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帝京大学メディアライブラリーセンターが「共読ライブラリー」をスタート――「共読」をコンセプトに学生の読書欲を掻き立てる4年間プロジェクト

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このたび、帝京大学メディアライブラリーセンターでは、編集工学研究所(所長:松岡正剛氏)との共同企画で、従来の自己完結型読書ではない、発展的循環型の読書形態を通して、学力の向上と情報編集力の獲得を目指す。

【経緯】
 帝京大学メディアライブラリーセンター(以後MELIC)では学士力向上支援と学生の読書への誘引を目的とし、書評授業との連携、ビブリオバトル実施や「シラバス連携」「指定図書制度」等を実施してきた。

 読書離れと、大学生の学習基礎力の低下は日本全体の課題でもあり、MELICがこの状況下で貸出増と効果的な自立的学習支援をすすめるためには、全学規模の総合的で継続的な読書プログラムを実施する必要があると判断した。
 そこで、この統合的読書推進企画を「共読ライブラリー」プロジェクトとして下記のように実施することとした。

【概要・計画】
●共読ライブラリーとは
 「共読」とは、本を勧めたり、連ねたり、読み合わせたり、評し合う読書の形態である。普通の読書が自己完結型とするなら、「共読」は発展的循環型の読書と言える。
 さらに「共読ライブラリー」は、図書館を中心として「共読」のための環境を整える全学的プログラムである。本のユニットやネットワークを意識する読書の仕掛けで学生の主体的な読書行動を活発化させ、「共読」を全学的に展開することで、学士力の向上、アカデミックスキルや情報編集力の獲得を支援することができると考えている。

●概要
1 「共読ライブラリー」プロジェクトを、編集工学研究所(所長:松岡正剛氏 *注)との共同企画として実施する。

2 編集工学研究所は松丸本舗、読書術コースウェア、千夜千冊、イシス編集学校といった読書に関わる企画とノウハウと人脈を豊富に持つ。共同でプロジェクトチームを組織し、この読書推進プロジェクトを進めることで、社会に少なからぬインパクトを与え、貸出増は勿論、本学ブランドイメージの向上を図る。

●企画
1 「共読ライブラリー」プロジェクト第一弾 ~ College MONDO(カレッジ問答)書架群を展開
(1)College MONDO企画案
・本棚を介した交流(著名人と、卒業生と、同級生と、先生と、企業人と、等々)
・学生が気になっている疑問や悩みに対して、本で応える問答型の書架企画。本を紹介するキャッチコピーや本の並べ方も工夫し、展示した本だけでなく、関連する本を読んでみたいという意欲を掻き立てる仕掛けづくりを積極的におこなう。

 [1] ゲスト著名人が、学生の質問に本で答える棚 [著名人とオススメの本を共読する]
 (Special MONDO)
 ※初回ゲストは、蒼井優さん(女優)と又吉直樹さん(お笑いタレント)。秋頃、新ゲスト登場。
 [2] キャリアを切り開くための問答棚(Carrier MONDO)
 [3] 人生を豊かにするための問答棚(Life MONDO)
 [4] 教員との問答棚(Carrier MONDO)
 [5] 卒業生との問答棚(Carrier MONDO)

2 「共読ライブラリー」プロジェクト第二弾 〜 読書術コースウェア導入
 全学的読書推進プロジェクト「共読ライブラリー」の一環として、“読書の習慣化”による読解力、理解力等の学習基礎力向上とアカデミックスキルの獲得のために、新入生の入学時(1年次)に「読書術コースウェア」(オンライン3週間コース)を導入する。

(1)実施コースウェアの内容について
 [1] 編集工学研究所作成の一般向け「読書術レッスン『序』」を帝京大学用にカスタマイズして導入。
 [2] WEBベースの双方向、受講者同士が回答を相互参照可能な共読環境で受講(1グループ5~10名)。3週間で8題の「お題」をゲーム感覚で受講。

(2)今回導入の位置づけ
 [1] 受講者と未受講者との今後の学習における変化を経年調査する。
 [2] 帝京大学版開発のためのリサーチを兼ねて実施し、帝京大学版の新入生全員への全学的導入を目指す。また、大学版読書術としての全国展開も視野に入れる。
 [3] 今後上級者向けに授業形態の「読書術活用篇」も検討する。また、指導する側にまわるリーディングコーチ(仮称)を育成し、「学び」と「指導」の相互作用で、より深い情報編集力の獲得と学士力の向上を目指す。

●今後の展開
書架連動イベントの実施、WEBリコメンデーションの仕組み設計、書架連動グッズ開発、等を予定している。


*注
[松岡正剛プロフィール]
 1944年、京都生まれ。東京大学客員教授、帝塚山学院大学教授をへて編集工学研究所所長、イシス編集学校校長。
 1971年『遊』創刊し編集長をつとめる。1980年前後に「編集工学」という新しい領域を発案・構想。以降、情報文化と情報技術をつなぐ研究開発に広く携わる。一方、日本文化研究の第一人者として「日本という方法」を提唱し、私塾「連塾」を中心に独自の日本論を展開。2000年にウェブ上でイシス編集学校と壮大なブックナビゲーション「松岡正剛千夜千冊」をスタート。2006年に第1144夜までをまとめて『松岡正剛千夜千冊』(全七巻+特別巻)を刊行、以降もウェブ上で執筆継続中。
[主な著書]
 『情報の歴史』、『知の編集術』、『フラジャイル』、『花鳥風月の科学』、『17 歳のための世界と日本の見方』、『世界と日本のまちがい』、『白川静』、『連塾 方法日本』(全3巻)、『多読術』、『日本力』、『松岡正剛の書棚 松丸本舗の挑戦』、『わたしが情報について語るなら』ほか多数。


資料補足
[1] 「共読ライブラリープロジェクト 第一弾 書架計画」についてはすでに書架が完成し、MELICに設置しています。写真をご覧ください。
[2] 展示書架College MONDO棚でゲスト著名人が学生の質問に本で答える企画については、現在チラシで学生からゲストに答えてもらいたい質問を募集中。(資料2 書架計画 college MONDO参照)
[3] 側面を黒板にし、チョークで書評等を書くことができる黒板本棚は、今回のプロジェクトのために、帝京大学と編集工学研究所が松岡正剛による監修で開発したもの。
[4] 編集工学研究所が大学図書館をプロデュースするのは帝京大学が初めて。
[5] 「共読ライブラリープロジェクト 第二弾 読書術コースウェア」は5月11日からスタート。

学校法人帝京大学
▼八王子キャンパス メディアライブラリーセンター
 担当: 中満・辺見 
 TEL: 042-678-3407
 FAX: 042-674-8876
 E-mail: lib-all@main.teikyo-u.ac.jp