帝京大学

帝京大学医学研究科が、本格化する“長期有人宇宙探査”時代に向け「宇宙環境医学」「宇宙環境医学特論」を開講―― 一部の科目は一般にも公開

大学ニュース  /  教育カリキュラム  /  先端研究  /  大学院

  • ★Facebook
  • ★Twitter
  • ★Google+
  • ★Hatena::Bookmark

日本人宇宙飛行士達の国際宇宙ステーション・モジュール「きぼう」における活躍や、独自の宇宙輸送船の運用成功に伴って、わが国も宇宙開発の当事者となった。今後は火星探査をはじめとした長期有人宇宙探査に向けて、宇宙環境医学のさらなる発展が期待されている。こうした中、帝京大学大学院医学研究科では今年度より、「宇宙環境医学」「宇宙環境医学特論」を板橋キャンパスで開講する。「宇宙環境医学特論」の一部の科目は一般にも公開される予定だ。

◆宇宙環境医学
【担当教員】
 槇村浩一 准教授 (専門分野:宇宙環境医学、医真菌学、労働衛生学)
【一般教育目標】
 2008年に日本実験棟「きぼう」が国際宇宙ステーション(ISS)に設置され、2009年には独自の宇宙輸送船HTVの運用が成功したことを背景として、初めてわが国にも有人宇宙環境が開かれた。これはすなわち、宇宙環境にあってもわが国の施設とその乗員の健全性は、わが国の科学と技術によって担保する責任を負ったことを意味する。そのためのプロジェクト研究は、本科目研究グループによって1998年の予備的検討から継続的に行われており、2009年以降は宇宙航空研究開発機構(JAXA)との共同研究としてISSにおける環境および常在微生物叢と宇宙飛行士の健康障害に関する研究(Microbe-I)を開始している。
 今後は、火星探査をはじめとした長期有人宇宙探査に向けて、宇宙環境医学の一層の展開が期待される。
 そこで、本科目では有人宇宙環境をはじめとした人工的有人環境において問題となっている環境および常在微生物による健康障害の管理等、宇宙環境医学上の学際的研究・開発を推進するとともに、その対照として院内環境等の地上における人工的有人環境をフィールドとした研究を行う。また、併せて宇宙研究成果のスピンオフとして、地上における医学・医療に寄与できる技術開発研究を行うことを目的とする。
【行動目標】
 (1)与えられたプロジェクト研究の一員として、
    宇宙環境等人工的有人環境における健康事象に対して、その研究方法を立案できる。
 (2)研究に必要な調査・実験等を適正に遂行し、必要な情報を得ることができる。
 (3)研究によって得られたデータに基づき、必要かつ充分な考察を加えることができる。
 (4)研究内容を論文ならびに口頭で発表することができる。
 (5)研究グループの一員として主導的役割を果たし、後進の指導を行うことができる。
 (6)宇宙環境等人工的有人環境における健康事象に対するコンサルテーションに対応できる。
 (7)宇宙環境等人工的有人環境管理において指導的役割を果たすことができる。
【関連のある専門資格】
 (1)宇宙航空医学認定医(日本宇宙航空環境医学会)
 (2)認定産業医(日本医師会)
 (3)労働衛生コンサルタント(厚生労働省・日本労働安全衛生コンサルタント会)
 (4)インフェクション・コントロール・ドクター(ICD;感染症関連学会)
 (5)医真菌学専門医(日本医真菌学会)
 その他

◆宇宙環境医学特論
【責任者】
 槇村浩一(宇宙環境医学研究室 准教授)
【目的】
 宇宙環境を題材として、人工的有人環境における医学的管理の理論を習得するとともに、地上における院内環境同様に有人宇宙環境においても問題となっている環境および常在真菌とその健康障害ならびにその管理を議論する。
【受講条件】
 なし
【その他】
(1)宇宙環境医学・生物学に限らず、院内または生活環境における感染症および微生物関連アレルギー等の診断、評価に関連する医真菌額的・臨床微生物学的内容が含まれる。
(2)外部講師等による特別講義に合わせて複数回の講義を合併して行うことがある。また、公開講義とする場合がある。
(3)必要により他の共通科目等との共催として実施する場合がある。

▼本件に関する問い合わせ先
 帝京大学医真菌研究センター
 〒192-0395 東京都八王子市大塚359
 TEL: 0426-78-3256
 FAX: 0426-74-9190