東京外国語大学

100年以上にわたる歴史を誇る、26言語の「語劇」公演――東京外国語大学「外語祭」

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東京外国語大学では、11月20日(木)~24日(月)の日程で大学祭「第86回 外語祭」を開催する。なかでも、「各国料理店」と並び、外語祭の目玉として親しまれている「語劇」は、100年以上に及ぶ歴史を誇っていることで有名だ。

 東京外国語大学(東京都府中市 学長:亀山郁夫)の学園祭である「外語祭」は、今年度で第86回目を迎える。
 外語祭の大きな特徴となっているのは、外国語大学らしい“国際色の豊かさ”だ。それぞれの専攻語の1年生がキャンパスの中央広場を囲むようにして、自分の専攻語の使用されている地域の料理を振舞う。
 また、2年生は日常の勉学の成果を発表する機会として「語劇」を上演する。語劇では学生が自分たちの専攻語(26言語)を用いた劇を準備し上演するが、脚本決定からキャスティング、演技指導、裏方作業まですべて自分たちの手で行っている。

 東京外大の「語劇」の歴史は古く、100年を超える伝統を誇っていることで有名だ。
 同大は1899年(明治32年)、東京高等商業学校から付属外国語学校が分離独立し、東京外国語学校としてスタートした。翌1900年(同33年)4月、同校校友会主催の講演会が行われ、仏議会演説暗唱(フランス語科)、ドイツ語演説(ドイツ語科)、「論語」音読(中国語科)などのほか、スペイン語科の喜劇「日の出」、モリエールの「女学者」(フランス語科)、シラーの「ウィリアム・テル」(ドイツ語科)などの演劇が原語で上演。駐日の各国公使や各界の名士が集まった。
 また、1908年(明治41年)には、時の首相や歌舞伎俳優の市川左団次らも観劇したといわれる。

 その後国策による禁止、再開を繰り返し、2・26事件のあった1936年(昭和11年)11月の語劇大会を最後に中断。戦後の1947年(同22年)10月に、復活第1回が開催されるという経過をたどっている。
 なお、女子学生が初めて出演したのは、復活第2回公演の1948年(同23年)からであった。

▽「26言語、語劇支援」は04年度の文科省「特色ある教育支援プログラム」にも採択

 語劇を含む外語祭は、本来学生の自主的学内活動の一環として行われているが、26言語による「語劇」は、その企画から上演に至るまで、大学の「高度な言語運用能力と世界諸地域の言語・文化・社会についての深い知識、グローバルな視点を身に付けた人材の養成」という目標に合致するとの観点から、大学が取り組んだ「生きた言語習得のための26言語・語劇支援」は2004年度の文部科学省「特色ある教育支援プログラム」に採択された。
 なお、25か国にも及ぶ外国語による語劇が年恒例の行事として上演されるのは、世界でもほとんど類を見ないものである。

▼本件に関する問い合わせ先
 国立大学法人東京外国語大学
 企画広報課 広報係
 TEL: 042-330-5150
 FAX: 042-330-5140
 E-mail: kikaku-koho@tufs.ac.jp