.html
https://www.teu.ac.jp/gakubu/bionics/index.html
■コンピュータサイエンス学部WEB
https://www.teu.ac.jp/gakubu/cs/index.html
■工学部WEB
https://www.teu.ac.jp/gakubu/eng/index.html
■本件に関するお問い合わせ先
学校法人⽚柳学園
コミュニケーション企画部
担当︓⼤⽥
Tel 042-637-2109
E-mail ohta(at)stf.teu.ac.jp
※(at)は@に置き換えてください
学校法人⽚柳学園
コミュニケーション企画部
担当︓⼤⽥
Tel 042-637-2109
E-mail ohta(at)stf.teu.ac.jp
※(at)は@に置き換えてください
大学・学校情報 |
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大学・学校名 東京工科大学 |
URL https://www.teu.ac.jp/ |
住所 東京都八王子市片倉町1404-1 |
学長(学校長) 香川豊 |