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文教大学広内研究室が人形博物館「横浜人形の家」へ3D仮想展示システムを寄贈――人間国宝の平田郷陽の全作品を3Dコンテンツ化

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3D仮想展示システム「3D人形の家」は、広内教授によって開発された3D写真をズーム表示するビューア・ソフトSPVを用いて3か月かけて構築され、映し出される3Dコンテンツは写真でありながらビデオ映像のように動くコンテンツとして再生される。12月26日に横浜人形の家にて贈呈式が行われ、その後一般公開される予定。

●日本初の3Dビューア・ソフトSPVの開発
 文教大学情報学部 広内哲夫教授は、3D写真におけるズーミングの理論解析を行い、3つの特許を取得。併せて開発された3D写真ビューア・ソフト(SPV)は、ズーム機能を具備しており、3D写真をビデオ映像のように動きを付けて再生することが可能。SPVは、動く3D写真を実現するソフトとしては日本初で、効果的な3D仮想展示システムを構築するツールに成り得る。なお、SPVによる3D仮想展示システムは今春すでに、京都の嵯峨野観光鉄道が運営する日本最大級の鉄道ジオラマ展示館に、ジオラマ紹介のために導入されている。

●覚書締結
 今回、文教大学は、人形博物館「横浜人形の家」(横浜市中区山下町)の事業母体である横浜観光コンベンション・ビューロー(横浜市の外郭団体)との間で、教育研究に関する覚書を締結し、両者が連携して同館が所蔵する人形作品(人間国宝の作品)の3D仮想展示システムを構築することになった。同館では約1万4千体の人形を所蔵しているが、常設展示は3500体程度に限られている。また、特に人間国宝の作品は管理保存の必要から、一般公開は年に1回程度で、入館者からは複数回の公開を望む声が寄せられている。そこで横浜人形の家では、幅広く作品を公開する手段として、文教大学が提案するSPVによる3D仮想展示システムを採用することにした。

●3D仮想展示システムの構築
 連携事業を担当する広内研究室は、外部のプロカメラマン、3D専門家と協同して、8月より人形の写真撮影、画像処理、ズーム編集を行い、11月初旬までに人形の3D仮想展示システムを構築。3D撮影は、プロカメラマンの八尾佳則氏が人間国宝の人形を、2人のゼミ学生が常設展示の人形(日本郷土人形と世界各地の人形)を担当。同館は人間国宝第1号(人形分野)である平田郷陽の人形作品を17体所有しているが、今回はこの17体すべてが3Dコンテンツ化された。3Dズーム編集は広内教授が行い、3D監修は三次元映像のフォーラム代表幹事の羽倉弘之氏、また3D設備等の環境設定は3D専門家の永井清史氏がそれぞれ担当した。

●寄贈
 構築した3D仮想展示システムの贈呈式は、12月26日(木)午後3時から「横浜人形の家」で行われ、上記の制作関係者、横浜人形の家の関係者、広内ゼミ学生が参加する。デモンストレーションは、同館の大型3Dテレビで行われ、上映総時間は約50分。SPVによるズーミング表示は、画像状態によっては最大15倍程度まで可能だが、今回の3Dコンテンツでは最大6倍程度までに抑えている。閲覧者は人形の顔などの細部までを、動きのある鮮明な立体映像として鑑賞することが出来る。人間国宝・平田郷陽作品などの3D仮想展示システムによる一般公開は、その後直ちに行われる予定。なお、寄贈される3D仮想展示システムおける3Dコンテンツの構成は、以下のとおり。

【名称】「3D横浜人形の家」
【構成】1.人間国宝-平田郷陽の世界(写真撮影:八尾佳則)
     2.世界の人形(学生作品-写真撮影:大長明日香・他)
     3.日本の人形(学生作品-写真撮影:白木貴大・他)
【上映時間】1コンテンツ当たり約15分(人間国宝→世界の人形→人間国宝→日本の人形の順に繰り返して上映)


●贈呈式のご案内
【贈呈式】12月26日(木)午後3時~(約30分)
     その後、デモンストレーション(約50分) 
【参加者】3D制作関係者、横浜人形の家関係者、文教大学のゼミ学生
【場所】横浜人形の家(式の場所は横浜人形の家事務局にお問い合わせください)

▼本件に関する問い合わせ
 文教大学学園広報マーケティング室
 TEL: 03-3783-5511
 文教大学情報学部(広内)
 TEL: 0467-53-2111 内線(301、333)

 横浜観光コンベンション・ビューロー(横浜人形の家事務局)(齋藤、本間、井伊)
 横浜市中区山下町2 産業貿易センター1階
 TEL: 045-221-2111

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