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大阪大学が生成AIサービスを全学事務部門に導入、業務の効率化・高度化を実現へ ― 生成AIサービスを国立大学法人最大級の規模で利活用

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国立大学法人大阪大学(所在地:大阪府吹田市、総長:西尾章治郎、以下 大阪大学)は、業務DX推進の一環として、全学の事務部門(約1,600名)を対象に、株式会社科学情報システムズ(所在地:神奈川県横浜市、代表取締役社長:浜地歩、以下 SIS)が提供する「Knowledge Stack」を選定し、2024年5月に本格導入を開始しました。これは、国立大学法人の事務部門への導入規模としては最大級となります。また、本システムは、大阪大学専用のAzure環境内で Azure OpenAI Service を用いてLLM(GPT-3.5、GPT4)を利用するサービスであり、プロンプトに投入されたデータは国内の閉域サーバ内で管理される仕組みであるほか、LLMの学習に使われることもありません。これにより、事務職員が安心して生成AIを最大限に活用して業務に取り組むことを目指しています。

■背景
 昨今、各大学は研究力及び国際競争力の強化の観点から、研究者が研究に専念できる時間・環境を確保し、研究の質を高めるため、近年増加傾向にある研究者の管理的業務を軽減していくことが求められています。また、大学の事務部門そのものに求められる機能も、急速に複雑化、高度化しています。
 大阪大学では、これらの状況に適切に対応し、世界に伍する卓越した研究大学となるべく、事務部門における業務の効率化や企画業務の充実、高度化を図るためにさまざまなDXを推進して、事務部門の強化を図っています。今回の、生成AIサービスの一斉導入もその施策の大きな柱となります。

■期待される効果
【ポイント】
・生成AIサービスの機能拡張により、業務削減・効率化を加速
・企画業務への生成AI活用推進により、業務の高度化を実現

 今回導入した「Knowledge Stack」に、ニーズに沿った機能を拡張させていくことにより、事務職員の業務がさらに効率化し、高度な内容へと進化することが期待されます。
 具体的には、大量の文書を扱う業務においても十分対応できるように、GPT以外の複数のLLMモデルを利用可能にすることや、学内規程や通知文書をデータソースとして精度の高い回答を生成するRAG(Retrieval-Augmented Generation)を導入することで、事務文書の英語化・議事録作成・資料要約などさまざまな部署で求められる業務の効率化を加速し、業務の質も向上させます。
 また、アイデアの検討・整理・ブラッシュアップやブレーンストーミング、データ収集からデータ分析などの業務においても、生成AIの展開を推進することで、より洗練された高度な企画立案が行えるようになります。
 大阪大学ではこれからも、先進的技術を活用して職員のパフォーマンスを最大限に引き出し、高度化・卓越化を進めるべく、DX推進、事務業務の改革に取り組んでまいります。

■安全性を確保した独自システムの構築
【ポイント】
・投入されたプロンプトのデータは、閉域の大阪大学専用サーバ内で管理
・Microsoft365の Microsoft Entra IDと多要素認証(MFA)による認証連携でアカウント管理
・採用者の利用開始・退職者の利用停止なども Microsoft Entra IDと連携して自動的に処理
・利用者ごとにトークン利用量を把握して利用状況を可視化・分析

① セキュアな環境で先進的技術を活用
 大阪大学は、SISとともに安全性の確保と持続可能な運用の両立を目指し、システムの構築を行いました。「Knowledge Stack」は、プロンプトに投入されたデータは国内の閉域サーバ内で管理される仕組みであるほか、LLMの学習に使われることもありません。Azure OpenAIのコンテンツフィルターを活用して、差別・性的・暴力・自傷行為などのカテゴリーをフィルタリングする機能も有効にしています。さらに、大阪大学が管理する Microsoft365の Microsoft Entra IDと多要素認証(MFA)による認証連携を行うなど、情報セキュリティに最大限の配慮がなされた設計としています。これにより、事務職員が安心して生成AIを活用できる環境を組織として提供できることとなりました。
 また、生成AIの利用方法・機密情報の取り扱いに関する注意事項等を普段利用するチャット画面からいつでも簡単に参照できるようにしています。

② 柔軟かつ豊富な管理機能を実装
 アカウントについては、大阪大学が管理する Microsoft365の Microsoft Entra ID側の制御と自動連携するため、「Knowledge Stack」側で別途管理する必要がありません。また、採用者の利用開始・退職者の利用停止なども Microsoft Entra IDと連携して自動的に処理されるため、管理コスト削減と運用上のセキュリティ向上の双方を実現しました。
 さらに、利用者ごとにトークン利用量を把握して利用状況を可視化・分析できるほか、一定の利用量を超過した利用者に対して利用制限をかける機能を備えており、管理者がランニングコストを柔軟にコントロールできるという特長があります。

③ SISと「Knowledge Stack」について
 「Knowledge Stack」は、わかりやすいユーザインタフェースに加えて、大阪大学専用の閉塞域環境で安心・安全に利活用できるほか、費用面においても、ユーザ単位ではなく全体の利用量に基づいた料金設定や、利用状況を可視化、分析できるなどの豊富な管理者向け機能を備えており、効率的なコスト管理が実現できるような製品設計となっています。
 「Knowledge Stack」はナレッジ活用ソリューションとして、文書検索システムとの連携(RAG機能)等が拡充される予定であり、ニーズの変化に応じたシステムの充実を図ってまいります。

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