学校法人 東京家政学院

中高から体験型キャリア教育を展開し注目を集める――学校法人東京家政学院の「KVA精神」

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東京家政学院では創立者・大江スミの実学や体験重視の教育方針にのっとり、必ず生徒に「体験させて学ばせる」という方法を教育内容に組み込んでいる。特に、「キャリア教育」は中学、高校で20年以上も続いている。また円滑な人間関係を作る「エンカウンター教育」は中学で4年前からプログラム化し、カウンセラーの指導や講演も実施している。

 東京家政学院中学高等学校の創立者「大江スミ」は、わが国で初めて「家政学」を総合的な学問とした人物である。大江スミは明治時代にイギリスに渡り、家政学を研究。帰国後、「家政学」が社会を豊かにする学問であるという信念で家政学の普及に務めた。また、女子教育にも熱心で自立した女性を育てたいという思いで1939年に学校法人東京家政学院を創立した。

 「家政学」は科学的な理論、実験、実習などの体験的な学習とその両面で成り立っている学問である。生徒の人間性を育てるため、同学院では創立者の建学の精神「KVA精神(※)」にそった教育を実践している。

 まず、入学直後の新入生は、社会の中でどのようにして人と関わりも持って生きていくべきかを半年をかけて学ぶ。また、友人とのコミュニケーション能力を高める目的で、講師を招き、他人の話の聞き方や他人と円滑に話す方法を実習によって学ぶ。
 さらに、具体的な円滑な人間関係作りにおいては、「エンカウンター教育」を実施。これは中学での3年間、年に5回程度ずつを4年前からプログラム化して実施。同校のカウンセラーの指導や講演も実施している。教師に対しては外部講師の研修を受け、生徒への指導に役立てている。創立者の実学、体験重視の教育方針にのっとり、同校は必ず生徒に「体験させて学ばせる」という方法を教育内容に組み込んでいる。

 また、将来の職業選択を応援するキャリア教育では、かつては学年によって実施内容が異なっていたが、4年前から中高6年間のシラバスを作成して体験を重視しながら実践している。さまざまな職業人や多くの卒業生を講師に招いての講演会、大学教授や専門職の方を招いての模擬授業のほか、職業体験の場を数多く設け、体験型のキャリア教育を実施している。

 家庭科関係では、シニア体験や幼稚園や保育園での実習、調理、被服、保育などユニークな科目を設定し、実習中心の授業を行っている。家庭科以外にも理科や社会では地理や地学の野外授業、都内見学など、他教科でも積極的に実学重視の内容を取り入れ、生徒らは創立者の教えを受け継ぎ、人間が社会で生きていくための姿勢を体験して学んでいる。

 東京家政学院中高は時代とともに教育内容を積極的に変革してきた学校である。しかし、どんなに時代を経ても校風は変化していない。創立以来、伝統や校風を守りながら「自立した女性」を目指している学校であり、女子校であるからこそ女性の力を育てられる「時代において女性が果たすべき役割とは何かを問うこと」が創立の理念でもある。

※学校法人 東京家政学院の建学の精神
 大江スミはイギリスで4年間、主に実学的で科学的な「家政学」を勉強してきた。帰国後は、衣食住、保育、福祉などのあらゆる教科書を作成。やがてわが国において「家政学の母」と呼ばれるようになった。また、女性の地位の向上を目指す女子教育を実践するために、1939年に高等女学校を創立。「将来の自立した女性を育てたい。そのためには知識・学問が深く、品性が高く、社会に出ても家庭に入っても諸技能を身につけた女性でなくてはならない」という思いから、そのような女性を育てることを建学の精神とした。この建学の精神は「KVA精神」と呼ばれ、今でも同学院の教育方針となっている。
 nowledge 知識(学問深く、知識の広い人)
 irtue    徳性(品性の高き人)、
 rt       技能(諸技能に精通した人)
 この3つの教育目標に沿って、現在の家政学院中高の教育内容が実践されている。将来の自立した女性にすることが目的で、創立者の教えは礼法として「私たちの学校と生活」という冊子として残されている。

▼本件に関する問い合わせ先
 東京家政学院中学校・高等学校 担当:滝澤保一
 TEL: 03-3262-2256
 FAX: 03-3262-2223
 E-mail: takizawa@chuko.kasei-gakuin.ac.jp