酪農学園大学

酪農学園大学 臼井教授、株式会社ムスカらの研究グループが、イエバエ幼虫を堆肥化に活用することで豚糞便に含まれる薬剤耐性菌対策を実現!

大学ニュース  /  先端研究

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研究成果のポイント
●家畜糞便に含まれる薬剤耐性菌が、堆肥を介して環境に広がることが問題
●イエバエ幼虫は、家畜糞便を、わずか7日間で堆肥化
●イエバエ幼虫による堆肥化により、薬剤耐性菌を著しく減少させることに成功、高品質な堆肥が完成
●堆肥化後のイエバエ幼虫は、飼料として活用可能
●薬剤耐性菌が環境を介して拡散することを防ぐ手段として期待

研究成果の概要
 抗菌薬が効かない細菌である薬剤耐性菌の拡散が、公衆衛生上の大きな問題になっています。動物に対しても抗菌薬は使用され、家畜の糞便にも薬剤耐性菌は含まれます。そのため、家畜糞便に含まれる薬剤耐性菌が、堆肥化を介して、環境に拡散することが懸念され、問題解決が求められていました。
 そこで、株式会社ムスカが持つイエバエ幼虫による堆肥化技術に着目しました。イエバエ幼虫による堆肥化は、幼虫が分泌する消化酵素によって堆肥化を起こし、わずか7日間で堆肥化を完了させます。7日後の堆肥化を評価した結果、家畜糞便に含まれた薬剤耐性菌を著しく減少させることに成功し、高品質な堆肥が完成しました。堆肥化後のイエバエ幼虫は、飼料として活用可能です。
 今回の方法が現場で活用されることで、農場からの薬剤耐性菌の拡散を防ぐことが期待されます。
論文発表の概要
Usui M*, Fukuda A, Azuma T, Kobae Y, Hori Y, Kushima M, Katada S, Nakajima C, Suzuki Y. Vermicomposting reduces the antimicrobial resistance in livestock waste. Journal of Hazardous Materials Advances 100491. 2024.
https://doi.org/10.1016/j.hazadv.2024.100491

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